法の目的としての正義について、特にアリストテレスの正義論を論ぜよというレポート課題があるのですが、どういう内容を書いたらいいのか今一わかりません。
そもそも論じるというのが、どういうことなのかがよくわからないのですが・・・
アドバイスをもらえないでしょうか
このレポート課題は、法学部だと「法哲学」ですね。
参考文献をあげてみました。論述の形式は、自分で組み立てたほうがいいと思います。
(1)法の理念について、書いてみては。
ラートブルフの法理念論についても、ふれるとベストですね。
(2)法の目的としての正義
(3)アリストテレスの正義論
(4)アリストテレスのニコマコス倫理学について、書いてみては。
課題に「特にアリストテレスの正義論」とあるので、現代正義論のジョン・ロールズまではふれなくてもいいのでは。と思います。
マイケル・サンデル氏の本も面白いですよね。
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
「論じる」ことの目的は、先生はあなたの理解の程度を知ることです。よって、アリストテレスの正義論をどのように理解したかを自分の言葉で解釈することが、第一歩になります。
正義論の主は『ニコマコス倫理学』の五巻です。これを原文もしくは翻訳でもいいですから、読むのが、学生としてのお約束ですね。お勧めはロエブ版の英語訳を引用すること。点数アップとなります。
http://www.amazon.com/Comlete-Works-Aristotle-Classical-Library/lm/R18OIKECJSOCVK
正義の定義から開始するのもいいでしょう。ニコマコス倫理学ではこうあります
「それによって人びとが正しい行為の実践者となる、すなわち人びとに正しく行為させるだけでなく、正しいことを欲するようにさせる、そうした態度」
でも「正しいこと」とは何かが、これではわからない。法における正義には、どうやら3つの正義の行為があるらしいと言われています....
というふうに整理してゆきます。
この後があなたの腕の見せどころです。
彼の思想の近代性とか後進性とか(奴隷を認めていたなど)、現代の法治国家において、アリストテレスの正義論がどう生かされているか? とか、主要な政治思想とアリストテレス思想との関係とか...。現代に生きる我らとの関係でアリストテレスを論じられれば「優」です。
ギリシア思想が近代国家の思想的基盤となっているのをどうえぐり出すか、がレポートのキモだと思いますね。
コメント(2件)
小生なら
1:アリストテレスの正義論を、気の利いた高校生がわかる程度に紹介する。
結構難しいですよ。他人にわかるように説明するには相当わかっていないとできません。説明が難しいなら紹介程度を目指してみてはいかがでしょう。
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2:後世にどのような批判を受けたか、または現代ではどのような評価を受けているか紹介する。
同じことですが、説明が難しければ紹介程度にしてみるのも手です。そんなことはないと思いますが、もし現代まで批判らしい批判が加えられていなければ「このような批判があるが(批判なら必ずと言っていいほど加えられているはずです)有効な批判とは言いがたい」とやることになります。
3:自分の考えを述べる
3-1:「現代では否定されているが、私はアリストテレスの正義論に賛成である。理由は…」または3-2「現代では否定されているが、なぜアリストテレスはそのようなことを主張したのか」を述べる。
3-1なら、アリストテレスの正義論→否定→否定の否定、という構成で、読者の興味を引けます。
3-2でも、例えば歴史的背景を述べることによってアリストテレスに好意的な立場に立つことができます。
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小生ならこんな感じにします。やや「アリストテレスの正義論に関する論考」または「アリストテレスに対する論考」気味であって「法の目的としての正義に関する論考」から外れる気もしますが、小生が哲学科出身なのでしょうがないです(笑)。
倫理的、法学的に正義自体を論じるなら、例えば http://www.cafe-nous.com/a-ken/cat103/index.html あたりを読んでみてはいかがでしょうか。
ここを手がかりにサンデル教授の本を読んでみて、参考にすると小生とは違うアプローチの「論じ方」を思いつくかもしれません。
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いまいちですが、お役に立ちますかどうか。
「論ずる」とは、あることについて「議論を前提にして解釈を述べる」とでも言うべきかな?
反論に耐え得る理論展開が求められているのだと思います。
自分はどう思っていて、何故そう思うのか?そして実例や数字で補足します。