~第一回萌やし賞~

萌えはオーダーメードの時代へ
私、 id:comnnocom を萌やし尽くすような未発表オリジナルの創作小説・イラストを募集します。
テーマは「萌え」モチーフは「夏」。

400字程度の日本語文章、または最大400kbでjpg/gif/png形式の画像を回答で提示してください。画像はリンクで可。
誰かのコピペはポイント0&回答拒否のペナルティ。投稿作品は私のブログへ転載することを予めご了承ください。

私が今までの萌理賞に投稿した作品から comnnocom の萌えをプロファイリングして下さい。
http://q.hatena.ne.jp/1151442461#a560722
http://q.hatena.ne.jp/1154079537#a579027
http://q.hatena.ne.jp/1156507229#a594948

最大の評価基準は「 comnnocom が萌えるかどうか」です。「萌やせば勝ち」です。
最も優れた作品には少なくとも500ptを差し上げます。
その他の詳細はトラックバックの「-N-t-S-d-(http://neo.g.hatena.ne.jp/comnnocom/)」からご覧ください。

※この企画は「萌理賞」および id:sirouto2 さんとは無関係です。私、comnnocom が勝手に行っているものですので、ご意見等ありましたら私までお願いします。

回答の条件
  • 1人1回まで
  • 登録:
  • 終了:2006/09/22 22:11:18
※ 有料アンケート・ポイント付き質問機能は2023年2月28日に終了しました。

回答17件)

id:kumaimizuki No.1

回答回数614ベストアンサー獲得回数31

ポイント200pt

タイトル:二人っきりの肝試し。


「今日も暑いなぁ…」

「じゃあ、涼しくなることしよっか。例えば、肝試しとか!」

「冗談言うなよ。俺が怪談とか苦手なの、知ってるだろ?」

「天気いいし、今夜やろ。ね?」


その日の夜、俺と博美は近所の神社の中を歩いていた。

「孝ってホント怖がりよね。こういう時、普通なら女の子が手を握ってくるもんでしょ?」

「仕方ないだろ。怖いものは怖いんだから」

肝試しと言いつつ、二人で歩いていた。

この方が心強いのだが、それでも俺は恐怖に怯えていた。

そして、神社の前の大木に到着した。

「あ、見て。あの木に何か貼ってあるわよ? 何かしら?」

博美が言うとおり、大木には紙が貼ってあった。

「孝、剥がしてみてよ」

「えっ、俺が!?」

「当たり前じゃない。じゃなきゃ、肝試しにならないでしょ」

俺は歩いて来ただけでも十分肝試しだったよ。と思いつつ、勇気を出して剥がしてみた。

そして、裏返すとこう書かれていた。




『よく頑張ったね。偉いぞ  博美』

と。

(終わり)


==========================================================================================================

(以下、コメント)

萌理賞参加三作品だけ読ませていただき、こんな感じかなぁ。と書いてみました。

受けた印象としては、「愛情の裏返し」や「最初は意地悪い面があるが、最後はかわいい一面が見られる」でしたので。

うまく表現できているか、と同時に、萌えていただけるかというところが不安だったりします。

#何か、無理っぽい気がしますけど(笑)


あと、微妙なこだわりとして、タイトルは10文字、本文はスペース含めて400文字にしてみました。

スペースを除くのなら、4行目の会話を「今日は天気いいし~」という文章にすればいいかな。と思いつつ。

本当なら、最後の『よく頑張ったね。偉いぞ』の後ろにハートマークを入れたかったのですが、文字化け等の恐れがあるのでやめました。

もし、入れるとしたら、ここの部分のスペースを1つ減らして挿入といった形です。

id:comnnocom

それでは締め切りが過ぎたので講評に移ります。


この作品は最初の作品としては驚くほど完成度が高いですね。

最後の一文のためにきちんと練りこまれてるのが分かります。

萌えポイントとしては、もちろん博美の企みなんですけど、博美は一度肝試しの目的地まで紙を張りに行ってるわけです。肝試しを提案してから夜になるまでの間に、紙を用意して、書いて、孝に見つからないように神社の大木まで貼りに行ったんです。きっと。

