「林檎殺人事件」の歌詞は、いろいろ謎が多いと思います。
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=56817
児斗玉文章(ことだまふみあき)さんの「林檎殺人事件の謎」の説は面白いと思います。
http://kotodamaxxx.blog.bbiq.jp/gold/2013/02/post-2ac1.html
ですが、「人力検索はてな」のみなさんでしたら、この解釈を上回れるかも、と思ったので質問します。
自分には「質問者から」に示す16の疑問があります。
ことに[13]は、自分にとって大きな謎です。名解釈、珍解釈、お待ちしています。
※回答は9月3日(木)21:00-21:59に。22:00以降に締切。小説風回答歓迎。その他の注意は「質問者から」に。
自分の思う16個の謎は以下です。
[01] なぜリンゴが現場に落ちていたのか?
[02] なぜ捜査一課や鑑識課員は頭をひねっていたのか?
[03] 「霧に浮かんだ真っ赤な林檎」とは?
[04] なぜ警察ではなく探偵の出番なのか?
[05] なぜ紙巻煙草ではなくパイプなのか?
[06] 「フニフニ」とは何?
[07] なぜ「男と女の愛のもつれ」と断定できたのか?
[08] なぜリンゴの歯形から虫歯とわかったのか?
[09] なぜキャンディ好きだとわかったのか?
[10] なぜある男が犯人だと信じたのか?
[11] どうやって殺人現場におびき出したのか?
[12] なぜ夜もしくは暗いところにおびき出したのか?
[13] なぜ探偵は失神したのか?
[14] 探偵は結局、どうなったのか?
[15] 犯人は結局、どうなったのか?
[16] 犯人は結局、誰だったのか?
いちおう自説も提示したいと思いますが、[01]~[16]の謎の大半の解釈を放棄した答えです。
また、とても「これしかないと確信した」レベルの答えではありません。
ですので、皆様の答えをぜひ伺いたいです。よろしくお願いいたします。
9/3 21:20 執筆開始
捜査員は首をひねっていた。
リンゴが落ちているのだ。犯行現場はクリーンルームである。BSL最高レベルの無菌室なのである。
厳重に管理された国家レベルのセキュリティを誇る場所なのだ。
雑菌まみれのリンゴが落ちていてよい場所ではない。
とにかく、密室殺人と言えば探偵の登場が望まれる。
ただでさえ、良質なミステリ原案不足な昨今。
探偵を現場に投入することによって、そのドキュメンタリー的な状況をドラマにして視聴率を取らなければならない。
そして、探偵が登場する。
パイプをくわえた探偵だ。
部屋中にスモークがたかれ、演歌が流れる。
通称マドラス探偵が、やってくる。マドラスといえば波止場でパイプで、縞々シャツで、船を結ぶ奴に片足を載せるというのだ。
スモークの中で見え隠れするリンゴはまるで霧に浮かぶようだった。
マドラス探偵は石原裕次郎にあこがれていたのでパイプなのであった。
「腑に落ちる、腑に落ちない、腑に落ちる、腑に落ちない……
ふにふにふに……」
探偵は何かを唱え出した。彼一流の探偵法なのである。
花占いのように、パイプから、葉っぱを取り出して床に散らせていく。
探偵はリンゴを手に取った。
「ふむ。このリンゴ。歯型と爪跡が付いているな。
爪跡は女性のようだ。
このリンゴを巡っての争いとなったようだ。
まてよ、このリンゴ。
歯型がついているな。
しかもところどころかけている。三か所ほど。
虫歯で歯がない奴が噛んだのだろう。
そしてこのリンゴからはリンゴ以外のにおいがする。
これは春日井のハーブキャンディーのにおいだ。
きっと犯人はハーブキャディー好きに違いない」
「警部!」
「どうした!?」
「そういえば、つい先ほどまで公務執行妨害で身柄を拘束していてさっき釈放したばっかりの怪しかった男が春日井のハーブキャンディーを要求していました」
「それだ! 連れてこい!!」
「いえ、それが釈放してしまって」
「ききこめ! 張り込め! 尾行しろ!
