日本が財政破綻すると言っているのは、おそらく当の日本人だけでしょう。
財政を論じるときには、その国の経常収支を見るのが国際常識です。
日本は昨年、震災で所得収支が大幅に減り、貿易収支が赤字になりましたが、それでも経常収支は10兆円と大幅な黒字なのです。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_eco_bop-balance
日本は、中国には劣るものの、安定して経常収支黒字の国で、ユーロ圏よりはるかに安定していると考えられているのです。
各国の経常収支額は、以下の資料の15ページをご覧ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ecodata/pdfs/k_shihyo.pdf
日本の財政赤字のウェイトの多くが国債の発行であり、
その発行先は国内の金融機関がほとんどのため、
国債の価格が暴落する恐れは少ない、という話はよく聞きます。
なぜ国内の金融機関が発行先だと国債の価格が暴落しないのですか?
簡単に言うと、ドル、ユーロ、円、が全部破綻しそうな勢いなので、一番破綻が遅そうな円が高くなっているだけです。
『日本の財政は先進国中最悪だと言われているのに、なぜ円がドルやユーロより強くなるのでしょうか。』==>日本は政治的な押し(外交力??)が弱腰なので、各国に漬け込まれて、各国の政府・経済界の思惑の反映でしょう。(日本の輸出耐力を弱める??)
そんな所かな。
各国が「円高にしてやれ!そっちの方が日本は儲からずにおれらが儲かるから。」と思ってるからということでしょうか?そんなんで為替ってうごくのでしょうか。
幾つかの要因が重なっての結果ですが、最大の原因は日本がデフレ経済下であることとその一つの理由である借金まみれで金利を大きく上げられないことにあります。
また、財務省の人事評価基準で国の財産を増やしたことを大きく評価することとなっていること自体をあげる人もいます。
まず、デフレ=貨幣の価値が上がり物価が下がる。はご存知だと推測します。つまりデフレ経済下の通貨を保有し続けることはそれだけで金利が入ってくるのと同じ状態であると言うことです。
ヨーロッパやアメリカの経済が破綻しそうだとか言っているのはある意味正しいのですが、インフレ=貨幣の価値が下がることを懸念してのことです。
日本の場合、インフレを生じさせるように金利を上げて、日銀から市中銀行への貸出を増やしてと言った手段が使えません。計算してください。
流石に1000兆円もの借金があると市中銀行が一般企業に貸し出すより国債を買うように仕向けなければなりませんし、金利を下げる方向に誘導する必要があります。政治家は口ではデフレスパイラルから脱却と言っていますが、実際にやっていることは、金利が上がらないよう、国債の価格が下がらないように動いているだけなのです。
国債の残高を1000兆円、歳入予算は90兆円です。歳入予算の内訳は税収が42兆円、その他が4兆円、国債が44兆円です。
金利が1%増えれば国家予算は吹っ飛びますし、0.4%上昇で税収が、0.3%で社会保障費がと言った具合です。
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2012/seifuan24/yosan001.pdf
実際日銀がインフレターゲットを表明したところ、円安に移行し80円台に復活しています。
http://www.zaikei.co.jp/article/20120304/97142.html
#a1のように財政破綻の危険性を懸念しているのは、日本人だけということはありません。それであれば、G20で安住財務相が日本の財政再建策を説明する必要はありません。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LZVH506K50Y801.html
おおっと、ここに来て名目金利と実質金利の話ですか。今まで頂いたアドバイスの中に「金利」という言葉がたくさん登場しますが、どちらの意味で使われているのですか?
政策金利の話しですから、名目金利です。
こちらは参考になりますか?
なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか: Report 3
http://gensizin4.seesaa.net/article/250757568.html
日本がなかなか財政破綻しない理由
http://crossroad1984.blogspot.com/2012/01/blog-post.html
ありがとうございます。これが一番説得力があります。
よく言われる貿易収支などの理由は個人的に納得できません。
日本は債権国だからという意見もありますが、これもおかしな意見です。
海外に対して持っている資産が国のモノとは限らないからです。
また、国債の消化がほとんど国内だから国債の暴落もなく、
円も暴落しないという意見がありますが、これもおかしな話です。
大きな要因は日本がデフレであるのに対して海外がインフレであることでしょうか。
アメリカが年2~3%程度のインフレ率であるのに対して
たとえば、一ドル100円のときに日本とアメリカで
同様の消費行動を行う場合、日本で1万円分の消費は
アメリカでは100ドルの消費ですが、
10年後に日本で1万円の消費を行う場合、アメリカでは 130ドル超の消費になります。
同じモノを同じように消費しているのならドルの価値の下落は明らかです。
10年後には一ドル 80円を割っていることになる計算です。
それぞれの国との貿易額や物価の変動を踏まえた実質実効為替レートというモノがありますが、
それによると、2005年の一ドル100円超の為替レートと
今の一ドル 80円台の為替レートは実質的に変わらないようですね。
もう一つは金利差ですかね。
金利とインフレ率はある程度の相関関係があるのではないかと思います。
日銀のインフレターゲットが話題になっていますが、
日銀としてはインフレには持って行きたいけれど金利を上げづらい状況です。
藤巻さんは金融機関が長期国債から短期国債へとシフトしていると書いていますが、
大手の都市銀行などはもともと金利変動による
債券価格の変動リスクを避けるため
短期の国債ばかりを保有していたはずです。
ところが、昨今の民間資金需要の停滞などで運用先に困り、
長期の国債にも手を出しているようです。
まぁこれは以前に日経新聞でそう書いていたように記憶しているだけで
間違っているかもしれませんが。
この間、金利が1%上がると国債を保有する
金融機関の損失がどれだけでるかという日銀の試算が新聞に出ていましたね。
もし、日本国債が暴落するような自体になれば、金融危機なんてことになりかねませんからね。
それが、2月の日銀の国債買い入れ枠の拡大などの量的緩和の拡大策なんだと思います。
日本の金融機関が金余りで、運用先がなく国債を買ってくれる。
ただそれだけで持ちこたえているのかも知れませんね。
ただ、去年の7~9月ぐらいの新発債のうち6割ぐらいは
海外投資家が消化したという事なので、日本の金融機関も
そろそろリスクを意識して慎重になり始めているのかも知れませんね。
為替レートの基本はやはり、長期的には物価(に基づく通貨の価値の変動)だと思うので
たとえば2007年頃までの円キャリー取引による円安バブルとか
財政赤字がとか政治不安がといった要素での
オーバーシュート的な動きはあるかもしれませんが、
そのうち物価に基づいた動きに修正されていくと思います。
購買力平価レートって言うんでしたっけ?
国の税収と経常収支はリンクしません。
2012/03/04 23:49:05言い換えると、税収と通貨の価値は必ずしも連動しません。とくに、ドル、ユーロ、円のような国際通貨の場合がそうです。
円は、国家予算(歳入)として利用されますが、それは円の役割のほんの一部です。円は国際通貨として貿易取引や為替取引などにも利用されており、むしろその額の方が税収より大きいのです。
日本は国家予算の歳入・歳出ベースでは赤字ですが、経常収支は黒字ですから、国・地方・民間を合わせた財産は増えています。これが円が信頼される根拠です。
「経常収支が大幅な黒字だから、財政破綻するとはいえない。」(≒財政破綻すると言っているのは日本人だけ)
2012/03/05 11:14:13とのご意見だったかと思いますが、どうして経常収支が税収にリンクしないのに、「経常収支が大幅な黒字だから財政破綻するとはいえない。」といえるのでしょうか?
コメントで頂いたお話は、「経常趣旨が大幅な黒字だから、円が信頼される。」と言っているだけで、「財政破綻するとは言えない」という結論に結びついていないように思います。