私の知らない世界崩壊のシナリオを教えて。
SFと称する分野の、特に映画部門では、同じシナリオが使い回しされているとのうわさです。
普通の日常生活をしている主人公が、たまたま偶然”何か”と出会う。(人、生物、物、情報、先祖、宇宙人…)
その”何か”の存在を認めると同時に、世界が崩壊しつつあることを知らされる。
そして、”何か”は主人公に告げる。
「世界を救えるのは、君だけだ!」
”何か”と主人公は、世界を救うために奔走し、世界は救われる。
その、世界の終わり方と防ぎ方を紹介して下さい。(防ぎ方の方は、ラストのネタバレしない程度で結構です)
いろいろ注釈ありなので、補足をご覧ください。
既知のものがあるので、できれば避けていただきたい。
・指輪物語(冥王による支配が指輪で確定する。→指輪を渡さないのが世界を守る術)
・ファンタスティックフォー銀河の危機(2007年映画版:星を食べちゃう奴が来る。→そいつを殺るしかない)
・ハワード・ザ・ダック(映画:暗黒魔王がやってくる→暗黒魔王が来る道を除去)
・ダーククリスタル(映画:悪の種族が復活する → 復活させる装置を破壊する鍵を持って行く)
・幻魔大戦(アニメ映画:全てを破壊する幻魔がやってくる → とりあえず阻止)
・天空の劫火(小説:地球に惑星破壊兵器が投げ込まれた → 破壊を阻止)
・ネバーエンディング・ストーリー(映画:本の中にある世界が無くなってしまう→勇者を支援して破壊を阻止)
・スターウォーズエピソードIV(映画:デススターによる惑星破壊→デススターを壊すんだ!)
等々。ま、書ききれませんが、あんまり新しいのは知りません。
ここで、条件です。
ファーストガンダムの様な、世界の破壊を目的としていない敵との戦闘の場合は、世界が破壊されないので除外します。
ショッカーの活動レベルの「世界征服」は、世界の破壊には結びつかない(ショッカーの支配下でも、あんまり日常生活が変わらなそう。ドクーガの世界は既にほぼ支配下で日常)ので除外。
敵の目的が特定個体の破壊を目的としてる場合は除外(派生効果で地球が破壊されるのは除外したい)ザンボット3・ダイターン3、エヴァンゲリオン等は除外対象です。
境目は、ガミラスの侵略が含まれる、としましょう。(地球市民は全員放射能で死亡することを計画していたのですよね)
このままでは、地球人類はダメかも、と観客・読者が推測するのは除外。明確に地球や人類や世界が崩壊・破壊・滅亡すると誰かが断言しないとダメ。→ジュラシック・パークは除外。汚染系が難しいですが、遊星からの物体Xは除外(とりあえず、極地限定だし)アンドロメダ…も除外、ザ・スタンド(キング)や復活の日(左京)は世界滅亡の条件としては合格とします。
妖星ゴラスの様なワクワクする系も、地球上全エネルギーを消費するタイムマシンのようなちょっとがっかり系、も大歓迎です。
現役の作家では「小川一水」にそういうのが多い。
導きの星〈1〉目覚めの大地 (ハルキ文庫―ヌーヴェルSFシリーズ)
人類の世界が徐々に縮小していくお話し。
拡大できる余地がありながら内部で退化していく人類。
出口はあるのか?
異星人の自動機械が太陽を覆い尽くすお話し。
冷えていく地球。
圧倒的な技術力の差。
人類は生き延びることができるのか?
マンガ家では「外園昌也」に幾つかある。
心理的に退廃して滅びゆく人類。
人々の心を癒すヴォイスの歌。
突然にいなくなる彼女。
世界に希望はあるのか?
巨大粒子加速器の実験で、予期せぬ効果により破壊される世界。
実験を阻止するために未来から来た犯罪者、そして犯人を追ってきた戦士。
世界に未来はあるのか?
