二つの違いを、以下のフォーマットで教えてください。
1)あなたがライトノベルと思う作品
2)なぜ、これはライトノベルか
3)あなたが文学小説と思う作品
4)なぜ、これは文学小説か
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
作品の時代、国籍は問いません。
また、複数冊を例に挙げていただいてもかまいません。
フォーマットを大きく外れるとポイント出せません。
コメント欄は開いておりますので、フォーマット以外の解答はそちらにお願いします。
文芸学に詳しい文系・芸術系の方(もちろん、理系・体育会系の方も)、やさしく教えてください。
よろしくお願いいたします。
1)あなたがライトノベルと思う作品
2)なぜ、これはライトノベルか
3)あなたが文学小説と思う作品
4)なぜ、これは文学小説か
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
1)自身がライトノベルと思っている作品
ブギーポップ、スレイヤーズ、魔術師オーフェン
戯言シリーズ、フォーチュンクエスト
2)なぜコレはライトノベルか
極端にゲーム的な形で空想化された世界での
人生を描いている。性格の形成が漫画的な
群を抜いた極性ものでできた人間が大勢出ている。
文章が人をその世界に存在していることへ
酔わせ、非現実を楽しむように作られている
3)文学小説
異邦人、カラマーゾフの兄弟、ツァラストラは
かく語りき、雪国、伊豆の踊り子、沈黙、
源氏物語
4)なぜこれは文学小説か
あるていどの時代の変遷を経て残っている。
言語を越えた普遍的な人間に潜む情動や、
人間の模様を描き出している。それぞれの
小説は人間の根幹に触れるようなものがあり、
深く考察していけばいくほど、さらに新しい
発見が存在する。読むだけで、人間の感性として
震えるものが存在するなど
5)
ライトノベルは時代の変遷を経てないというのが
もっとも大きな違いです。時代や、その場での
盛り上がりに惑わされて本質を見失っていて
ただ端的な感情で喜んでいてあとには何も残らない、という浅はかな読後感のみになってしまう場合
が、時代を経ていないものより多いといえます。
もちろん文学作品でも、時代を経ているとはいえ
あわないものもあります。
次に、基本的にライトノベルはゲーム的な世界に
酔わせようとしているのがほとんどのように思え
ます。完全に現実社会から逃避しているような
ものが多いように思えます。人間社会の構造や
人間性を捉え、その上で立脚した物語の構造という
のは、あまりないように思えます。音楽で言うと
過去一世を風靡した「小室ソング」と同じで、
歌詞全体を捉えるとまったく意味不明で、ただ
ノリのみで展開しているようなものです。
本質を見失った騒ぎとも、意地悪な見方をすれば
いえます。が、ライトノベル自体はおもしろい
ですから、適度に楽しむ分には問題ないように
思えます
そもそも、自分個人としては並べて論じる
存在ではないように思えます(優劣ではなく)
同じTVの作品だからといって、ニュースも
ドラマもアニメもバラエティも同じ比較に
立たないように、同じ文字で展開するメディア
だからといって、文学とライトノベルが
基本的には同線上に存在しているということは
無いように考えます。
ただ、同じ文字で表現するものですから
きっとバトルロワイヤルのように、きわめて
存在が曖昧なものもでてくるでしょうから、
そこがこういった議論を呼ぶのやもしれません。
けれど、そういったのは例外で基本的には
上に書いたように考えています
1)
キノの旅、NHKへようこそ!、ブギーポップは笑わない、
半分の月が上る空、ミミズクと夜の王、涼宮ハルヒの憂鬱
2)
上の小説は一般にライトノベルと認識されている電撃文庫等の
作品であり、作者自身がライトノベル作家であるという記述
も見られる(キノの旅11巻巻末等)。NHKについては5で述べる。
3)
以下、文学小説を一般的認識における純文学と定義する。
人間失格、雪国、世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、罪と罰、変身、介護入門
4)
上の作品は一般に文学として認識されている。
文学において求められるのは芸術性である。その際中心となるのは
雪国に見られるような情景、人間失格に見られるような心情の吐露や描写、罪と罰における人間の普遍的問題などである。
