中3男子です。
子供は正義のヒーローが悪い怪人、怪獣etc…をやっつける話が大好きですよね。でも考えてみるとあれ、他人の善意の押し付けですよね?
例えば言わずと知れたアンパンマンとばいきんまん。ばいきんまんは意地悪な嫌な奴ととらわれがちですが、あんな奴どこにでもいるでしょう?僕がおかしいと考えるのはアンパンマンがいちいちばいきんまんを鉄拳制裁しているのにビックリします。みんな自分が大切ですか?自分の利益はいらずに正義のヒーローに助けを求めますか?それとも自分の利益を欲しがり、ばいきんまんになりますか?
原作者のやなせさんのインタビューを読めばわかりますが、
やなせさんはあんぱんまんを絶対的正義として描こうとしているのではありません。
(ファンが幼児であるため、そうおもわれがちですが)。
やなせさんがおっしゃるには、そこで困ってえーんと泣いている人がいるから、
あんぱんまんがいるのだということです。
心に響く世界最弱のヒーロー アンパンマンの正義 ~やなせたかしさんに聞く - トレンド - 日経トレンディネット
最弱のヒーローアンパンマン作者に訊くインタビュー
丁野 では、主役のアンパンマンについて教えてください。これまでのヒーローとちがうのが、だれかを助けるときに、自分の顔を食べさせるというところ。どうして、そういうヒーローにしたのでしょうか。
やなせ これには、二つの意味があります。一つは、ひもじい人を助けるヒーローだということです。これまで世界中にいろいろなヒーローがいましたが、みんな悪いヤツをやっつけるんだね。例えばウルトラマンなら、怪獣を倒す。正義が勝つ。では、正義というのは、そういうものだろうか、怪獣には怪獣の正義があるんじゃないか。ぼくなんか、そう思うわけです。
世界中にはひもじい子ども、飢えた人がたくさんいる。もし、正義の味方なのだったら、まずひもじい人を助けるほうが先じゃないか。それが、ヒーローとして正しいのではないかと思ったわけです。
丁野 それはやなせさんご自身の体験と関係するのでしょうか。
やなせ そう、いろいろ苦しいことがあったけれど、一番辛かったのは、ひもじいことなんだね。飢えるというのは、本当につらい。ですから、ひもじさを助けるヒーローにしたかった。
殴るのが強さ、正義ではなく、食べさせるというヒーローの形がメインなのです。
同感、正義と善悪の境界線を作ってはならない。
私、本当に惜しいと思ったのが、星のカービィのアニメで、魔獣がカービィによって倒されること。風刺とか教訓が面白いカービィで、あれは子供ウケを狙ってるのが本当に惜しいんです。そこはもっと複雑な感じにしてもよかった。
質問がいくつかあるようなので、ひとつづついきます。
他人の善意の押し付けですよね?
そうは思いません。現実はともかく子供番組であればたいていの場合悪役が権利侵害をしてることが多いはずです。
あんな奴どこにでもいるでしょう?
そうですね。
自分が大切ですか?
もちろんです。
自分の利益はいらずに正義のヒーローに助けを求めますか?
ご質問がよく分からないのですが、自分の利益を守るために助けを求めることが多いのではないでしょうか。
それとも自分の利益を欲しがり、ばいきんまんになりますか?
ここでいう「ばいきんまん」とは悪役のことですよね。文脈より「利己的な行動をする人」とも取れます。
なるべくそのような人にはならないようにしたいと思っています。
以上です。
中学3年生とのことですから、学校で十字軍の事は学んでらっしゃると思います。
あれは、キリスト教とイスラム教の激突でしたが、双方に、信じている宗教からくる正義があったのだろうと思います。
十字軍のようなものは、宗教や文化の違いによる価値観の差からくる衝突であり、どちらが悪い、どちらが正しいとは言えない事例です。
この価値観の違いは別に宗教だけでなく、例えば日本国内でもありうることです。地域によって習慣などが違うため、よその県からお嫁に来た方が混乱し、悩むという話はよくあります。
その時、正しいのはどちらかというと、どちらでもなく、ただただ「価値観が違っていた」という事であり、お嫁さんを一方的に責めるのは良くない事なのです。
「盗みや殺人」や人道的面からみて良くない事など、世界のどこであっても「共通概念」となっているものもありますが、「価値観の違いによる衝突」は、罪ではないと個人的に思います。
価値観の違いによって起きる摩擦と、それらとを混同しないよう慎重に考えなくてはと思いました。
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質問者さんが「善意」とお書きになっている点が気になったので、こういう回答をさせていただきました。
価値観の違い…この文面からとるなら、キリスト教はキリスト教の正義のために、そしてイスラム教はイスラム教の正義のために…それぞれがそれぞれの正義のために動く。どちらもなにも変わらない なにも変わらない同じものだけどどちらも交わる事は決してない ふと思ったのはそんな事。
2013/04/21 21:13:32十字軍についてはstardasuto530さんのような事になりますね。十字軍については、キリスト教側の各国それぞれの思惑もあり、難しい点もあるのですが。
2013/04/22 12:21:32ただ、あの当時のイスラム教圏は、今のイメージとは異なり、様々な文化を取り入れたり、学問研究が進んだり、ローマ帝国が斜陽になるにつれて失われていった文献を保存していたりと、活気がありました。交易も盛んでしたし。
交易という意味では、「商売は商売」ということで、商人と金と商品はあちこち行き交っていたようです。
たとえ価値観が違っても、「その価値観の差」を認識して注意深く商売をしていた商人や、はるばる知識を求めていった文化人もいたのではと思います。
ここら辺のことについては、世界史についての文献を色々読んでみて下さい。