いや、まて。おびき出せ。
この場所まで、ハーブキャンディーを少しずつ、そうだな、1m間隔でハーブキャンディーを置いておけ。そしたらここまでおびき出せるだろう」
「ナイスなアイデアです!!」
「よし! 暗かったら怪しまれるからな。
電気を消して、待機だ!」
探偵「俺は暗い所が苦手なんだ~! 気を失ってしまう~怖すぎて~」
「探偵を運び出せ! 犯人が来るまでにな」
「わかりました!」
犯人「ハーブキャンディーがこんなに落ちているとは……。
得した! 得した!」
そこまでだ!「刑事と警部が犯人に飛び掛かった!」
わー!! 捕まえるな~ 捕まえるぞー!!
「さあ、正体を見せてもらおうか」
探偵が大男のかぶっていたマスクをとった。
「あ、あなたは! 石原裕次郎さんの物まねでおなじみの……」
「そーです、わたしが変なおじさんです」
だっふんだ!
take2
そこまでだ!「刑事と警部が犯人に飛び掛かった!」
つかまえろー! わー捕まったー。
「どうしてリンゴを残したんだ?」
「リンゴ? ああ、禁断の実のことか」
「リンゴじゃないのか?」
「ここがどこだかわからないのか?」
「バイオセーフティレベル最高の実験室だが?」
「そんなところにリンゴが落ちているわけないだろう」
「じゃあこれはいったい……」
「パンドラの箱が開いたのだよ」
「イブはアダムを身ごもり、そしてイブはリンゴをも実らせた。
そして、今この時を持って、リンゴは野に解き放たれた……」
「さっぱりわかりません」
「俺もー!!」
すいません。30分ではこんなもんです。
こじつけでなく真面目に答えればこうでしょう。そもそもこの作詞者は他の作品でも警察を真面目に描写しているとは思えません。
[01] なぜリンゴが現場に落ちていたのか?
毒殺だろうけど調べないと分からないはず。次項参照。
[02] なぜ捜査一課や鑑識課員は頭をひねっていたのか?
作詞者が警察を馬鹿にしているから。実際は押収して科学的な方法で調べるはず。捜査一課や鑑識課員が来ること自体はおかしくないようだが。
[03] 「霧に浮かんだ真っ赤な林檎」とは?
映画でそのような描写をするのをそのまま作詞しただけ。
[04] なぜ警察ではなく探偵の出番なのか?
これも作詞者が警察を馬鹿にしているから。実際は出るはずがないけど、もし出たら捜査妨害呼ばわりされるはず。
[05] なぜ紙巻煙草ではなくパイプなのか?
探偵に対するステレオタイプ。
[06] 「フニフニ」とは何?
意味なし。
[07] なぜ「男と女の愛のもつれ」と断定できたのか?
[08] なぜリンゴの歯形から虫歯とわかったのか?
[09] なぜキャンディ好きだとわかったのか?
[10] なぜある男が犯人だと信じたのか?
探偵が勝手に決めつけただだけ。実際は[02]。
[11] どうやって殺人現場におびき出したのか?
そもそも犯人かどうかすら不明。単なる通りがかりでは?
[12] なぜ夜もしくは暗いところにおびき出したのか?
[13] なぜ探偵は失神したのか?
単なる恐怖感の描写。本当は探偵は現行犯以外は逮捕できない。仮にしたら違法。
[14] 探偵は結局、どうなったのか?
[15] 犯人は結局、どうなったのか?
[16] 犯人は結局、誰だったのか?
いずれも不明。
MIYADO様、回答ありがとうございます。了解です。
阿久悠の歌で、警察が出てくるものは、自分には「ペッパー警部」しか浮かびませんでしたる
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=37263
他にもあるのかな・・・と思って検索し、曲数のあまりの膨大さにあきらめました。
http://www.uta-net.com/search/?Keyword=%88%A2%8Bv%97I&Aselect=3&Bselect=4
こんばんは。
とりまタイトルを見て思いました。
「林檎殺人事件」なんてそもそもなんか変!
って。
「林檎」って言葉と「殺人事件」って言葉の取り合わせ、よくないですよね??