他の芸術(絵画や音楽)と同じように表現するものが他者に対し
自己の感覚を伝えること自体が目的であり、またその過程において自己の大きな精神的変化がしばしば見られる。
純文学においてはこの感覚、精神が重視され、プロットやキャラクター設定、ストーリーの面白さなどは結果的に切り捨てられることもある。
また文学における感覚を伝える他者は一般的に無差別である。
5)
ライトノベルとして上げた作品群、またそう呼ばれる作品において
表紙はマンガ的なイラストが多用される、挿絵として同形態のものが載っていることが多い。…A
また多くの場合それらは作品内のキャラクターであり、作品の内容はそのキャラクター達が織り成す物語である。…B
物語は純文学として認識されるものよりも主題が前面に出されたものではなく、大衆文学の延長上にあると言える。…C
作品内の表現は難解なものは少なく、メインとなるキャラクターは
10代、ローティーンがほとんどであることから主に同年代を対象とした小説であることが考えられる。…D
5)これらと4で述べた文学とを合わせて考えるライトノベルとは
何か面白い(この場合の面白いは笑いや感動、萌えなど)物語の為に
キャラクターや設定(B、C)を練って作られた物語であり、
マンガやアニメ、ゲームを好むようなローティーンを主な対象とした(A、D)ジュブナイル小説である、と考えることが出来る。
その対象ゆえに軽い文体や内容であることが多く、ライトノベルと
呼称されるのだと思われる。
NHKについてはA、B、Dの要素が強く、マンガやアニメ展開が
あることからライトノベルと位置付けた。
また上記以外の作品で十二国記や乙一の作品など、また上記の作品では半月など内容がライトでない作品(ライトな部分はあるが)が大衆文学とライトノベルが別のジャンルではなく(上の要素が満たされない場合がある)、ライトノベルがその一部であることを示している。
近代以降純文学と大衆文学文学を分けたことから銀河鉄道の夜のように童話(=大衆文学)でありながら純文学と呼称することが否定しえない物語が存在するように、もちろんジャンル分けは万能ではない。
芸術性と娯楽性という軸で考えると、とても分かりやすいです。
なかなかの目安になりますね。
10代、ローティーンがほとんどであることから主に同年代を対象とした小説であることが考えられる。
おそらく、「ライトノベル」の当初?狙った年齢層だったのでしょうが、いつの間にやら20代~30代の人も読み続けるようになった為、複雑化している気がします。
また、挙げていただいた「十二国記」や「乙一」などジャンルをまたいでいるものもあるので、作家で見分けたり出版社で見分けたりも難しくなっているんでしょうね。
ところで「ジュブナイル小説」は小学生向けのイメージがあります。
「ライトノベル」より低い年齢層をターゲットにしている感じでしょうか。
1)あなたがライトノベルと思う作品
一昔前のライトノベルというと『スレイヤーズ』や、あかほりさとるの諸作品などが売れていたと思います。最近だと『涼宮ハルヒの憂鬱』なんかが有名だと思います。
2)なぜ、これはライトノベルか
角川スニーカー文庫や電撃文庫など、基本的には出版社がライトノベルとして売り出している作品はすべてライトノベルだと思います。アニメのノベライゼーションも多いです。そうでない作品も、映像化するとアニメになり、はじめからアニメ化を想定して作られている場合も多いです。よって、登場人物(キャラクター)は基本的にアニメや漫画などの二次元的な人物が想像されます。
3)あなたが文学小説と思う作品
高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』、保坂和志『カンバセーションピース』
4)なぜ、これは文学小説か
「ことば(言語)」に対する感覚が鋭く、人間や社会に対しての解釈も深いからです。
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
ライトノベルは、書き手の想像力の中心に、アニメやゲームや漫画があると思います。
文学小説は芸術作品と同じで、既存のものではなく新しい何かを小説の世界に持ち込んだものが文学小説であると思います。
「出版社側がそのライトノベルとし売り出したい」となると、ライトノベルにならざるをえないですね。
創造の中心にアニメやゲーム、漫画・・・二次元が想定されているとすると、もしかして「実写化するとコケる」という基準もあるかもしれません!?
