を読んだんですがこの後、同じ著者の本を”一冊だけ”読むとしたらどれがおすすめでしょうか?
著者の思想が濃縮されてるのがいいです。
アンチ本格みたいな形式的なことには興味ありません。
回答には、あなたがいままで読んだ浦賀さんの作品の数を必ず付記してください。
初期作品しか読んでいません。が、2作目の『時の鳥籠』をそのまま読むことをオススメします。細かくは以下。
既読の浦賀作品は(記憶違いでなければ)9作、ほぼ刊行順だと思います。『記憶の果て』の登場人物を使ったシリーズ物が初期浦賀の代表的な作品群で、4作目か5作目くらいまでは良かったんですが、どうもどんどん失速して行く感が拭えない、というのが読んだものを俯瞰しての感想。個人的には安藤直樹がもの凄い正確の悪さで探偵役をやっている『とらわれびと』が一番笑えたような気がします。
そこで『とらわれびと』でも、一般に代表作とされている(と思われる)『記号を喰う魔女』でもなく、『時の鳥籠』を薦める理由。浦賀の特徴は、私が見る限りにおいて、次の数点
等の要素を含む、後味の悪い話こそが浦賀作品だと思っていますので(まぁ他の識者が保証でもしてくれないと説得力がないなぁと思いつつも、及び腰で)、『時の鳥籠』をオススメしたいと思います。問題は、これを読むと他の作品も読んでみたくなる(しかしシリーズ作は段々面白くなくなる)、という程度のことではないでしょうか。
……すいません。ネタバレしない限りではこのへんが限界です。あと、上記の要素は『記憶の果て』を思い浮かべながら書いたので必ずしも『時の鳥籠』の内容とは合致しない、ということに(ネタバレを防ぐ意味で)しておきます。
丁寧な回答をどーもどーも
>後味の悪い話こそが浦賀作品だと思っていますので
記憶の果てを読んだときは、著者が語らざるをえないことはなんだったのかと思いながら読んでたので後味悪いのは予想の範囲内で、物足りない感じでしたなー
補足しておくと、私が恐れてるのは、記憶の果てシリーズがすべて第一作の劣化コピーになってるんじゃないかということで、決して理解できない他人の世界っていうテーマはもっとうまく描いてる人がいるし、各世界のつなげ方は美しいなーとは思ったけど無駄な描写がそれを薄めてるし、わざと謎を残しておいて知りたかったら異世界で体験してね、っていうのは営業的にイヤラシーと思うしー(昔読んだコズミック/ジョーカーはトラウマ)
でも向かっていく方向は好きなので、作品単体でみたらこれ以上読もうとは思わないけど、19歳だった著者がどんな変化をしていってるのかなぁということに興味あるのです。