【本にまつわる話】今年読んだマンガや本を挙げて、感想とその本にまつわる回答者さん本人のエピソードを教えてください。

書影はisbn記法かはまぞうを使ってくださいね。
↓はまぞう ヘルプ
http://hatenadiary.g.hatena.ne.jp/keyword/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e3%83%bb%e9%9f%b3%e6%a5%bd%e3%83%bb%e6%98%a0%e7%94%bb%e3%81%ae%e7%b4%b9%e4%bb%8b%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%af%e3%82%92%e7%b0%a1%e5%8d%98%e3%81%ab%e5%85%a5%e5%8a%9b%e3%81%99%e3%82%8b%ef%bc%88%e3%81%af%e3%81%be%e3%81%9e%e3%81%86%ef%bc%89
熱い回答には熱く、それなりのものにはそれなりにコメントいたします。
ポイントは・書影・感想・エピソードの三点セットで評価対象、重み付け機能三段階を利用して、私の気分でつけますのでその点ご了承の上で回答ください。
年の瀬にマンガ好き本好きの方とまったりしたいと思いますので、楽しい回答お待ちしてます。

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  • 終了:2006/12/30 00:47:11
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ベストアンサー

id:goldwell No.5

回答回数502ベストアンサー獲得回数61

ポイント50pt

架空戦記と言えば、今では限られた作家しか読んでいなくて、書店に並ぶ新作など読んだことの無い人ばかり・・・。

ブームが盛んな90年代は大物作家も多くて、毎月期待の作品も多く出て(駄作もそれ以上に多くて)、ついでに自分も若くて、熱かったなぁ。


懐古はそれくらいにしておいて、デビュー当時からずっと読みつづけている作家として横山信義という人がいます。

rikuzaiさんならご存知かと思いますが、一応拙作によるキーワードを貼っておきます。

はてなダイアリー > キーワード > 横山信義


その横山氏の去年から始まって今年の10月に終わったシリーズ『遠き曙光』~『海の牙城』を書こうかと思います。

遠き曙光 1 - 柱島炎上 (C・NOVELS)

遠き曙光 1 - 柱島炎上 (C・NOVELS)

  • 作者: 横山 信義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • メディア: 単行本

海の牙城〈1〉マーシャル航空戦 (C・NOVELS)

海の牙城〈1〉マーシャル航空戦 (C・NOVELS)

  • 作者: 横山 信義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • メディア: 新書

個人ダイアリーの方でも、一巻単位でダラダラと書き綴っているのですが、それのコピペではあまりに見苦しい為、まとめてみます。

ちなみに時系列でタイトルは二つに分かれてはいますが、内容は同じシリーズと言ってもよいでしょう。

特色として、太平洋戦争のシミュレーションと言っても、日本がまず先制攻撃を受けるのですね。真珠湾攻撃の裏返しと言っていいくらいの奇襲です。

不在の空母部隊を除いて戦艦群が壊滅的な打撃を受けるところまで史実の真珠湾攻撃にそっくり。


もうMr.ルーズベルト(またはハルゼーに代表される米海軍)は生意気な日本を叩きのめそうと、やる気まんまんです。

やる気が空回りしたり、選挙に勝つために派手な作戦を立てるといったあたりに不純な動機も見え隠れなのですが。


流れとしては、

  • 『遠き曙光』が攻撃を受けたあとの機動部隊による反撃や、東南アジア攻略において生起した海戦など。
  • 『海の牙城』がいきなり2年余の時が過ぎて、勢力均衡した状態からアメリカ軍による再侵攻と防ぐ日本軍。そして戦争決着の為の秘策とその顛末。

他の架空戦記作家とは違って地味さが持ち味な横山氏だけに、”超”がつく兵器などは出てこないし技術レベルがいきなり上がったりすることは無いのですが、アメリカによる本土空襲というショックを軍部に与えて、様々な改革をやらせてしまうのですから、意外と大胆だなと思ったもんです。

(逆に言うと、それだけのショックを与えないと、改革が進まないのが日本人か)