・・・この人はその手の作品が多い。
数十年前の海外SFには異星人との戦争で滅びそうになる人類を題材にして作品が多い。
エンダーのゲームとかバベル-17とかね。
たいていは助かるんだが・・・。
他にもナウシカなんかそうだし、地球へ・・とかもあったな。
滅びゆく世界と救世主伝説。
https://www.youtube.com/watch?v=j5PRLAmOwEQ
青山剛昌さんの、
夏のサンタクロース
は、
最強の軍事衛星を動かすカードが、
テレホンカードにそっくりで、
彼女にふられた人が、そのカードを拾って、
お酒を飲んで
「二度と電話しないでね」と言われていたので、
「電話してやろうじゃないか」と言って、
そのカードを公衆電話に入れて、電話をしたら、
軍事衛星が動きます。
衛星の持ち主は、
電話をした人に、もう一回同じ所に電話して下さいと言うけど、
酔っ払っていたので、覚えてなくて、
衛星の持ち主は、
電話番号を思い出させようとして、
何でもします。
その、テレホンカードという設定が、どうにも納得できるレベルではないような…
暴走する兵器という分野は、その破壊力が問題ですね。世界が保有する核ミサイルを全部発射して、やっとこ核の冬を迎えることができるようなので、地球人類の滅亡に結び付けるのがなかなか…
萩尾望都の「スターレッド」はいかがでしょうか。
(佐藤史生をご存じの猛者ならすでに既読の気もしますが)
対象は地球ではなく火星。火星では世代を経るうちにより協力な超能力を持つ子が生まれるようになり…
地球政府は弾圧を行うのですが、実は火星に超能力者が生まれるのには理由があり、その理由をめぐってXXは火星そのものの破壊をもくろむ…
素晴らしい作品なのでネタバレ惜しいですが。
結局は火星の崩壊は止められないですが、主人公のパートナーの犠牲?により希望を残す余韻のエンド。
おお、スターレッド。萩尾望都って、普通以上にSFを表現できる作家だと思います。竹宮恵子、山岸涼子と3人合わせて、少女マンガに埋もれるのはもったいないと思ってました。
設定と、絵の美しさと、話の規模が特に望都さまは際立っていて。
あじまのパロディが良かったなぁ。→既読ですが、忘れてました。どうもです。
やはり既読でしたか!
萩尾望都のSFで世界崩壊系は、SFマガジン連載の「銀の三角」が美しいです。
最も精緻な絵柄の時代の作品ですし、SFガジェットてんこもりで楽しい。
終末感ただよう雰囲気がちょい光瀬龍っぽく、少々難解であらすじを言うのがかなり難しい作品。
最近の作品だと、水上 悟志の「スピリットサークル」が白眉です。
生れ変りものかと思いきや、未来の転生?が出てきて一気に終末モノの気配が…
ミステリー仕立てで、まだ完結していないこともあり先が楽しみな作品です。
天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
敢えて出さなかった作品に小川一水のこいつがあるんだけど、実は未だ未完。
シリーズ物で、彼のライフワークのような様相を呈している。
去年の5月と12月に第八巻(前後編)が出た。
人類最後の生き残りが乗り込んだ世代間移民船。
船内で滅亡の瀬戸際で種の存続を賭けて繰り広げられるドラマ。
謎が謎を呼ぶ展開。
詳しくは、未完だけど、本編をどうぞ。
「世界の危機」で、ぱっと思いついたのが「星が地球に衝突する!」で、世界最後の日とか古い(当然、「私」が知ってるやつだ)なあ、とか、回答がダブってるしなあ、とか思ったりして回答しそびれていたのですが、賑やかせ、というお達しをいただいたので、滑り込みの賑やかしです。
分かりやすい世界崩壊は、地盤である地球そのものがなくなっちゃうかも、ということで自壊よりも他の天体が衝突、もしくは超接近して地球が崩壊してしまうというパターン。
解決方法で、二通りに分類できます(他にあるかな?)。
話は飛びますが、「自律した機械が暴走して人類を滅亡させる」と目論むケースは、直接原因をつぶす以外に、過去に戻って原因を断つという手段をとるケースがあります。
