ゲームが終わり、4人はJ尼家のリビングで、紅茶とケーキを楽しんでいる。
J尼がいたずらっぽく切り出した。
J尼「ニッポン人ノ国民性ヲ、トテモ良ク現シテイル、トラディショナルデ、伝説的ナフード、日本ニアリマス」
みんなは興味を持った。
B美「何なの?」
J尼「ニッポンノドコデモ作レマスガ、地域限定デス。オイシイデスガ、ゴ馳走デハナイデス。チープナ食ベ物デスガ、気持チト、シチュエーションガ大事ナノデ、イクラオ金ヲ積ンデモ、ホンモノヲ食ベルコトハ難シイデス。ニッポン人デモ、ホンモノヲ食ベタ人ハ、ホトンド、イナイハズデス。イワバ、コンセプチュアルナ食ベ物ナノデス。ワタシモ、ゼヒ食ベテミタイノデスガ、デモ、食ベタクナイノデス」
F吉「日本のどこでも作れるって・・・たとえば今、本物でなければ、ここで作れるの?」
J尼「簡単デス」
D菜「じゃあ今、作って私たちに出してよ」
J尼「絶対、イヤデース!」
J尼は笑顔でウィンクした。
J尼「コノフード、何カ、ワカリマスカ?」
※諸注意はコメント欄
もう一つの回答やクッキーの関連は分かりませんでした。
あってますように。
-------
F吉「伝説的なフードかぁ。ふぐ?スッポン?懐石料理?」
D菜「ただ高いだけじゃない。チープでも無いし、地域限定でも無いわよ。」
B美「片っ端から考えても難しそうだから、J尼のヒントを少し整理してみましょう。」
D菜「そうね。まずは”日本の国民性をよく表している”からかな」
F吉「日本の国民性か~。真面目、几帳面、和を尊ぶとか?」
D菜「F吉は全然該当しないわね。後は空気を読むとか、物事をハッキリ言わないとか。」
B美「そんなところかしら。伝説的なフードってことは比較的昔からある食べ物ってことよね。」
B美「気持ちと状況が大事で、食べてみたいけど食べたくないってことは、余り嬉しくない食べ物ってことよね」
F吉「頭が混乱してきた。」
B美「日本中で作れるのに地域限定か。関東、関西、東北、九州、四国、中国・・あれかな?」
D菜「え!答えが分かったの?」
B美「論理的に答えを導き出すのは難しいから知っていないと無理かもね。」
F吉「答えを早く教えてよ。」
B美「ずばり京都の”ぶぶ漬け”よ。」
D菜「ぶぶ漬け?何それ?」
B美「単なるお茶漬けなの。」
F吉「確かにどこでも作れるけど、何で地域限定で日本の国民性を表しているのさ」
B美「ぶぶ漬けは単なるお茶漬けじゃないの。来客者が長居をしているときに追い返すためのものよ」
B美「食事どきになってしまいました、お茶漬けでもどうですかということで、”ぶぶ漬け食べなはれ”って言われるんだけど」
B美「来客者の方は、もうそんな時間ですか、帰りますということになるの」
D菜「なんかまわりくどいわね」
B美「そろそろお帰り頂けませんか?ってことを遠回しにいう言葉なの、波風を立てないために物事をハッキリ言わない日本の国民性がよく出てるわ。」
F吉「お茶漬けは確かにチープだけど美味しい。どこでも作れるけど、ぶぶ漬けは京都限定か~。」
D菜「帰ってもらうための言葉だから実際にぶぶ漬けを食べたことはほとんど無いってことね。」
B美「ぶぶ漬けが出されるってことは追い出されるってことだから、あまり食べたくはないはね。」
F吉「確かに気持ちとシチュエーションが揃わないとぶぶ漬けにならないから、お金を積んでも食べれないか」
J尼「ミナサン正解デス。ワタシハミナサントマダマダオハナシシタイデス。」
J尼「ブブヅケヲダシテ、オイダシタクハアリマセン。」
F吉「J尼奥ゆかしいな~。D菜とは大違いだ。」
D菜「そんなにぶぶ漬け食べたいの?」
おわり
J尼「コノフード、何カ、ワカリマスカ?」
J尼のウィンクとは対照的に、さすがのB美も今回ばかりは愁いをおびた表情を隠しきれていない。さきほどの"ゲーム"の疲れもとれていないことも、頭の回転を鈍らせているのかもしれない。
D菜「日本のどこでも作れるのに地域限定ってのは、よくわからないね」
F吉「コンセクシュアルってのもよく分からない・・・・ぐっう」
D菜の肘がF吉の脇腹をえぐる。