一例として、

  • 皇国の危機の前に陸・海軍がいがみあっている場合ぢゃない!ここは一致団結を。戦艦大和のピンチを陸軍の戦闘機が守ってみせる、といったエピソードなんかも美しいです。
  • 史実では連戦連勝してしまった為に敵を侮ってしまったが、アメリカは強大な敵だということを最初から認識。→結果、人命尊重のお達しが出る。

方針や運用面を考え直すだけで、史実よりもだいぶましな戦いができるのではないかということをシミュレートしているわけですね。


見せ場としては、戦闘描写に定評がある著者だけに、海戦シーンは見ごたえあります。しかも史実でほとんど活躍の場がなかった艦(空母信濃や空母武蔵とか!)が頑張ってくれるのが嬉しいです。

ただ、日本軍苛めでも有名な人なんで、散々苦労させた挙句に、基本的に戦争自体に日本を勝たせません。そのあたりはだいぶやきもきさせられました(笑)

まぁ、他のシリーズに比べたらましな結果でしょうが(原爆もB29空襲もなく講和交渉できたのですから)。


不満があるとすれば、欧州の戦況も史実とは変わってしまっているのに、ほとんど世界概況の記述が無かったことですね。

ボリュームが大きくなりすぎるのを避けるためだったのかもしれませんが、もう少しドイツ・イギリスの話があっても良かったのではないかと思います。歴史if好きとしては、断片的な情報から想像をたくましくするしかないですが。(史実では活躍の場が少なかった高性能戦闘機部隊で防備を固めたルフトヴァッフェとか!)

そのあたり外伝でも出してくれるかと渇望していたのですが、今月からいきなり新シリーズを出してくれました。やってくれるぜノビー!!


架空戦記ものも新ネタを考えるのが大変でしょうが、いろいろと苦労して設定を練って、それでいてコンスタントに質を保った作品を生み出し続ける横山氏を陰ながら応援していきたいです。

id:rikuzai

ご参加ありがとうございます~


おお!横山さんのキーワード編集はgoldwellさんの仕事だったんですね。すばらしい。

私も見習わなくては…。


二次大戦モノの架空戦記は本当に色々ありますが、

まだこの作品は読んでいなかったので詳細な解説楽しんで読ませていただきました。

先日呉で大和ミュージアムに行ったり、護衛艦の艦内見学いったりして大喜びしているような私には垂涎の内容かも。


しかし世界概況まで行くと十巻単位か、本筋を掘り下げられなかったりしてしまいがちなので、

分量としては限界なのかもしれないですね、戦闘描写も多い方ですし。

(それが楽しみという話も)


新シリーズをもう書き始めてられるのですね。

来年はまた架空戦記にも戻ってみようかな~

2006/12/30 00:45:40

その他の回答4件)

id:hirotay1974jp No.1

回答回数99ベストアンサー獲得回数2

ポイント50pt

私が今年読んだ中で一押しの本は、「トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして」です。

トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして

トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして

  • 作者: 大野 耐一
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • メディア: 単行本

今働きながら学校に通っており、その中で参考教材として出された本でした。実はこの本の初版は1979年ですが、今読んでも全く遜色ない名著だと思います。(先日、書店に行った際も、経営コーナーに平積みされていました。)

トヨタ生産方式といえば「ジャストインタイム」やニンベンの付いた「自働化」、「カンバン」、「7つのムダ」などが有名ですが、それらについてトヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏自身によって、その背景にある考えが非常に分かりやすく、かつ迫力のある言葉で述べられています。

現実には「トヨタ生産方式」という決まった形式のものはある訳ではなく、経営環境や自社の経営資源に応じて、常に知恵や工夫を絞りながら探求し続けることが不可欠です。敢えて言うならば、その思想こそがトヨタ生産方式の本質と言えるかもしれません。その本質が、この本には凝縮されています。

来年にはトヨタは世界一の自動車メーカーになると言われていますが、その原点を再確認できる本です。

id:rikuzai

一番乗りありがとうございます!