それは孝に勇気を出して欲しいから。

肝試し中もきちんと大木まで一緒に行かせようと一生懸命だったでしょう。

という博美の健気さ、が最後の一文とともに読者に伝わるわけです。

「最初は意地悪い面があるが、最後はかわいい一面が見られる」というのを伝えようとして、きちんと伝わるように書けてる。素晴らしい。

文字数も規定内です。


ただ一つ気になったのは、地の文。孝の一人称で書かれていますが、内容から読み取れる二人の年齢に比べて幾分老けてるように思えました。もっと子供らしくてもよかったかな。

でもそれだけです。萌えました

2006/09/22 00:14:05
id:nekoprotocol No.2

回答回数9ベストアンサー獲得回数0

ポイント50pt

タイトル:クッキー・ホラー・ショウ

「おーい! こっちこっちー!」

家庭科教室の窓から手を振る姿。聞きなれた声。あいつか。

「こっちくればいいことあるよー!」

でた。お決まりのセリフ。このセリフにつづくのは…

「こないと、あることないこといいふらすよー」

やっぱり。おれは仕方なく教室の窓に向う。あいつは栗色の髪をふたつくくりにして、夏服のうえから黄色いエプロンをしていた。てか、エプロン姿なんて初めてみた。そりゃそうだ。あいつがおばちゃんの料理手伝ってるところなんか見たことないもんな。15年隣に住んでて、ただの一度もない。


「よろこべー! 今日の授業でクッキー作ったのだー!」

頬に白い粉をつけたままニカニカ笑う。のだーって、おまえね。

「はいはい。で、どうしろと?」

「わたしの初手料理を進呈したげよう!」

初、て。そのワリには自信満々な顔を。

「つか、その手、どーした?」

スカートを握りしめ、バンソウコウだらけの指を隠すようにしてる左手を指差す。

「あ。…だってわたしみたいな完璧超人が料理下手とか思われたくないじゃん?」

自分のこと完璧とか言うか? 普通。

「いーから、食べてよ!」

こいつがクッキーと呼ぶそれを皿からつまみあげる。見事なまでの前衛的造形。

「なんのホラー?」

「クッキーは見た目じゃないよ!」

限度がある。

「匂いもなんか変わってるような」

「隠し味にいろいろいれてんの!」

「食品にカテゴライズされてない物質とか?」

「企業秘密!」

企業の秘密に命をかけろと?

「端っこも異様にコゲてるし」

「炭にはデトックス効果があるんだよ?」

ああいえばこういう。

「いーから食べて!」

しょうがない。腹くくるか…

…うっわ。

「…まず…」

あいつの顔がいきなり曇る。えー!? そこで泣きそうな顔するか? …あーもうっ!

「…くはないよ。まずくない。思ったより」

「でしょ! だってわたしが作ったんだもん!」

泣きそうな顔どこいったんだよ。急に目をらんらんと輝かすとかやめろよなー、まったく。そんな顔みたら、もう1個食べてもいいって気分になっちゃうじゃん。

「で、こっちのおっきいのが本命なんだけど…」

前言撤回。何、その物体X。

id:comnnocom

料理下手なヒロイン。定番ですね。

普段見ないエプロン姿。非日常を持ってくる手段です。

会話の掛け合いもさすがのクオリティ。

デトックスとかの屁理屈もいいキャラ付けになってます。

で、このヒロインはなかなかの策士で、物体Xの前に、小手調べをしています。策士だけに、自分が料理下手で、できたものが不味いことは分かってるんですよね。それでも初手料理を食べさせたかった。完璧超人の自分の弱みを見せることになってもあいつならきっと受け止めてくれる。そう信じて食べさせたんです。きっと。