D菜「コ・ン・セ・プ・チ・ュ・ア・ル! まったくどういう頭の構造してんだか」
F吉「ふ、普通に考えれば日本の伝統的なフードってことで"お味噌汁"とか"漬物"とかだよね。でも本物を食べた人は殆どいないってところがよく分からない」
D菜「ちょっと捻って精進料理とかどうかしら。アレの本物ってお寺とかの宿坊で出してもらうのが本物でしょう? コンセプチュアルだしさ」
F吉「チープだけどご馳走ってのも合うしね。でも、これが正解だとすると微妙な答えだなあ。それに作るのをJ尼があんなに嫌がるのも訳が分からない」
D菜「ねえ、B美、降参する?」
B美「・・・・・」
B美が負けず嫌いだと言うことは、ここにいる全員がよく知っている。
J尼がそっとテーブルにカゴを差し出した。
J尼「疲れているときには甘いモノデース。血糖値が下がるとサイクルがダウンでーす」
カゴの中にはクッキーが入っていた。当初導入の下りではケーキが配られていたはずだが、質問者のコメントによりクッキーに差し替えられている・・・・。
(クッキーか。そういえばそんな回(http://q.hatena.ne.jp/1306434926)があったわね)
でも、なんでクッキー? 甘い物を出してくれたJ尼の好意にも・・・・!
B美、俯いてた顔をさっとあげ、見開いた目をJ尼にまっすぐ向ける。J尼も視線に応えるように微笑む。
B美「正直自信もないし、全部のお題を拾いきれているとも言えないけど、今の時点である程度納得のいく答えは見つかったわ。確かにコンセプチュアルだし、"本物"を食べたことがある人はあまりいないかもしれない。地域限定ってのがイマイチなのだけど・・・(コメント欄のM羅氏と回答が被りそうで怖い)。
ただ、J尼の「絶対にイヤ」という反応から考えるとコレしかないんじゃないか、って思う」
D菜「す、すごーいさすが、でそれは何」
B美「本命チョコ、よ」
J尼を除く全員「ええーっ!? それって伝説の日本のフードって言える?」
B美「うん。だから迷ったの。で、クッキーが引っかかったの。過去の”日本の伝統”系のクイズの答えは純粋に日本的なコンセプチュアルだったわ。本命チョコはそれらに比べると「和」という枠には当てはまらない。だからこそ、今回は過去の質問履歴(クッキー)を逆手にとってこんな回答を用意したんじゃないかなって。深読みしすぎかもしれないけど。今のA楠にはこれが精一杯」
D菜「B美の中の人って一体・・・・」
alpinix様
回答ありがとうございます。
「本命チョコ」とは、面白い回答、ありがとうございました。
ぜひ食べてみたいもののひとつです! が、自分には伝説よりもなお遠いです・・・。
D菜、F吉のかけあいも楽しいですね!
もう一つの回答やクッキーの関連は分かりませんでした。
あってますように。
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F吉「伝説的なフードかぁ。ふぐ?スッポン?懐石料理?」
D菜「ただ高いだけじゃない。チープでも無いし、地域限定でも無いわよ。」
B美「片っ端から考えても難しそうだから、J尼のヒントを少し整理してみましょう。」
D菜「そうね。まずは”日本の国民性をよく表している”からかな」
F吉「日本の国民性か~。真面目、几帳面、和を尊ぶとか?」
D菜「F吉は全然該当しないわね。後は空気を読むとか、物事をハッキリ言わないとか。」
B美「そんなところかしら。伝説的なフードってことは比較的昔からある食べ物ってことよね。」
B美「気持ちと状況が大事で、食べてみたいけど食べたくないってことは、余り嬉しくない食べ物ってことよね」
F吉「頭が混乱してきた。」
B美「日本中で作れるのに地域限定か。関東、関西、東北、九州、四国、中国・・あれかな?」
D菜「え!答えが分かったの?」
B美「論理的に答えを導き出すのは難しいから知っていないと無理かもね。」
F吉「答えを早く教えてよ。」
B美「ずばり京都の”ぶぶ漬け”よ。」
D菜「ぶぶ漬け?何それ?」
B美「単なるお茶漬けなの。」
F吉「確かにどこでも作れるけど、何で地域限定で日本の国民性を表しているのさ」