働きながら勉強されているのも素晴らしいですが、その内容が確実に自分の身になっていると思えるのはもっと素晴らしいですね。

なかなかきっかけがないと手に取れない経営関係の本ですが、

長く読み注がれている経営書には、経営だけでなく、普遍的に大切なことが書かれているように思いますし、

企業の細分化が進む中で、改めて「企業」を見つめなおすのにも良いのかもしれません。

機会を見つけて手にとって読んでみたいと思います。


高杉良氏の本なぞ読むと、無性に企業経営の本が読みたくなったりするので、

そこら辺から動機付けしてみようかな…。

2006/12/26 15:00:04
id:Beirii No.2

回答回数173ベストアンサー獲得回数18

ポイント50pt

ぞうくんのさんぽ(こどものとも絵本)

ぞうくんのさんぽ(こどものとも絵本)

  • 作者: なかの ひろたか なかの まさたか
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • メディア: 大型本

この絵本は夏ころに買ったものでして、今でもウチの子のへビィ・ローテーションとなっております。

終盤の『うわ~~~!』ってところ、そして『どっぼ~~~~ん!』ってところがこの絵本の全てと言っても過言ではないですね。

ここに己の読み聞かせ力!?の全てを注ぎ込みます。

すると彼は必ず『もう一回、読むの!』と言ってくるのさ!

やったね!


ちなみに、おかげさまでこの絵本の表紙から文字を憶えました。

“ん” だけですけど。(最初に憶えた文字が “ん” て)

“ん” を指差して『ん!ん!』って言ってきます。

なにが彼をそこまで惹きつけているんだか。


そしてクリスマスの日、サンタさんは彼にこんなプレゼントを贈ってくれましたよ。

http://hm.aitai.ne.jp/~kmichi/htm/tumiki.html

http://hm.aitai.ne.jp/~kmichi/image/zou1.gifhttp://hm.aitai.ne.jp/~kmichi/image/zou2.gif


まだ当分いけそうです。

id:rikuzai

おお~懐かしいですね~

私が保母資格とったときにこの絵本に関する質問がありました、

この絵本の文章通りの絵を書きなさいって言う…。

(そしてみんなワニさんで沈没(*^。^*))


子どもは本当に不思議な生き物で、なぜに同じ本をこんなに何回も読みたがるのでしょうね。

何に惹かれているのか私も良く子どもたちに聞いたものです。

(教えてくれませんでしたが)

もう暗記しているのにまた読んでとせがむ。しまいには読んでる親の声に合わせて話し出す。

もう少ししたら自ら読んで聞かせてくれるようになりますよ(*^_^*)

膝の上の読み聞かせはいろんな意味でいいことだと思うので、

是非レパートリーを増やしていって欲しいです。

さんびきやぎのガラガラドンとか、

おおきなおおきなおいもとか、

ばばばーちゃんとか、

ぐりとぐらとか。エトセトラエトセトラ…

…あぁ絵本コーナーが私を呼んでます。五味さんの新刊でも探しに行こうかしら。

2006/12/26 19:10:24
id:haru-taka No.3

回答回数160ベストアンサー獲得回数4

ポイント50pt

村上龍文学的エッセイ集

村上龍文学的エッセイ集

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: シングルカット
  • メディア: 単行本

この本にはかなり影響されまくりあがりました。村上龍さんって、ものすごい努力をされていると言う事が分かった。そして、ものごとを深く深く掘り下げて、考え抜いているのだなとも思いました。ビートたけしさんの本を読んでも「てめぇの事はてめぇで考えろ!!」みたいな事を言われてる気になります。村上龍さんも基本的に「絶対に誰も信じるな。勿論、俺の言う事もだ。」って言ってる気がします。

今年の初め(も今も)僕は無職でした。当然貯金を切り崩して生活していたし、生命保険も解約した。どうしても働く気になれなかった。さすがに食料品は買わなきゃいけないのでスーパーに入ったところ、小さな本屋があって、新刊コーナーに、このエッセイ集があった。2,000円だった。30秒位悩んだが、結局購入してしまった。