そりゃ不味いって言ったら泣きそうになりますよ。

なんだろう、そういう計算高いところと、負けず嫌いなところが、嫌味なくひとりのキャラに作り上げられている。

ここまでやられたら萌えないわけにはいきません。

残念なのは文字数。手元の集計で868文字。きちんと規定を守っている人のことを考えると、マイナスせざるを得ません。

2006/09/22 00:26:00
id:hatikaduki No.3

回答回数13ベストアンサー獲得回数1

ポイント500pt

『弁当を食われる。』



前の席の飯田は小食の筈なのに今日はえらい勢いだなとは思ってたんだ。そしたら椅子を俺の机に向けてからこう言うのさ。

「それもちょうだい」

バクッ モグッ ゴクンッ

「やっぱ旬の、トマトって最高」

カグッ モギュモギュ

「ア、アスパラの、ベーコン巻きって、王道だよね」

どんどん少なくなる弁当に軽い喪失感を覚えながらも俺は黙っていた。だって飯田は泣きながら飯を食ってたんだぜ。なんて声をかけりゃいいんだよ。

ガツガツガツガツガツガツ

「お、袋の、味が、目にし、しみる・・・」

とうとう飯田は下を向いて黙り込んでしまった。けど食うのはやめなかった。彼女はただただ食った。教室に箸の音だけが響いた。

俺は思ったさ。飯田に何があったかは知らない。きっとよほどの事だろう。だけど彼女は食う事をやめないんだ。泣くほどつらいのにだぜ?

彼女は戦うことをやめない。停滞をよしとしない。それは生命の行く道、絶望を乗り越える意思だ。ヤケ食いは美しい!


やがて箸が止まる。彼女は勝ったんだ。

飯田は箸を置くとにっこりと笑い、言った。


「ごちそうさまでした」



(おしまい)



ところで特に断ってないみたいですけど、これ複数投稿はOKなんですか?

id:comnnocom

これねえ。不思議な作品ですよね。

いわゆる萌え要素がほとんど入ってない。

でも結論から言うと、萌えました。

うん、飯田さんの食べっぷりに負けました。

だって旨そうなんだもの。擬音も完璧です。真夏のトマトっていいですよね。

普段小食な飯田さんの蛮行。一体飯田さんは何と戦っているのか。主人公ならずとも気になって仕方ありません。

しかも彼女は勝った。「ごちそうさまでした」食物に対する最大の賛辞。

おっかしいでしょ? 何があったか知らないけど、人の弁当いきなり食わないでしょ?

そう思った時点で負けなんです。文章上にしかいない彼女から、私は目が離せませんでした。それはすなわち「萌え」なんです。

文字数は手元の集計で452文字。無言を表す「・・・」は「……」(三点リーダー2個)を使うべきです。

大きな問題ではありませんが。

2006/09/22 00:36:36
id:ariadne No.4

回答回数5ベストアンサー獲得回数0

ポイント20pt

『夏休みといえばクーラーの効いた部屋でゲーム一気解き』


「いいの! ただ聞いただけ!」

「遠慮するなって。代わりにプレイしてやるから。俺、そのゲームクリアしてるし」

 夏休みのある日、幼馴染の鈴乃が突然俺の家に電話をかけてきた。どうやらRPGで詰まってるらしい。暇だった俺は鈴乃の家へと直行した。

「おじゃましまーす」鈴乃の家は共働きだ。玄関で靴を脱ぎ、鈴乃の部屋に向かう。「ま、あのボス戦はコツがいるからなぁ」

 鈴乃が部屋の入り口でとおせんぼしていた。

「だっ、だめー!」

「恥ずかしがることないって。女子には難しいんだから」すがりつく鈴乃をずるずると引きずりながら、ゲーム機に触る。「どのセーブデータ? これ?」

 ボスの手前からゲーム再開。

「ちゃんと見とけよ?」

 なぜか鈴乃は画面を見ずに下を向いている。

「主人公とこいつは戦うで、姫は回復魔法で……って……」

 ボス戦が始まり、戦闘画面で気が付いた。主人公の勇者には俺の名前、回復役のお姫様には鈴乃の名前がつけられてることに。

「……だからいいって言ったのにぃ」

 顔を真っ赤にした鈴乃が今にも泣き出しそうな声で言った。ゲームの中ではちょうど姫が勇者に魔法をかけたところだった。画面が白銀色に輝いていた。

(492)

id:comnnocom

「あるある」という感じのネタ。

それを萌えキャラにやらせちゃうアイデアが光ります。

タイトルでモチーフの「夏」をクリア。後半の作品では割と簡単に無視されてたりするので、十分です。

幼馴染なら主人公の性格をよく知ってるはずで、電話したらこうなることは想像できたかも知れません。にもかかわらず電話した。どうしてもその名前のキャラでクリアしたかったんでしょうね。そう考えると萌えてきます。