この基準は思いつきませんでした(もちろん、ライトノベル以外の場合もコケる事は多々ありますが・・・少女マンガは結構上手く行っているイメージが)。
1) 人間失格 太宰治 新装版
2) 小畑健イラストという理由で売れた分はライトノベル的な売れ方でしょう。
3) 人間失格 太宰治
4) オリジナルについては、古典作であり、文学作品として広く知られていると思います。
5) 違いというか区別をする物ではないと思います。上記はあくまでも冗談ですが、ライトノベルでありかつ文学小説というカテゴリが存在できないとは思いません。
ライトノベルというのはライトな表現方法 ライトな売り方という事であり、かならずしも、内容を定義するものでは無いと思います。
一方、文学小説というのは、内容の話をされていると思われ、比べるベクトルが違うので、比べる物ではないと考えます。
冗談で答えられても・・・
1)あなたがライトノベルと思う作品
星新一『未来いそっぷ』
2)なぜ、これはライトノベルか
別にコミックイラスト的な挿絵もないので、俗に云うライトノベルとは印象を異にするとは思うのですが、私の中でライトノベルと普通の小説の境界はこれになります。
軽く読めて、単純明快な面白さが得られるという条件を満たすのがライトだと思います。想像力をフル活用せずとも頭に入ってくるような漫画的表現などが特徴でしょうか。まあこれだと、童話との差は微妙なんですけどねぇ…。考えてみてギリギリ、ライトと出来るのがコレでした。
3)あなたが文学小説と思う作品
ドストエフスキー『罪と罰』
4)なぜ、これは文学小説か
まずもって、簡単には読めませんので、ライトノベルとは呼べません。では普通の小説とはどう違うのかですが、これは正直よく分かりません。まあ、小難しく書いた本ですよね。
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
小説の中に両方分類されるわけですから、本質的には変わりはないと思いますが、「志向」は違うでしょうね。
ライトノベルの場合、何を表現しているか、作者がどう思っているかなどが重要なのではなくて、「軽く読める」というのが第一義なのだと思います。今流行りのケータイ小説もライトノベルの新しい形と云えないことはないかも知れません。この上なく気軽な読み物ですからね。
文学小説の場合は、簡単に読めてしまうものでは困ります。構成自体が短くすぐに読めたとしても、表現される文は難解である必要があります。色々な解釈が可能であることが望ましいでしょう。読み解く作業に重点が置かれますからね。読者の読む力が試される読み物が文学小説ではないかと思います。大衆小説の価値である、面白いかどうかは重要ではありませんね。
結論ー
ライトノベルは「読みやすい本」であり「読むための本」。
文学小説は「読みにくい本」であり「解くための本」。
星新一は悩みますね。うーんうーん。
確かに軽く読めるて「ははぁ、なるほど」となるのですが、ちょっとした風刺が効いていたりして「これってよく考えると・・・おおっ!」となることもあります。
ライトノベルらしいライトノベル?(表紙が漫画絵や特定の出版社から出ているなど)以外の解答でちょっと興奮してしまいました。
ライトノベルは「読みやすい本」であり「読むための本」。
文学小説は「読みにくい本」であり「解くための本」。
上手くまとまっていて、なるほどっ!と思いました。
所でケータイ小説って凄いですね。
ちょこっと読んだことがあるのですが、まったく情景が浮かびませんでした・・・。
これも「読みにくい本(文)」で解きながら読まなくてはならないですね、はは。
1)あなたがライトノベルと思う作品
涼宮ハルヒ、彩雲国物語、マリア様がみてる
2)なぜ、これはライトノベルか
たとえばライトノベルフェアに並んだりなど、一般にそう認識されているから。というと無責任かもしれませんが、他者によって提唱された定義を共有するというのが意味決定の一つの形だと思います。そういった意味で、「一般的にそう認識されているから」。
3)あなたが文学小説と思う作品
「文学小説」を「文学であって小説であるもの」と考えました(つまり、詩歌・評論などは除きました)。
城、サロメ、雪国、源氏物語、かもめ
4)なぜ、これは文学小説か
やはりこれも「一般にそう認識されているから」ということになってしまいます。
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
このことに関しては主観的な感情論と、できるだけ合理的に考えようとした考えと、2つが個人的にはあります。
A.合理的な考え
理屈で考えていくと、この二つは本当に違うのかという考えに到ります。フィギュアが現代美術の一つの形と認識されていることから考えても、絵柄や人物造形が漫画的、あるいは現実離れしているということはライトノベルの文学性を否定することにはつながりませんし、文体に関しても、現代の流行にあわせたものだと考えることができます。文学あるいは文藝が「言語によって美を引き出すことを目的とする活動、またその創作物」とするならば、人々のあいだの「美」の捉え方が変わってきた現代において、やはりライトノベル的なものも文学のひとつではないでしょうか。歴史的に見れば、復古主義が盛んであった時代もありましたが、基本的に藝術はその時代の要求に逆らわぬものであったように思えます。