高校生の時に「休みの日には本とか読んでる。古典。太宰とか芥川とかシェークスピアとか。」と、学校に来る日の方が珍しい、不良っぽい友達に話したら「本が好きだったら村上龍読めよ。コインロッカーベイビーズおもしれぇぞ。」と薦められた。読んでみたらものすごく面白くて、以来、村上龍の本は新刊が出る度に買うようになったのだ。学校に来る日の方が珍しい、不良っぽい友達は、女の子と、パチンコが忙しくて高校を中退したけど。


村上龍は、事実を知るために、或いは”この世の中を覆っている真実に非常によく似た嘘”を暴くために、金融・経済・政治・法律・生物学・脳科学・経営学・音楽・文学・スポーツ・絵画・写真・最先端医学等のありとあらゆる情報を習得している。それは、このエッセイ集の中で村上龍が言っているように、騙されないためだ。真実に近づくため、真実を知るために情報収集して、自分で整理しているのではないだろうか?それを考えると途方もない気がしてくる。この人は、決して天才ではないと思う。気が狂うほどの努力をして、真実を見つけ、それを我々読者に伝えてくれる。


「作家になれなければ、俺は死ぬつもりだ。」と、卒業式が迫っていた時に、友達にそう言った事がある。でも僕は、作家になる事がとんでもない努力を要するものだとは知らずに言った、安易な言葉だったと今になって思う。人より多少本を読んでる=作家になれる、というのは恐ろしい間違いだったのだ。けれども、決して絶望はしない。


少なくとも、この時代に村上龍という稀有な作家が生きているという事は事実なのだから。

id:rikuzai

正直に言って村上氏の作品はほとんど手にとっていないのですが、

haru-takaさんの言われる村上氏の意図のようなものはわかるように思います。

特に「騙されないために情報を収集する」という言葉になるほどと思ったり。

ただ、同時になぜ私がほとんど手に取らなかったのかもわかったような気がします。


私の読む本の多くはフィクションなのですが、

おそらく私がそうした本に求めているのは「上手に騙してもらうこと」であり、

騙してもらうことで想像上の世界を楽しみ、

またその世界を通して内省したり、テーマについて思考したりすることを楽しむことだと思うのです。

そうした中でゆるやかに自分の力で求める真実に近づいて行きたいと考えるタイプなんですね。

そういう意味で村上氏とは異なったスタンスだったんだなぁと。

妙に得心がいった感じです。


話は変わって、本か食べ物かというような時に選んだ本は宝物ですね。

おかげで学生時代に買った本がなかなか減ってくれません。

実家に本を置いていたら勝手に売られたことがあって、

これに逆上して以来多い転居の中もずっと持ち続けてきたこともあり、

未だに中学生の頃初めて古本屋で自分の小遣いで買った本が本棚に納まっています。


作家は今も目指していらっしゃるのでしょうか。

作家にもいろんなタイプがあると思いますが、

haru-takaさんが思い描くような作家になれるといいですね。

2006/12/27 10:37:17
id:hanatomi No.4

回答回数853ベストアンサー獲得回数36

ポイント50pt

こんにちは^-^*

本好きっ子で本年も沢山読みました

(乙一やら、村上龍やら、春樹やら、etc・・)

実用書(栗原はるみや、手芸の本やら、ネットの本やら)も多かったので、ここではおお!と思った漫画を紹介させてもらいます。


金髪の草原

金髪の草原

  • 作者: 大島 弓子
  • 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
  • メディア: コミック


映画化されてます

「金髪の草原」featuring 池脇千鶴 [VHS]

「金髪の草原」featuring 池脇千鶴 [VHS]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2001-02-21
  • メディア: VHS