「林檎」はシンプルであっさりしてて「リンゴの唄」みたいなタイトルがしっくりきます。
一方「殺人事件」っていうのはもっとどろどろしてて、複雑怪奇で「オリエント急行」みたいな気の利いたフレーズの方がよく似合う感じ。
「林檎殺人事件」はそんなふたつを取り合わせた、なんだか変な組み合わせのタイトルです。
『万延元年のフットボール』みたいに、取り合わせの妙を楽しむ系のやつなのかなぁ。それにしても…。
って思い悩んでいたのでした。
ところで、歌詞を見てみるとそもそも歌詞もなんか変な感じ。
殺人現場に林檎が落ちていた
がぶりとかじった歯型がついていた
現場に林檎が落ちていたから「林檎殺人事件」なのでしょうけど、その現場には死体とかそういうのが登場しないのです。
ほんとは殺人事件じゃないのでは…って疑念が頭をよぎります。
そこでわたしは、児斗玉文章さんの文章を読みました。
児斗玉文章さんの取っているスタンスは「林檎」の存在を認めて「事件」の存在を認めないというものです。
なるほど♪ってわたしは思いました。
「林檎」と「事件」の取り合わせが変だったら、片方を文字通りに捉えるのをやめればいいんだ!って。
きっと、どっちかが比喩なのです。それなら辻褄を合わせることができます!
そこでわたしは、反対のことを考えました。
「林檎」の存在を認めず、「事件」の存在を認めると、どうなるかな?
って。
児斗玉文章さんと、わたしのスタンスを表にまとめると、以下のようになります。
書いた人 | 林檎 | 殺人事件 |
---|---|---|
児斗玉文章さん | 認める | 認めない |
hacosato | 認めない | 認める |
こういう方針でいきましょう! 逆張りだいすき。
さて、この歌詞が殺人事件を描写しているとするなら、肝心なものがここにはありません。
死体です。
きっと、死体は別の言葉になりすまして隠れています。
わたしはさがしました。そして、ひとつ見つけたものがあります。
「林檎」こそが、この歌詞の“死体”です。
殺人現場に林檎が落ちていた
とはつまり、殺人現場に死体が落ちていた、ということです。
がぶりとかじった歯型がついていた
「歯型」というのは、死体に残った爪痕のことです。
林檎がかじられるというのは、つまり殺人事件が起きるということです。
そうだとすると、この歌詞から、だんだん新しいものが見えてきます。
霧に浮かんだ真赤な林檎
謎が謎よぶ殺人事件
アア パイプくわえて探偵登場
林檎は謎を呼び、謎が新しい別の謎を呼びます。
そして探偵が登場し、探偵は男をおびき出します。
ここまで、林檎→謎→謎→探偵、というように、たくさんのものが、前のものにつられて次々と登場していくのが描写されているわけです。
歯型に三つの虫歯のあとがある
キャンデイ好きだとにらんだ探偵は
聞き込み 張り込み 尾行をつづけ
こいつと信じた男をおびき出す
探偵からつられて登場する次の人物は「男」です。
闇にまぎれて大きな男
やって来ました殺人現場
アア パイプくわえて探偵失神
最後に「男」はここで、探偵を殴り殺してしまったみたい。
林檎→謎→謎→探偵→男、と続いた連鎖は、最後に新しい殺人事件を起こしてしまったのでした。
さてわたしは、大事なことに気づきました。
殺人事件で始まった物語は、別の殺人事件で終わるんだ、ってことです。
もともとこの探偵は、謎につられてやってきたのでした。
その謎は元をたどれば別の謎につられたものだし、その謎は「林檎がかじられた」ことが原因だったのでした。
「林檎がかじられる」とは、つまり、殺人事件が起こる、ということです。
ある殺人事件は、次の殺人事件を引き起こすことが、この歌詞によって論理的に証明されました!