B美「ぶぶ漬けは単なるお茶漬けじゃないの。来客者が長居をしているときに追い返すためのものよ」
B美「食事どきになってしまいました、お茶漬けでもどうですかということで、”ぶぶ漬け食べなはれ”って言われるんだけど」
B美「来客者の方は、もうそんな時間ですか、帰りますということになるの」
D菜「なんかまわりくどいわね」
B美「そろそろお帰り頂けませんか?ってことを遠回しにいう言葉なの、波風を立てないために物事をハッキリ言わない日本の国民性がよく出てるわ。」
F吉「お茶漬けは確かにチープだけど美味しい。どこでも作れるけど、ぶぶ漬けは京都限定か~。」
D菜「帰ってもらうための言葉だから実際にぶぶ漬けを食べたことはほとんど無いってことね。」
B美「ぶぶ漬けが出されるってことは追い出されるってことだから、あまり食べたくはないはね。」
F吉「確かに気持ちとシチュエーションが揃わないとぶぶ漬けにならないから、お金を積んでも食べれないか」
J尼「ミナサン正解デス。ワタシハミナサントマダマダオハナシシタイデス。」
J尼「ブブヅケヲダシテ、オイダシタクハアリマセン。」
F吉「J尼奥ゆかしいな~。D菜とは大違いだ。」
D菜「そんなにぶぶ漬け食べたいの?」
おわり
takanoha様、おみごとでした。完璧な正解! です。
ベストアンサーはtakanoha様に差し上げます。
おめでとうございます!!
>J尼「ブブヅケヲダシテ、オイダシタクハアリマセン。」
のところを拾ったのも凄いです。ポイント、はずまさせていただきます!
「コノフード、何カ、ワカリマスカ?」いたずらっぽい笑みを浮かべてJ尼は聞いてきた。
なんか、D菜がいろいろ食べものを言い始めた。B美がくすくす笑ってるのは、J尼が言ってるフードが何か分かってるってことかなあ。クイズだってことは分かるけど、相変わらず難しくて、よく分からないや。てか、クイズ抜きにしても、英語が分かんないや。コンセプチュアルとかトラディショナルって、何だっけなあ。そう言えば、来週は英語の小テストだったっけ。
「ちょっとF吉っ」いきなりD菜にどつかれた。「さっきからぼーっとしてて、話、聞いてるの。」
「うん、聞いてるよ。ぼくも考えてたんだ」なんてね。にしても、どつきかたが半端ない。「納豆とか鰹節とかじゃないんだよね」と、一応考えてたふりをしておく。
J尼って、ルックスも悪くないし、日本のこと好きみたいだし、気さくで良い子なんだけど、言ってることが、いつもちょっとずれてんだよなあ。それとも、あれって、分かっててわざとやってるのかなあ。ぼくの気を引くため、なわけ無いか。頭使うと、甘いものが欲しくなるね。このクッキー甘くて美味しいや。チョコが入ってるのか。砂糖を入れない紅茶にぴったりだ。ママが焼いてくれたって言ってたな。おふくろの味と言えば、日本じゃ味噌汁か。
『オカアサンノミソシル、ザイリョウ、ヒトツシカナイカラ、イッカイシカ、ツクレナイネー。』とか言うのかな。やっぱり、わからないや。ま、いっか。楽しいから。
a-kuma3様、いつも回答、ありがとうございます。
ぼんやりとしたF吉の感じが、たいへんよく伝わり、楽しめました。
正解はtakanoha様の通りです。準正解は、お楽しみに。
D菜は即座にB美を見た。
D菜「全然わからないわ。B美はわかる?」
B美は頷かなかった。
D菜「あれ?ここは頷くお約束の筈。もしかして、B美にもわからないとか」
B美は首を横に振った。
B美「2つの可能性があるのよ。どっちが正解か、少し考えさせて」
B美は目を閉じ、腕組みをした。
F吉がD菜に小声でささやいた。
F吉「ねえねえ。J尼が言ってた『こんせぷちゅある』って何?」
D菜「そんな事も知らないの?あれよ、あれ。コンセプがチュアルなのよ」
F吉「は?」
D菜「J尼、F吉に『コンセプチュアル』の解説をしてあげて」
J尼「『コンセプチュアル』ハ、ニホンゴデハムズカシイコトバデス。カンネンテキ?ガイネンジョウ?」
F吉は頭を抱えた。
F吉「ますますわからなくなったし」
B美が目を開いて、スマホを取り出して操作した。無言でF吉に差し出したスマホのディスプレイには