大島弓子はとっても有名なんですが読んだことなかったんです。

ジャンプが好きだったのでジャンプ系か、もっと幼い頃は「なかよし」「りぼん」系しか詳しくなかったんですね。

それで一度読んでみようと思って大御所の大島弓子を呼んでみたら、いや、もう、よかったです。

6つの短編が一冊に入っているのでさらっと読めるのですが、幾度も読み直してしまいました。

たとえて言うと、「向田邦子」の、女性の生き方ドラマ感と、「大林宣彦」の不思議ふわふわ感が混ざったような感じで、この人の本あれこれ借りてみようと思いました。




後もう1つ、いわずと知れた芸術作品「萩尾望都」を読み返しました。

「エーエーダッシュ」という、タイトルです。

内容は人のコピー(クローン)を作れるようになった未来において、職場の同僚の愛する人を失った後、そのクローンが当たり前べく任務を遂行すべくやってきたという設定ですが、うぅん。やっぱり萩尾望都すごい。

A-A’ (小学館文庫)

A-A’ (小学館文庫)

  • 作者: 萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • メディア: 文庫


トーマの心臓 (小学館文庫)

トーマの心臓 (小学館文庫)

  • 作者: 萩尾 望都
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • メディア: 文庫

萩尾望都は、トーマの心臓がイチオシだったのですが、久しぶりに読み返してみて、他の作品も、大人になってからの方が深く読めるのではないかなどとおもいました。

「エーエーダッシュ」に掲載されてる中で

人の善・悪と、心の中の善・悪について書かれている話も出てくるのですが、それも、うぅーーんとうなってしまいました。

少女マンガ界にも「手塚治虫」が居たのか!と、「萩尾望都」の事を言った人がいるそうですが、それも納得できます。

来年はこの二人の本を読み返そうとひそかに燃えています^-^

掘り出し物を見つけた気分で嬉しくなってます。

id:rikuzai

コメント遅くなってすみません。

やっと大掃除が終わりました…。


さて、24年組連打とは嬉しいですね。

大島さんはやはり「綿の国星」の印象が強いですが、

私も短編が結構好きだったりします。

「金髪の草原」は映画もご覧になったのかな。

私はその前に同じ犬童監督が撮られた「赤すいか黄すいか」が好きなのです。

ちょっとシニカルか話の方が更に好みなので、「たそがれは逢魔の時間」辺りがたまらなかったり。

これから色々手を出されるということなので、羨ましい限りです。

どんな作品も初めて読むのは一度切りですからね。これから初めて出会われるというのはうらやましいなぁと思ってしまうのです。

萩尾さんはほとんど読んでいない本がないと思うんですが、

そういえば今年「バルバラ異界」でSF大賞受賞されましたね。

先日筒井さんの「パプリカ」がアニメ映画化されたものを見ましたが、

あれとはまた違った人の夢にもぐりこむ話で、興味深かったです。

ちょっと哲学テイストなことも多いので、私にとっても一回読んだだけでは理解し切れなくて何度も読み返すことが多い作家さんです。

未だに「銀の三角」はもっと深読みできるんじゃないかと思うくらい。

個人的な趣味では「マリーン」「霧笛」「僕の地下室にようこそ」あたりの短編の外国作家原作モノが大好きです。

「ポーの一族」は年表作ったなぁ…。


楽しいお話ありがとうございました。

2006/12/30 00:38:01
id:goldwell No.5

回答回数502ベストアンサー獲得回数61ここでベストアンサー

ポイント50pt

架空戦記と言えば、今では限られた作家しか読んでいなくて、書店に並ぶ新作など読んだことの無い人ばかり・・・。

ブームが盛んな90年代は大物作家も多くて、毎月期待の作品も多く出て(駄作もそれ以上に多くて)、ついでに自分も若くて、熱かったなぁ。


懐古はそれくらいにしておいて、デビュー当時からずっと読みつづけている作家として横山信義という人がいます。

rikuzaiさんならご存知かと思いますが、一応拙作によるキーワードを貼っておきます。

はてなダイアリー > キーワード > 横山信義


その横山氏の去年から始まって今年の10月に終わったシリーズ『遠き曙光』~『海の牙城』を書こうかと思います。

遠き曙光 1 - 柱島炎上 (C・NOVELS)

遠き曙光 1 - 柱島炎上 (C・NOVELS)