ところでここまで、読み飛ばしてきた部分があります。
1番と2番のそれぞれ最後、繰り返しになっていた部分です。
飛ばしてたのはこんな感じの部分でした。。
アダムとイブが林檎を食べてから
フニフニフニフニ 跡をたたない
わたしが注目したのは「林檎を食べてから」という部分です。
この歌詞では、殺人事件が起きることを「林檎をかじる」と呼んでいました。
アダムとイブが、「林檎をかじった」のだということは、アダムとイブが「殺人事件を起こした」というのと同じことです。
しかも、アダムとイブは最初の人類です。
ここでふたりが起こしたのは最初の殺人事件だということです。
[1]アダムとイブが、最初の殺人事件を起こします。
[2]そして、ひとたび殺人事件が起きたら、必然的に次の殺人事件が起きることが、すでに示されています。
おわかりいただけたでしょうか!
これはつまり、数学的帰納法ですよみなさん!!
[1]と[2]から殺人事件は起き続ける、ということが証明されるのです!!
林檎でいうと、すべての林檎はかじられてしまう、ということが証明された瞬間です!!
ヤバいね!!!
ここまでくると、わたしが自明としていた殺人事件の存在は疑わしくなります。
だって、アダムとイブしか人がいない場合、相打ちする以外に殺“人”事件を起こす方法がないからです。
ってことは、「殺人事件」とは、なにかのパラフレーズです。
lionfan2さんがリストアップした「謎」は、わたしにはずいぶん偏って見えます。
事件に直接関係しそうな部分ばかりが「謎」として取り上げられているような感じだからです。
この歌詞には、事件を直接描写していない部分があります。
しかもそれ、何度も繰り返し出てきます。
それは、たとえば
男と女の愛のもつれだよ
って部分です。
わたしは、これこそが「殺人事件」の正体なのだと思います。
「殺人事件」とは、「愛のもつれ」のことです。
浮気とか、嫉妬とか、マリッジブルーとか、そういうやつです。
この世に恋愛が生まれたら、それにともなってぜったいに愛はもつれるものなのです。
この歌詞は、そういうことを歌っています。
すべての愛がもつれることは、すべての林檎がかじられることと一緒です。
このことは、数学的帰納法によって証明されちゃったのでした。
愛って、ぜったいもつれるよね…。
そう気がついたわたしたちは、歌う以外に、もうすることがないのでした。
アア哀しいね 哀しいね
ってね。
書いた人 | 林檎 | 殺人事件 |
---|---|---|
みやどさん | 認める | 認める |
ぐらんこ。さん | 認める | 認める |
児斗玉文章さん | 認める | 認めない |
最初のhacosato | 認めない | 認める |
結局のhacosato | 認めない | 認めない |
結局わたしは何にも認めたがらないのでした。
そういうひとって嫌われるよね。
アア哀しいね 哀しいね~って、やかましいわ!!
おしまい。
hacosato様、いつも面白い説、ありがとうございます!! 林檎が象徴で殺人は現実、という解釈を選んだこと自体が面白く、また数学的帰納法に持っていく論の強引さが楽しいです!!
9/3 21:20 執筆開始
捜査員は首をひねっていた。
リンゴが落ちているのだ。犯行現場はクリーンルームである。BSL最高レベルの無菌室なのである。
厳重に管理された国家レベルのセキュリティを誇る場所なのだ。
雑菌まみれのリンゴが落ちていてよい場所ではない。
とにかく、密室殺人と言えば探偵の登場が望まれる。
ただでさえ、良質なミステリ原案不足な昨今。
探偵を現場に投入することによって、そのドキュメンタリー的な状況をドラマにして視聴率を取らなければならない。
そして、探偵が登場する。
パイプをくわえた探偵だ。
部屋中にスモークがたかれ、演歌が流れる。
通称マドラス探偵が、やってくる。マドラスといえば波止場でパイプで、縞々シャツで、船を結ぶ奴に片足を載せるというのだ。
スモークの中で見え隠れするリンゴはまるで霧に浮かぶようだった。
マドラス探偵は石原裕次郎にあこがれていたのでパイプなのであった。
「腑に落ちる、腑に落ちない、腑に落ちる、腑に落ちない……
ふにふにふに……」
探偵は何かを唱え出した。彼一流の探偵法なのである。
花占いのように、パイプから、葉っぱを取り出して床に散らせていく。
探偵はリンゴを手に取った。
「ふむ。このリンゴ。歯型と爪跡が付いているな。
爪跡は女性のようだ。
このリンゴを巡っての争いとなったようだ。
まてよ、このリンゴ。
歯型がついているな。
しかもところどころかけている。三か所ほど。
虫歯で歯がない奴が噛んだのだろう。
そしてこのリンゴからはリンゴ以外のにおいがする。
これは春日井のハーブキャンディーのにおいだ。
きっと犯人はハーブキャディー好きに違いない」
「警部!」
「どうした!?」
「そういえば、つい先ほどまで公務執行妨害で身柄を拘束していてさっき釈放したばっかりの怪しかった男が春日井のハーブキャンディーを要求していました」
「それだ! 連れてこい!!」
「いえ、それが釈放してしまって」
「ききこめ! 張り込め! 尾行しろ!
