※世界観がいわゆるファンタジー世界(中世ヨーロッパ風世界観)である必要はありません。
ウィキペディアのダークファンタジーに関する項目からの引用ですが
・人間の残酷な心理や内面をえぐった表現
・予定調和的なハッピーエンドを嫌った展開(バッドエンド方針)
など、そんな雰囲気のある作品ならOKです。
※あまりにも有名だと思いますので、『エルリック・サーガ』以外の作品の紹介をお願いします。
よろしくお願いします。
ごく個人的な感想としてお勧めさせていただきますと、ゴーメンガースト三部作
タイタス・グローン―ゴーメンガースト三部作 1 (創元推理文庫 (534‐1))
タイタス・アローン (創元推理文庫―ゴーメンガースト三部作)
ですね。衝撃的に面白い。
あとはKingの暗黒の塔シリーズ。
『新世界より』
内容紹介より
1000年後の日本。「呪力(じゅりょく)」こと、念動力を手に入れた人類は、「悪鬼(あっき)」と「業魔(ごうま)」という忌まわしい伝説に怯えつつも、平和な社会を築いていた。
しかし、学校の徹底した管理下にあった子供たちが、禁を犯したため、突然の悪夢が襲いかかる!
崩れ去る見せかけの平和。異形のアーカイブが語る、人類の血塗られた歴史の真実とは!?
最初こそ郷愁を感じさせるのどかな町の風景、そしてまだ幼い主人公らが呪力を含めその社会の成り立ちを学んでいくほのぼのした成長物語という印象を抱くのですが、ストーリーが進むに連れ、明かされる人間の血塗られた歴史、そして極端なほど厳格に管理された教育システムに戦慄します。
そして、ファンタジーには異形の生物がつきもので、ここでもネズミの知能を高めた生物がいて、人間に従属し肉体労働に使役したり、同属同士で争ったりしますが、最後に明かされるその正体が結構ショッキングだったりします。
分厚い割には、途中で飽きずに短期間で集中して読んでしまった濃い作品でした。
引用の「人間の残酷な心理や内面をえぐった表現」にぴったりな作品です。
先月読んで感想を書きましたのでよろしければ参考までに。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20090919/1253365232
『ICO』は同名のゲームを題材にして書かれた小説です。といっても、普通のRPGゲームではあまり触れられない登場人物の心理について深く掘り下げた内容で、単純な正義と悪という構図ではない上にダークな雰囲気が漂うのでこれも候補になるかなと思いました。
それと、悪意に満ちた和風寓話として『粘膜人間』を挙げます。
河童を始めとする森の不思議な生き物が登場する話で、世界観もキャラクターも強烈なインパクトある内容でした。
感想はこちら。
http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20090131/1233401394
老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
「ギャルナフカの迷宮」(短編集『老ヴォールの惑星』所収)
最低限の水と食料は保証されているが、生きていくためには他の人間を容易く信じてはいけない闇の迷宮(牢獄)に投獄された男の話。
結末はバッドエンドでは無いですが、人間の負の面をどう克服して迷宮から脱出するかという点が見ものです。
他の収録作品は基本SF路線ですが、どれも趣向凝らしてあって面白いのでお薦めです。
コメント(2件)
最近はまぞうで検索結果がでなかったり調子が悪いみたいです。
amazonのリンク貼っておきます。
『新世界より』
http://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%82%88%E3%82%8A-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B9-%E3%82%ADJ-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BA-%E8%B2%B4%E5%BF%97/dp/4061826603/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1256348301&sr=8-2
『ICO-霧の城-』
http://www.amazon.co.jp/ICO-%E9%9C%A7%E3%81%AE%E5%9F%8E-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B9-%E5%AE%AE%E9%83%A8-%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8D/dp/4061825585/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1256348346&sr=1-2