コンセプチュアル=[形動]概念の。概念上の。
と表示されていた。
F吉「あ、ありがとう。……で、答えはわかった?」
B美は頷いた。
B美「2つの可能性、どっちも正解に近いはず」
J尼「サスガハB美サンデス。コノクイズニハ、セイカイト、ジュンセイカイガアリマス」
B美「1つ目は、『たなぼた』よ」
D菜「『棚からぼた餅』のアレ?」
B美「そう。『おいしい』は食べ物の味だけではなく、『ラッキー』の意味も含まれているわけね。ご馳走じゃないし、チープだわ。気持ちとシチュエーションも大事よね」
F吉「確かに実物の『たなぼた』を食べた事はないなー。『コンセプチュアル』ってそういう事か」
B美「棚に直接乗っていたぼた餅って、埃とかついてそうじゃない?だからJ尼が『ぜひ食べてみたいけど、食べてみたくない』と言ったわけ」
一息入れて、B美は続けた。
B美「『日本人の国民性』だけど、『運を天に任せる』のは日本人的よね。外国だと『天は自ら助くるものを助く』、英語で言えば "Heaven helps those who help themselves." になる所だわ」
D菜「でも、『地域限定』は?」
B美の顔が曇った。
B美「『たなぼた』を正解と言い切れないのはそこなの。『棚にある』というのを『地域限定』と言えなくはないけど、ちょっと無理がありそう」
F吉「じゃあ、2つ目は?」
B美「『目黒のさんま』よ」
F吉「落語の?」
B美「そう。『トラディショナルで伝説的』にも合致するわ。地域限定だし、お腹が空いていてサンマを初めて食べるというシチュエーションがあったから殿様もさんまを好きになった」
D菜「でも、目黒区あたりに行けば食べられるわよね」
B美「サンマを食べにわざわざ目黒まで行く人はそういないでしょ。今では『目黒のさんま祭り』なんてのもやっているらしいけど。『日本人でも本物を食べた人はほとんどいない』の『ほとんど』が大事なわけ」
D菜「J尼の『ぜひ食べてみたいけど、食べてみたくない』は?」
B美「『目黒のさんま』は、串も網も使わずにサンマを直接炭火に突っ込んで焼いたものだったらしいわ。あまり食べたくはないわよね」
F吉「じゃあ、『日本人の国民性』は?」
B美の顔が再び曇った。
B美「『さんまは目黒に限る』と知ったかぶりする所かしらね。もしかすると、殿様からリクエストされた家来が、脂と骨を抜いて椀物にしちゃう所かも」
B美はJ尼を見て、言った。
B美「私の回答は『目黒のさんま』。どうかしら?」
J尼は謎めいた微笑を浮かべた。
> おはぎ=関東、ぼたもち=関西
「たなぼた」を思いついた時には、私もそう思ってました。
回答前に Wikipedia などを参照して軌道修正しましたけど。
で、正解は「京のぶぶ漬け」で良いとして、準正解って何なんですか?
「『一年生になったら』のおにぎり」?
はい、「『一年生になったら』のおにぎり」です。
ってのをね、用意したんです。
で、他の正解者がでたら、台詞だけ差し替えて回答しようかと思ったんです。
でも、正解っぽい回答が出てないように思えてなりません。
たぶん、みんなはずしている。(ような気がする)
本命チョコだけは、わたしも少し考えていました。でも、結構食べたことありそうだし、
地域とかそもそも和から外れるので除外しました。
で、私の出した結論は以下のふたつです。
grankoyama様、マンガの力作+長編回答、いつもありがとうございます&すみません。
自分的には、takanoha様の回答「京のぶぶ漬け」で、十分だと思っているのです。
正直、どこらへんがダメなのかわかりません・・・。
「忍者丸」「明石焼」の答えは、いかにもgrankoyama様的で、すごく面白かったです。
いつもブログ、楽しみに拝見しております。
takanoha様、おみごとでした。完璧な正解! です。
2012/04/21 22:00:39ベストアンサーはtakanoha様に差し上げます。
おめでとうございます!!
>J尼「ブブヅケヲダシテ、オイダシタクハアリマセン。」
のところを拾ったのも凄いです。ポイント、はずまさせていただきます!