いや、まて。おびき出せ。
この場所まで、ハーブキャンディーを少しずつ、そうだな、1m間隔でハーブキャンディーを置いておけ。そしたらここまでおびき出せるだろう」
「ナイスなアイデアです!!」
「よし! 暗かったら怪しまれるからな。
電気を消して、待機だ!」
探偵「俺は暗い所が苦手なんだ~! 気を失ってしまう~怖すぎて~」
「探偵を運び出せ! 犯人が来るまでにな」
「わかりました!」
犯人「ハーブキャンディーがこんなに落ちているとは……。
得した! 得した!」
そこまでだ!「刑事と警部が犯人に飛び掛かった!」
わー!! 捕まえるな~ 捕まえるぞー!!
「さあ、正体を見せてもらおうか」
探偵が大男のかぶっていたマスクをとった。
「あ、あなたは! 石原裕次郎さんの物まねでおなじみの……」
「そーです、わたしが変なおじさんです」
だっふんだ!
take2
そこまでだ!「刑事と警部が犯人に飛び掛かった!」
つかまえろー! わー捕まったー。
「どうしてリンゴを残したんだ?」
「リンゴ? ああ、禁断の実のことか」
「リンゴじゃないのか?」
「ここがどこだかわからないのか?」
「バイオセーフティレベル最高の実験室だが?」
「そんなところにリンゴが落ちているわけないだろう」
「じゃあこれはいったい……」
「パンドラの箱が開いたのだよ」
「イブはアダムを身ごもり、そしてイブはリンゴをも実らせた。
そして、今この時を持って、リンゴは野に解き放たれた……」
「さっぱりわかりません」
「俺もー!!」
すいません。30分ではこんなもんです。
grankoyan2様、いつも執筆、早いですね!! それも、本当に好きで書いている様子がうかがえます。
(自分は、執筆自体はそれほど好きではないです…)
さて、すぐ後で自分の考えも示しますが、読めばわかる通り、全体的なストーリー展開の「軽さ」は、grankoyan2様のノリにいちばん近いです。
なんかいろいろすみません。
問題が登録された日に考えたのですが、こりゃあ無理だと思って参加を断念したのですが、締め切りが解除された段階で回答が一件しかついておらず寂しいなと思って枯れ木も山のにぎわいと勢いで書き始めたのでございます。準備時間の無い三大噺みたいな感じでした。
で、書いてるうちに他の綿密な回答が増えたてので、すこし恥ずかしくなりました。それに気づいた時は回答を登録した後だったのでまさに後の祭りでした。
文章を書くのは好きなのかよくわかってませんが、お題があれば小一時間ぐらいは集中してポチポチとキーボードを叩けるようになりましたね。
これもはてなの皆様のお蔭です。
[01] なぜリンゴが現場に落ちていたのか?
[02] なぜ捜査一課や鑑識課員は頭をひねっていたのか?
リンゴによる毒殺なら頭をひねる必要はありません。
犯人の遺留品であり、捜査陣に対する挑戦状と考えます。
[03] 「霧に浮かんだ真っ赤な林檎」とは?
[04] なぜ警察ではなく探偵の出番なのか?