  • 作者: 横山 信義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • メディア: 単行本

海の牙城〈1〉マーシャル航空戦 (C・NOVELS)

海の牙城〈1〉マーシャル航空戦 (C・NOVELS)

  • 作者: 横山 信義
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • メディア: 新書

個人ダイアリーの方でも、一巻単位でダラダラと書き綴っているのですが、それのコピペではあまりに見苦しい為、まとめてみます。

ちなみに時系列でタイトルは二つに分かれてはいますが、内容は同じシリーズと言ってもよいでしょう。

特色として、太平洋戦争のシミュレーションと言っても、日本がまず先制攻撃を受けるのですね。真珠湾攻撃の裏返しと言っていいくらいの奇襲です。

不在の空母部隊を除いて戦艦群が壊滅的な打撃を受けるところまで史実の真珠湾攻撃にそっくり。


もうMr.ルーズベルト(またはハルゼーに代表される米海軍)は生意気な日本を叩きのめそうと、やる気まんまんです。

やる気が空回りしたり、選挙に勝つために派手な作戦を立てるといったあたりに不純な動機も見え隠れなのですが。


流れとしては、

  • 『遠き曙光』が攻撃を受けたあとの機動部隊による反撃や、東南アジア攻略において生起した海戦など。
  • 『海の牙城』がいきなり2年余の時が過ぎて、勢力均衡した状態からアメリカ軍による再侵攻と防ぐ日本軍。そして戦争決着の為の秘策とその顛末。

他の架空戦記作家とは違って地味さが持ち味な横山氏だけに、”超”がつく兵器などは出てこないし技術レベルがいきなり上がったりすることは無いのですが、アメリカによる本土空襲というショックを軍部に与えて、様々な改革をやらせてしまうのですから、意外と大胆だなと思ったもんです。

(逆に言うと、それだけのショックを与えないと、改革が進まないのが日本人か)

一例として、

  • 皇国の危機の前に陸・海軍がいがみあっている場合ぢゃない!ここは一致団結を。戦艦大和のピンチを陸軍の戦闘機が守ってみせる、といったエピソードなんかも美しいです。
  • 史実では連戦連勝してしまった為に敵を侮ってしまったが、アメリカは強大な敵だということを最初から認識。→結果、人命尊重のお達しが出る。

方針や運用面を考え直すだけで、史実よりもだいぶましな戦いができるのではないかということをシミュレートしているわけですね。


見せ場としては、戦闘描写に定評がある著者だけに、海戦シーンは見ごたえあります。しかも史実でほとんど活躍の場がなかった艦(空母信濃や空母武蔵とか!)が頑張ってくれるのが嬉しいです。

ただ、日本軍苛めでも有名な人なんで、散々苦労させた挙句に、基本的に戦争自体に日本を勝たせません。そのあたりはだいぶやきもきさせられました(笑)

まぁ、他のシリーズに比べたらましな結果でしょうが(原爆もB29空襲もなく講和交渉できたのですから)。


不満があるとすれば、欧州の戦況も史実とは変わってしまっているのに、ほとんど世界概況の記述が無かったことですね。

ボリュームが大きくなりすぎるのを避けるためだったのかもしれませんが、もう少しドイツ・イギリスの話があっても良かったのではないかと思います。歴史if好きとしては、断片的な情報から想像をたくましくするしかないですが。(史実では活躍の場が少なかった高性能戦闘機部隊で防備を固めたルフトヴァッフェとか!)

そのあたり外伝でも出してくれるかと渇望していたのですが、今月からいきなり新シリーズを出してくれました。やってくれるぜノビー!!