2006/09/22 00:46:51
id:mizunotori No.5

回答回数37ベストアンサー獲得回数6

ポイント200pt

タイトル:文学的に伝える愛情


夕暮れどきの文芸部室には、今日も二人しかいない。

「告白するよりも、告白される方がいいわよね」

先輩がまたぞろ意味のわからないことを呟いた。

珍しく静かに本を読んでいると思ったら、これだ。

今度は少女小説に影響されたのだろうか。

僕は深い溜息をつく。

と同時にチャイムが鳴った。

時計をみる。午後六時。

それは部活動が終わる合図。

先輩はパタンと本を閉じた。

「今日はなに読んでたんです?」

薄暗がりの中で、僕は本の表紙に目を凝らす。

……先輩の白い手がタイトルを隠していた。

そんな子どもみたいな意地悪をして何が楽しいんだろう。

ちょっと睨むと、先輩はしぶしぶといった様子で手をのけてくれた。

本のタイトルを見る。

「……『あいしてる』?」

先輩はくすりと笑みを漏らした。

「あたしもよ」

id:comnnocom

あー萌えた。

comnnocomの萌え分析という面では、この作品の右に出るものはないでしょう。

先輩強すぎ。

わざとタイトル隠して注目させる様などもうたまらない。

文字数は手元の集計でなんと327文字。こんなに濃ゆいのに! 濃いからこそか。

とにかくさすがですといっておきましょう。

惜しいのは「夏」が感じられなかったところですね。

2006/09/22 01:01:24
id:sasuke8 No.6

回答回数12ベストアンサー獲得回数2

ポイント50pt

『一晩で3センチ』



先輩は昨日、4tトラックに轢かれて死んだ。


僕は、何も考えられず、眠り、

「ちょっと、コラ! 行くわよ」

「あ、え?」

次の日、幽霊の先輩に叩き起こされた。


「あんにゃろ…! 早く出てこい…」

先輩は電柱の陰に隠れ、悪態をついている。足が無い。

「幽霊なのに隠れるんですか?」

「気分よ! 気分!」

紛れもなく先輩だ。


先輩が呟くように言った。

「私さ、殺されたのよ」

「押されたの。悪意と殺意を持って」

息が止まる。


「犯人は必ず現場に舞い戻る。ここで待ってて打ん殴る!」

「犯人の顔は?」

「わかんない」

紛れもなく先輩…、でも僕はやっと目が覚めた。


「ここじゃ、ダメです。聞き込みしましょう。恨みを持つ人は多いはずだし」

「あんた色々失礼なこと言ってるわよ」

「時間がないんだ! 先輩がいつまで幽霊でいられるか!」

自分でも驚くほど大きな声が出た。先輩が少しひるんだ。

自分が泣きそうなのもわかった。僕は先輩に背を向けて歩き出す。


後ろから、先輩の声がした。

「ちょっと、背伸びた?」

もう、伸びたってしょうがないんです。

__

440字くらいあります。「400字程度」を一割はみ出てもOKと解釈しました。すみません。

id:comnnocom

衝撃的な書き出し。

それでも変わらない先輩、でも決定的に変わってしまった先輩。

いつものように接する俺、でも焦る俺。

絞めつけられるようです。

これは、先輩が幽霊であるからこその萌えですね。きちんと伝わってきました。

2006/09/22 00:56:36
id:tophel No.7

回答回数11ベストアンサー獲得回数2

ポイント10pt

 タイトル:【新ジャンル 地獄の黙示録デレ】

 ファーレンハイトが百人いる、少女はそう呟いて庭に出た。酷暑日の昼時、その地獄の中で彼女はビニールプールの設置を少年に命じた。

「ジャンボ尾崎サイズだ」

「ぼくが一人で膨らませるの? 足でふみふみするやつは?」

「口答えするな鼻垂れ! マウストゥー尾崎だ」