[05] なぜ紙巻煙草ではなくパイプなのか?
「パイプをくわえた探偵」と言えば、シャーロック・ホームズが想起されます。「霧に浮かんだ」に続く言葉として、「ロンドン」や「ガス灯」を連想するのは難しくありません。
しかし、探偵=シャーロック・ホームズではないと考えます。
この探偵は日本人です。
それも、明智小五郎や法水麟太郎クラスの名探偵。
[06] 「フニフニ」とは何?
何回もリフレインしている事から、探偵の口癖であると思われます。
ネットで検索すれば、"funi" がラテン語(またはイタリア語)で「ロープ」の意味だとわかりますが、「紐」では意味が通りません。
日本語には、「不二」という言葉があります。
仏教用語になりますが、「身土不二」(しんどふに)とか。
「二つと無い存在」という意味で、お菓子の「不二家」の名前の由来にもなっています。
[07] なぜ「男と女の愛のもつれ」と断定できたのか?
死体が女性であり、交際関係を探ると男性一人しか浮かばなかったから。
被害者が女性であることは、デュエット曲なのに女性のソロパートが存在しない事からも自明です。
[08] なぜリンゴの歯形から虫歯とわかったのか?
[09] なぜキャンディ好きだとわかったのか?
[10] なぜある男が犯人だと信じたのか?
[11] どうやって殺人現場におびき出したのか?
[12] なぜ夜もしくは暗いところにおびき出したのか?
名探偵だったから。
[13] なぜ探偵は失神したのか?
[14] 探偵は結局、どうなったのか?
[15] 犯人は結局、どうなったのか?
[16] 犯人は結局、誰だったのか?
犯人に遭遇して名探偵が失神するようなシチュエーションは、そうそうありません。
物理的に暴行を加えられたとすると、ミステリーではなくハードボイルドになってしまいます。
では、犯人が深田公之こと阿久悠だったら?
そう、この歌は、作詞家=作者が犯人だった、というメタミステリーだったのです。
meefla様、回答ありがとうございました。
リンゴが「捜査陣に対する挑戦状」という発想は、こちらには まったくなかったです。
もし気づいていたら、正解を書き直していたかもしれません。ああ、悔しい。
[08]~[12]を「名探偵だったから。」の一言で片づけるのも、自分の回答と似ています。
----- リアルの謎解き・歌詞解釈・「林檎殺人事件」の歌詞・解答編 -----
B美のところにD菜がやってきた。
D菜「また歌詞の解釈をお願いしたいんだけど」
B美「見せて」
D菜は「林檎殺人事件」の歌詞と、質問文のプリントアウトを手渡した。
B美はプリントアウトを長いこと見つめ、最後に答えた。
B美「私には、あまりいい答えが浮かばない」
D菜「B美の考える正解でいいんだけど」
B美は首を振った。
B美「この物語の続きを知りたいなら、F吉に聞いたほうがいいと思う」
D菜は驚いた。
D菜「F吉に? 本気で言ってるの!」
B美は頷いた。
B美「F吉に歌詞だけ渡して『この話の続き、どうなると思う?』って聞いてみて。私はもう帰るけど、F吉の答えには興味があるから、あとでF吉から、私に電話させてくれない?」
D菜「わかった。今、携帯でF吉を呼んでみる」
F吉に電話をかけながら、D菜はダメ元でB美に尋ねた。
D菜「B美はどう考えたのか、ヒントだけでもくれない?」
B美は仕方なく答えた。
B美「紙芝居かも」
それだけ答えると、B美は帰ってしまった。
しばらくしてF吉がやってきた。
F吉「D菜、 僕の 力が必要なんだって?」
D菜「うん、今となってはF吉が頼り」
F吉は奮い立った。
F吉「まかせといて! 何を手伝えばいい?」
D菜は歌詞のプリントアウトを手渡した。
D菜「この話の続き、どうなると思う?」
F吉はしばらく考え込んだ。