B.感情論
ただ、これは多分に私が懐古主義者だということに起因すると思いますが、ライトノベルさらに言えば現代大衆小説は、そのエンターテインメント性からあまり文学として認めたくないという思いがあります。理屈では、現代小説も今の時代に即した「美」を求めているのだと思うのですが、「美」を求める姿勢に一途なものがないような気がするのです。かつても商業的な意味から、自分の求める美とは違うものを書かざるを得なかった人物はいましたが、そういった人はそのことを嘆いていたような気がします。しかし、現在においては、作家たちは商業的な要素に左右されることを忌んでいないように見えます。
そういった点において、感情的にはライトノベルを文学とは認めたくありません。
他者から認識されて初めて「この作品は芸術」ってなりますね。
~人々のあいだの「美」の捉え方が変わってきた現代において~
今後何十年もたった頃、ライトノベルはどのように扱われているでしょうか。
古典的文学物は、そのままな気がしますが・・・
次世代では現在の「ライトノベル」が新しい名称/分類を獲得し、次世代の中で生まれた「何か」がその時代の「ライトノベル」に成り代わるということもありえるでしょうか。
活動のベースに商業的な目論見があるものは、作者以外の意思の介入で「造られた」という感じがします(別に悪いとは思っていません)。
ところ「美」の感じ方や定義はまた、ひと質問(それ以上?)潰しそうですねぇ。
対象年齢13~18歳あたりの恋愛に興味があるけど、身体上、性格上にコンプレックスを持っている人が欲求を満たすような目的で書かれている小説です。表紙に萌え絵があり、特に何もしない主人公に
勝手に惚れる異性が都合よく出てくるのが大体共通する特徴です。
1)あなたがライトノベルと思う作品
[スレイヤーズ!][彩雲国物語][EGコンバット][ちょー美女と野獣]
[ハイスクールオーラバスター][パートタイムプリンセス][ダーティペア]
[マリア様がみてる][アリソン][食卓にビールを][高天原なリアル]
[銀河おさわがせ中隊][お師匠さまは魔物!][ハリー・ポッター]
2)なぜ、これはライトノベルか
装丁が軽い漫画やアニメ絵。に、加えて、
基本的にはキャラクター重視。
世界は“あえて”お約束で構成されており、そのぶん展開がスピーディー
に進めてゆける。
絶対に[現実]ではない。
最初の舞台が平凡な地方都市の学校だったとしても、主人公が超能力や
霊能力に目覚めたり、魔法を使えたり、戦争に巻き込まれたり、天国や
宇宙から訪問者がやってくる展開に。
あまり家族のことやその職業、洗濯や掃除、墓参り、近所づきあいなどの
生活感のあるシーンは出てこない。
最初から最後まで普通の現実が舞台となるのは、ティーン小説や少女小説
とは言えても、個人的には『ライトノベル』とは思えない。
3)あなたが文学小説と思う作品
[指輪物語][十二国記][流血女神伝][アンドロイドは電気羊の夢を見るか]
[精霊の守り人][丘の上のミッキー(というかこれは正統派の少女小説)]
[デルフィニア戦記][銀河英雄伝説][乙一の著作][宮部みゆきの著作]
※レーベル的にはライトノベルにも入りそうなものを選んでいます。
4)なぜ、これは文学小説か
世界がしっかり創られていて、詳しい説明がなされており、主人公がいなくても
ストーリーが成立する。
もしも舞台が[現実]ではなく、宇宙や異世界に主人公が転移したり、超能力など
が出てきたとしても、最初に「できること/できないこと」がほぼ開示されており、
主題がキャラクターよりもテーマや世界に重心が置かれていたなら、ライトノベル
とは考えにくい。
5)以上から、ライトノベルと文学小説はこう違う
とはいえ。
棚から選んで分類してみましたが、面白ければどちらでもいいです。
“文体の印象”も大きいですし。
↑この理由で、[里見八犬伝]と[シャーロック・ホームズ]はキャラクター
とストーリーはライトノベルになりえますが、とりあえず今のところ私が知って
いる文章ではライトノベルではありません。
誰か優秀なライノベ作家がうまく訳して漫画絵で装丁したら、立派なライノベに
なるとは思うんですけどねぇ。
[星新一のショートショート]も同じく文体で非ライノベ(キノはこのあたりも
意識してるかもしれないけど、かなり印象は違うものに。……あとがきが原因?)
それから、書かれている視点も大きいかな。
『わたし(ワトソンとか、後世の歴史家とか)』
という視点から一貫して書いている文章だと、あまりライノベっぽくない気が
しませんか?
私も文学的な性質を持った作品と、ライトノベル(と呼ばれているもの)が同一線上とは思っておりません。unextinghuisableさんと同じ考えです。
他の部分の捉え方も、結構似ています。
今回この質問をしたきっかけは、たまたま「川端康成はラノベ」や「源氏物語はラノベ」のような書き込みを見かけたためです。
色々な認識があるんだなーと思い、皆さんはどのように「○○はライトノベルっぽい」と感じているのか、具体的な書籍名を挙げて教えて欲しいと思いました。
さらに「人間失格」の表紙を小畑健が描いた事もあり、「マンガ絵やアニメ絵の表紙がライトノベル」という定義もちょっと違ってきたのかな、とも思いました。
バトルロワイヤルは映画版しかみていないので、なんともいえません…。
ご解答、ありがとうございました。