架空戦記ものも新ネタを考えるのが大変でしょうが、いろいろと苦労して設定を練って、それでいてコンスタントに質を保った作品を生み出し続ける横山氏を陰ながら応援していきたいです。

id:rikuzai

ご参加ありがとうございます~


おお!横山さんのキーワード編集はgoldwellさんの仕事だったんですね。すばらしい。

私も見習わなくては…。


二次大戦モノの架空戦記は本当に色々ありますが、

まだこの作品は読んでいなかったので詳細な解説楽しんで読ませていただきました。

先日呉で大和ミュージアムに行ったり、護衛艦の艦内見学いったりして大喜びしているような私には垂涎の内容かも。


しかし世界概況まで行くと十巻単位か、本筋を掘り下げられなかったりしてしまいがちなので、

分量としては限界なのかもしれないですね、戦闘描写も多い方ですし。

(それが楽しみという話も)


新シリーズをもう書き始めてられるのですね。

来年はまた架空戦記にも戻ってみようかな~

2006/12/30 00:45:40
  • id:rikuzai
    ちょっとお題のしばりがシビアすぎたかな…。
    年末ギリギリはしばらくネットオフになりますので、
    29日22時あたりを締切にしたいと思っています。
    書いてみようかな~と思っている方、お待ちしてますのでよろしくお願いします!
  • id:miharaseihyou
    今年は忙しすぎて殆ど本を読めなかった~。積読が増える~。読んだ方で言えば書籍では「県庁の星」と「スカーレットウィザード」のシリーズと「逆説の日本史」の新刊ぐらい。漫画では「PLUTO」と「エロイカより愛をこめて」の新刊と「クロスゲーム」「静かなるドン」ぐらい。積読が増えるのは非常に困る。今、目の前にあるのでも「国立博物館物語」「鉄腕バーディー」「迷宮美術館」「銀河おさわがせドギー」「イベリアの雷鳴(以下のシリーズの中古)」「パタリロ 79巻」などなど。誰か代わりに髭剃ってくれ~。
  • id:goldwell
    久しぶりのいるかです。ご馳走様でした(違
    横山さんのダイアリーキーワードを作ろうと思った頃は、まだウィキペディアも項目が無くて、寂しいなぁと思ったものでして。
    (今はちゃんとありますが)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E5%B1%B1%E4%BF%A1%E7%BE%A9


    内容に関しては、いろいろと突っ込みどころはあるものの、無茶な展開は少なく、見せ場を考えてくれていますし、何よりも一番の美点は決まった発刊の間隔を守って、シリーズを完結させてくれるところにあるでしょうね。
  • id:Beirii
    先日、仕事関係の本を探しに本屋さんの初売りに行ったのですけど目的の本は見つからず、なんとな~く絵本を買ってきました。
    『りんごがひとつ』
    http://www.amazon.co.jp/%E3%82%8A%E3%82%93%E3%81%94%E3%81%8C%E3%81%B2%E3%81%A8%E3%81%A4-%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%A0-%E3%81%99%E3%81%90%E3%82%8B/dp/4265034411

    彼は気に入ったようで、今日は十回以上読みました。
    あと、相変わらず表紙を見て『ん!ん!』と言ってきます。
  • id:rikuzai
    質問登録した年末から、既に新年九日。
    今年もよろしくお願いします。
    年末年始はあまりネットにあがれませんでしたので、
    遅ればせながらコメントレスをば。


    >miharaseihyouさん
    積読は本読みの宿命でもあり、ショートケーキのいちごのようなとっておきでもありますよね。
    PLUTOは特装版が通常版より数日早く出てしまうがために、特装版を買い続けています。(いえ、おまけも欲しいんですが)
    エロイカは復活してからは年に一冊ペースでしょうか。忘れた頃に出るので嬉しいです。
    しかしパタリロをコレクションされているとは…。すばらしい。


    >goldwellさん
    >何よりも一番の美点は決まった発刊の間隔を守って、シリーズを完結させてくれるところにあるでしょうね。

    これはもうシリーズ作家として大美点ですね。
    未完作家の方々には本当に見習っていただきたい…。
    というかシリーズ物に限らず、コンスタントに一定レベルを保って書ける作家さんは、
    それだけでも十分素晴らしいと思います。

    >Beiriiさん
    新しい本もお気に召したようでなによりです!
    先日図書館の児童書コーナーに久しぶりに足を踏み入れて、
    時間を忘れかけました。危険危険。
    でもやはり絵本は楽しいです。

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