F吉「物語的に、探偵がやられっぱなしのわけがないよね。最初は殴られて気を失った探偵も、すぐに目覚めて、犯人を追いかけるだろう。町中を走り回って、途中、屋上追いかけっことかカーチェイスなんかもして、最後に波止場で犯人を追いつめるのさ。最後は泥だらけのもみ合いになって、なんとか犯人を取り押さえたところで、パトカーがやってきて、事件解決! 探偵はうまそうにパイプをふかす…って感じだと思う」
D菜は頷いた。
D菜「まあF吉の答えなんて、そんなところね。でもB美の言った『紙芝居かも』って、どういう意味なのかしら」
そのとき、急に後ろから声がした。
I穂「こんにちはー」
二人はびっくりした。
F吉「あ、I穂さん!」
I穂「B美が『紙芝居かも』って言ったって聞こえたけど、何?」
D菜はI穂とF吉に、一部始終を話した。I穂は頷いた。
I穂「なるほどね」
F吉は得意げに言った。
F吉「B美、僕なら話の続きがわかるって言ったんだって! 嬉しいなあ。きっとB美は、僕の秘めたる才能に気づい」
I穂はニコニコしながら遮った。
I穂「B美は『林檎殺人事件のストーリーはあまりに幼稚で、子供向けの紙芝居を歌にしたものとしか思えない。私には話の続きをうまく創作する自信がないけどF吉なら』って思ったのよ」
F吉とD菜はびっくりして、追加の説明を求めた。I穂は解説をはじめた。
I穂「たぶんB美は、『この話は全体的に、すごく子供っぽい』と感じたのね」
D菜「どこらへんが?」
I穂「いろいろよ。犯行現場にわざとらしくリンゴが落ちてるとか、そのリンゴが、マンガみたいに、一口だけかじられてるとか、実際の殺人事件にはまず出てこない探偵が、ベタにパイプをくわえて登場するとか、フニフニって言葉とか」
2人は頷いた。I穂は続けた。
I穂「推理も、いかにも幼稚っぽいでしょ? 男と女の愛のもつれだ、って断定した根拠は『リンゴからアダムとイブを連想した』だけ。歯形から虫歯持ちと推理するなんて、無理もいいところだし、虫歯が三つあったからキャンディ好きって、子供にしかできない発想よ!」
F吉は頷いた。
F吉「それで?」
I穂「この話、犯人が現場に現れて、探偵が失神して、さあどうなる、ってところで終わること、不思議に思わなかった?」
D菜「思った!」
I穂は解説した。
I穂「これは『次回への引き』ね。『サア探偵はどうなりますやら、続きは次回のお楽しみー』ってわけ。犯人を暗闇におびき出させたのも、犯人を暗闇にぼんやりと描いて、次回に期待させるためよ」
2人は感心した。I穂は続けた。
I穂「『紙芝居かも』って視点で読み直すと、いろいろ発見があるでしょ? 全体的に、妙に描写がビジュアルだし。『フニフニフニフニ』って、たぶん『フムフム』なんだけど、紙芝居で演じるときは、紙をめくるときのかけ声にもなるし」
F吉「かけ声って?」
I穂はにっこりした。
I穂「実演してみるわね。I穂のエア紙芝居『林檎殺人事件』、はっじまっるよー!」
驚くF吉とD菜の前で、I穂は満面の笑顔で、架空の紙芝居をめくるフリをしながら演技を始めた。
I穂『ああ、なんという哀しい話でありましょう、なんという悲劇でありましょう!
(紙芝居をめくる・死体の人型マークとリンゴの絵)
まことに恐ろしいことでございます。某日某所で殺人事件がおき、その現場には、リンゴが落ちていたのです。
(紙芝居をめくる・リンゴの歯形の図)
奇っ怪なことにそのリンゴには、がぶりとかじった歯形がついておりました。
(紙芝居をめくる・途方にくれる人々の図)
現場に駆けつけた捜査一課の腕ききも、鑑識課員も、顔を見合わせて途方にくれるばかり。
(紙芝居をめくる・?マークとリンゴの絵)
霧に浮かんだ真赤な林檎、謎が謎をよぶ殺人事件。この事件は迷宮入りでありましょうか?