 その後買い物に出掛けた彼女のために、二時間格闘し疲れ果て、彼は母なる尾崎の中でまどろんでいた。目覚めた瞬間、そこに帰ってきた戦士がいるとも知らず。

「水が白い……?」

 体が粘ついた。水を舐めた瞬間、口腔の甘さが吹き飛ぶ光景が少年の目に飛び込んできた。

「先に涼んだな?」

 白い沼の中から、スクール水着にハチマキを巻いた少女が顔だけを出し、水銃を構えた。

「ご、ごめんね」

「賠償だ」

「一緒にカレー作ろうよ、ね?」

「交渉決裂」

 練乳アイスの中にロックアイスを詰め込んだタンクが煮え立つ。

「痛いよ!」

「後で舐めてやるから我慢しろ」

「もっとイヤだー!」

 愛情の連鎖は終わらない。

id:comnnocom

「尾崎」吹いた。

「地獄の黙示録デレ」とのことですがデレの部分はどこかなと思って、「後で舐めてやるから我慢しろ」だと気付いた。地獄の黙示録ですもんね、それくらいでも多いくらいですよね。すいません。

すこし400文字で内容が把握しにくかったです。「先に涼んだな」の意味とかがよくつかめませんでした。ダイアリーにあった800字バージョン見てやっと分かりました。

2006/09/22 01:04:04
id:jundas No.8

回答回数19ベストアンサー獲得回数0

ポイント20pt

タイトル『Knockin' on Their Door』



先輩の強烈な右フックを食らい、意識が遠のいていく。


それでもなんとか気を取り直した僕は尻もちをつき、しばらくは猪木アリ状態で粘ったが、

先輩たちとの実力差はいかんともしがたかった。

先輩がジャンプ、白いパンツが見えた!と思ったら顔面を思いっきり踏み付けられ、気がつけば馬乗り状態。

頭、顎、喉、ボディーとまんべんなくパンチを打ち分けられたら、僕は頭を抱えて丸くなるしかない。

あとは自分の「ぐっ」「がっ」という呻き声と先輩たちの罵声、嬌声、そしてセミの声が耳に響くだけだった。



気がつくと僕は布団に寝かされていた。傍らにいるのは梢だろう。手当てをしてくれたのも。

僕は横になっていて横に梢が座っているので首を右に向けるとスカートの奥に梢のパンツが見える。当然白。

梢は泣きながらごめんねごめんねごめんねと言っているので僕はいいよいいよいいよと言って

なんとか上半身を起こして泣いている梢の頭を撫でてやる。


横になっていても脇腹が痛い。おそらくアバラが折れているだろう。梢に痛み止めをもらう。

でも、これは僕が選んだことだからしょうがないのだ。僕は梢と、先輩たちと生きていく。

これからもこういうことばかりかもしれないけど、ずっと一緒にいたいと思う。


痛み止めで痛みはだいぶ楽になり、うとうとしていると、ふと右の頬に冷たいけどやわらかい、くちびるの感触。

僕は考える。今、僕にキスしているのは誰だろう?梢?先輩?それとも二郎?悠仁?

二郎はさっき僕のアバラを折ったのをたぶん反省してるだろうから

しばらくは出てこないだろうし(それに二郎は男だ)、悠仁はまだ生まれたばかりだ。

意外とこういうことをするのは梢じゃなくて先輩なんだよな、とか考えていると、また意識が遠のいていく。


(終)


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 自分の萌えもよくわからないのに他人の萌えがわかるのか、という問題から目を背けて書きました。つーか書けば官軍ですよね。拙作については、上のほうの作品を読んでいて案外真っ当な作品が多いなと感じたので、「comnnocom、うしろー!うしろー!(敬称略)」的な作品を投稿しよう、もっと正直に書くとビーンボールを投げてやろうと思っていたのですが、いざ書いてみたら普通にいい話を書いていました。そんな自分の良心に軽く震えています。