相手が強力になる前に排除してしまおうというターミネーターのパターンが多いと思いますが、「X-MEN フューチャー&パスト」の場合にはちょっと違います。
http://d.hatena.ne.jp/type-r/20140624
http://nakataseiji2.seesaa.net/article/398540304.html
「私が知らない」の可能性があるかな、と、ちょっと思ったのが「楳図かずおの14歳」。
「環境破壊に起因する、人類の遺伝的な退化」というケースです。
解決方法が二段落ちで、まず最初が「逃げ出す」。
最終的には、人類の新たな進化のステージを超えてエンド。
http://www.ammanu.edu.jo/wiki1/ja/articles/1/4/%E6%AD%B3/14%E6%AD%B3_%28%E6%BC%AB%E7%94%BB%29.html
http://wikiwiki.jp/comic-story/?%A3%B1%A3%B4%BA%D0
とっ散らかってますが、貧弱な記憶力が当てにできず、検索という大海に漕ぎ出したときの記録の断片、ということでご容赦を。
検索をしていれば、Wikipedia には何度も立ち寄ることになるのですが、こんなまとめのページがありました。
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_apocalyptic_and_post-apocalyptic_fiction#Causes_of_apocalypse_in_apocalyptic_fiction
「こういう訳し方になるのね」から始まって、あんなのもあったねとか、これは類型に入らないよね、とか思ってるうちに、何のために捜してたのかをすっかり忘れていました。
とっちらかったままですが、先の Wikipedia の一覧をざっと訳したメモを最後に貼っておきます。
分類 | 詳細 |
---|---|
異星人 | 異星人による侵略 異星人同士の戦争 |
隕石衝突 | 天体と衝突(隕石、小惑星、惑星など) 地球近辺での衝突による周回軌道からの逸脱 |
病気 | 感染症(疫病) |
ゾンビ | 生き返った死体、もしくは、それによって攻撃された生きている人間によって感染 |
環境 | 自然的なの大災害 大規模な気候の変化(次の氷河期による) 温暖化(極冠融解、大規模な洪水) 世界規模の公害 |
未来崩壊 | After the fall or collapse of some future space-based civilization fall も崩壊、collapse も崩壊。よく分からなかった。人類の衰退、とかいうパターンか。 |
人口減少 | 人類の減少、および凋落 |
化け物 | 化け物 バンパイア ラブクラフト的な脅威(異世界の神々) 生物的に変容した人間 |
太陽 | 太陽の膨張、もしくは死 |
社会的な崩壊 | 社会的な崩壊 経済的な崩壊 人口爆発 |
超自然 | 宗教的で超自然的な終末 悪魔 終末論的な物語 |
技術 | 人類と機械の最終大戦 人工知能の暴動 - 戦争、革命、ロボットや機械などによる 人間、異星人、機械などによるサイバー戦争(コンピュータウィルスやマルウェア) |
戦争 | 第三次世界大戦 全世界的な核による虐殺 人類によるその他の終末的な戦争 |
詳細不明 | 詳細が不明の破局のその後 |
世界が、実は個人の精神世界にリンクしてて、個人の最後=世界の滅亡、というパターンは、上記のリストにはないかな。
天岩戸の話は、その類型か、と。
小川一水や野尻抱介を読まずして、現代SFは語れないんだろうけど、未読です。この辺から読んでみましょうか。素粒子関係で世界が崩壊するので、未来から過去へ干渉するって、未来からのホットライン系ですね。
2015/11/14 11:18:38ナウシカの大海嘯は、世界崩壊の一方式ですねぇ。