(紙芝居をめくる。名探偵の絵)
ああ、そこに、パイプをくわえて、みなさんお待ちかね、名探偵しなもんの登場であります!
(紙芝居をめくる・考え込む探偵の絵)
フニフニフニフニー、さあ、みんなも一緒に! みんなのフニフニというかけ声があれば、しなもん探偵の推理パワーは、10倍にもなりましょう。恥ずかしがらず、フニフニー!
(紙芝居をめくる・ひらめく探偵の絵)
フニフニー! みんなのおかげで、しなもん探偵が、ひらめいた模様です!
(紙芝居をめくる・探偵の口元のアップ)
『フニフニ・・・男と女の愛のもつれだよ』
(紙芝居をめくる・アダムとイブとリンゴの図)
ああなんと鋭い、しなもん探偵のひらめきでありましょう! アダムとイブが林檎を食べてから、古今東西、愛のもつれによる事件が、跡をたたないのでございます
・・・歌詞の一番を紙芝居にすると、こんなところね」
D菜とF吉は拍手した。
D菜「上手いわね!」
F吉「本当の紙芝居みたいだった!」
I穂はにっこりした。
I穂「昔、芸能界にいたころ、演技の練習で紙芝居もしてたから、お手のものよ」
I穂は話を元に戻した。
I穂「さあ、これで分かったわね。B美は、『林檎殺人事件』は紙芝居を歌詞にしたものかも、って考えたんだけど、論理的な証明はできなかったから、D菜に説明はしなかったの。話があまりに幼稚っぽいから、それらしい続きを作る作業は、F吉に振ったってわけ。ところでF吉、携帯を貸してくれない?」
F吉は怪訝な顔をした。
F吉「なぜ? 自分のあるだろ?」
I穂「最近B美、私からの電話を露骨に嫌がるの。いいから貸して。お礼に『林檎殺人事件』の3番を聴かせてあげるから」
D菜は驚いた。
D菜「『林檎殺人事件』に3番なんてあったっけ?」
I穂はF吉の携帯を操作しながら答えた。
I穂「あるわけないでしょ。私が今、作ったの。・・・もしもし、B美? F吉だと思った? 残念、アイホちゃんでしたー! 歌詞の謎解きの件、D菜から聞いたわ。F吉が作った話の続きを、私が今、歌ってあげるから、ありがたく聞くのよ」
そしてI穂は、きれいな声で歌い始めた。
アア 哀しいね 哀しいね
すぐに気が付き目覚めた探偵は
逃げだす犯人を追いかけた
街中 屋上 カーチェイス
とうとう波止場に男を追い詰めた
泥にまみれて最後の死闘
やっと来ました応援部隊
アア パイプくわえて探偵ウインク
フニフニフニフニフニフニ
フニフニ男と女の愛のもつれだよ
アダムとイブが林檎を食べてから
フニフニフニフニ 跡をたたない
アア 哀しいね 哀しいね
--- リアルの謎解き・歌詞解釈・「林檎殺人事件」の歌詞・解答編・終わり ---
grankoyan2様、いつも執筆、早いですね!! それも、本当に好きで書いている様子がうかがえます。
2015/09/03 22:11:58(自分は、執筆自体はそれほど好きではないです…)
さて、すぐ後で自分の考えも示しますが、読めばわかる通り、全体的なストーリー展開の「軽さ」は、grankoyan2様のノリにいちばん近いです。
なんかいろいろすみません。
2015/09/04 12:50:49問題が登録された日に考えたのですが、こりゃあ無理だと思って参加を断念したのですが、締め切りが解除された段階で回答が一件しかついておらず寂しいなと思って枯れ木も山のにぎわいと勢いで書き始めたのでございます。準備時間の無い三大噺みたいな感じでした。
で、書いてるうちに他の綿密な回答が増えたてので、すこし恥ずかしくなりました。それに気づいた時は回答を登録した後だったのでまさに後の祭りでした。
文章を書くのは好きなのかよくわかってませんが、お題があれば小一時間ぐらいは集中してポチポチとキーボードを叩けるようになりましたね。
これもはてなの皆様のお蔭です。