 大きくオーバしてしまった文字数(700文字ぐらい)については、「べ、別にネコプロトコルの中の人も(うっかりだけど)大幅オーバしてるしいいやとか思ったんじゃないからね!あえて無視する姿勢なんだから!」ということで。長文失礼しました。

id:comnnocom

要素が多すぎてやや散漫な印象を受けます。結局何に萌えればいいんでしょうか。パンツでしょうか。いや、先輩なんでしょうけど。

ん? いま気付いたんですけど。これ、多重人格ネタですか。ああそうかそう考えると辻褄が合いますね、パンツの色とか。読みが浅かったです。すいません。

生まれたばかりの悠人とか、「思いついたから入れました」的なところは、創作姿勢としては好きなのですが、萌えるかどうかとはまた別の問題です。

多重人格というのはいわば究極のツンデレかもしれませんが、ツンデレだから萌えるわけではありません。

2006/09/22 01:15:41
id:wonder88 No.9

回答回数3ベストアンサー獲得回数1

ポイント20pt

『一発、一発、先輩と僕との思い出に、鋼鉄の銃弾を。』



お前にはきついかも知れないな、と同僚は言う。しかし、人手が足りてないし、今回ばかりは、むしろ、僕じゃなければ。


「大丈夫、仕事に情を持ち込むな。先輩の口癖だったろ」


休日返上で現場に向かう僕は、いつも以上にアドレナリンが脳を駆け巡り、心拍が上昇しているのを感じる。それは何も、命のやり取りという緊迫感のせいだけではない。


「良く知っているとは思うが……」

と、配られる写真には、二十代後半の少し気が強そうだが、美しい女性が写っている。でも僕は知っていた、彼女の気の強さが建前だということを。それに、見かけによらず、山登りを趣味としていたことも、照れたときには首をかしげて笑うことも、いつも飼い猫を抱きながら眠っていることも、全部、知っていた。


先輩が失踪したのは先月の話だ。それが突然姿を現したと思えば、同僚三人をミンチにし、二人の社会生活にクリティカルなダメージを与えた。それが今晩、非番だった僕を呼び出す理由になった。


僕はあらゆる場所を探した。ほかの誰よりも先に見つけるつもりだった。


そして、山の中で彼女と、ボロ雑巾になった同僚の姿を見つける。


ああ、完璧にシミュレートしているな、と思う。その山は先輩がよく休日に登っていた、僕と一緒に登った山だった。


「ああ、君か、久しぶりだね」


口の端に笑みを浮かべて、先輩の声と仕草だった。完璧だった。


僕は仲間に連絡を入れ、それから、ゆっくり照準を合わせ、先輩に、先輩の姿をした何かに向かって、引き金を引く。


一発、山道の起伏をものともしない、美しい足が、崩れる。


――先輩命令よ、次の休みは山、一緒に登るからね!


二発、薬指に光るリングごと、左手が吹き飛ぶ。


――嬉しい……モノが嬉しいというより、付随する気持ちがね。


三発、柔らかい胸に、穴が開く。


――私、こういうの、その、初めてなんだけど……


一発、一発、先輩と僕との思い出に、鋼鉄の銃弾を。


「私は、ただ、もう一度、あなたに会いに……」


潤んだ瞳を月が照らす。完璧だった。


彼女の動きよりも早く、心が揺れるよりも早く、頭をうち抜く。


頭蓋が砕けても、動きを止めても、なお、それは先輩の面影を残し続けていた。


自分の行いが正しいのかどうかもわからない、考えたくもない、ただ、仕事に情を持ち込まなかった、それだけだった。僕は。


目標の活動を完全に停止させた旨を、仲間に連絡する。


僕は、先輩の形をしていた何かに近づき、指輪を拾って、そっと小指にはめる。


それから、仲間が先輩の形をしていた何かと同僚のミンチを回収に来るまで、少し空を見上げる。今夜は満月のはずなのに、僕の目には歪んだ月しか映らなかった。

 

id:comnnocom

いい話です。

しかし、この話に出てくる「先輩もどき」に萌えることはできません。上の方で先輩が幽霊になった話がありましたが、その場合幽霊であっても先輩は先輩でした。この作品ではもはや先輩は存在しません。そこから先輩のキャラを読み取るのは難しいです。

先輩が先輩の形をした何かになり、その面影を自分の手で打ち砕かなければならないというシチュエーションは、確かに心を揺り動かすのですが、それを萌えと呼べるかといわれると、ノーとしか答えられません。

萌やし賞でなければ、もっと高評価だとは思います。

2006/09/22 21:04:05
id:objectO No.10

回答回数8ベストアンサー獲得回数0

ポイント10pt

そこから先はあなたの人生の物語


「煙草?」

「ああ、最近ね。見つからないようにはしてるよ」

「チャイナドレス、似合うのな」

「好きでやってるんじゃねぇ」

「なあ、本当に俺でよかったのか?」

「あいつが選んだんだから、そうなんだろ」

「でも、お前とのほうが仲良かっ……痛てっ」

「どうでもいいだろ。彼女が呼んでるぞ」


駆け出すのを見送って煙草を消す。借り物のウェディングドレスを着た彼女に長身のヤツは、まあよく似合う。その長身をかがめて何か話してる。読唇術は知らないけど内容はわかる。


『ホントニ俺デ』


あ、殴った。花嫁がグーだ。彼女もこっちで何を話していたのか悟ったのだろう。僕に手を合わせて謝ってる。いいからさっさと行けと手振りで追いやる。


僕が彼女と盛り上がっていた話の内容をヤツが知ることは無いだろう。


むしゃくしゃしたので灰皿代わりの空き缶を思いっきり蹴飛ばしてみた。高く高く飛んであいつの頭に。いい音がした。きょろきょろするヤツを尻目に花嫁がこっちに向かって親指を立てた。


よし、休憩終わり。女装喫茶いってくるか。

――――――――――――――

字数オーバーです

id:comnnocom

大変お待たせいたしました。再開します。


さて、この作品、ちょっと作者の意図を読めているか不安なのですが。

主人公の「僕」は女装した男性ということでよろしいですか。

で、冒頭の会話は「僕」と「ヤツ」の会話で「ヤツ」も男性ですよね。そしてウェディングドレスの「彼女」は女性ですよね。

という解釈で読むと、実に普通の会話というか、少し切ない「いい話」ですよね。

「僕」が女装していること以外は。

結局作者の意図は「男に萌えさせる」ことだと思うのですが、成功しているとは言えません。自分でハードルを高くしといて、ハードルを置いただけで満足しているように思えます。

飛び越えて見せるという気概が感じられないんです。

読み違えていたらスイマセン。

2006/09/22 19:53:16
id:xx-internet No.11

回答回数9ベストアンサー獲得回数1

ポイント20pt

『あなてまメンテナンス』

そしてまた、わたしと徹は惨劇の館を訪れた。

館の扉の前で、わたしはひそかに徹を盗み見る。少しぼんやりしていて、ちょっと抜けていて、優柔不断で、でもときどき勇敢な、わたしの友達以上。

彼とわたしは決して結ばれない。だって、結ばれたら"かまいたちの夜"は終わってしまうから。物語の再生は止まってしまうから。それが嫌だったから、わたしは徹の推理を否定し、殺人鬼が徘徊する廊下に飛び出し、時には徹をこの手にかけた。幾通りものバッドエンディングを越えて、幾千もの選択肢を越えて、僅かに徹に近づけるグッドエンディングを心から望みながら、それでも終わってしまうのだけは嫌で……。

わたしの想いが語られる事は決してない。そんなシナリオは用意されていない。だから、これは本来あってはならない言葉。いずれデバッグされ削り取られ、誰にも読まれず消えてゆく言葉。

「真理?」

「徹……。大

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タイトル含め 800byte です。なぜか二次創作が禁止されていなかったので書きました。

id:comnnocom

あれ、『かまいたちの夜』って真理が犯人ですよね?

というのは冗談ですが。

二次創作ですが二次創作であることは別に構いません。いちおう、「オリジナルの」って書いてはいますけどね。

さて、二次創作の威力は読者が元ネタをよく知っているときにこそ発揮されますが、comnnocomに対して『かまいたち』は適切な選択だったでしょうか。私の記憶が確かならば、comnnocomが『かまいたち』をプレイしたと書いたのは一回だけ、しかもはてブコメントにおいてだけです。

http://b.hatena.ne.jp/comnnocom/?word=%E3%81%8B%E3%81%BE%E3%81%8...

これを探し当てた、もしくは覚えていたのならば、さすがです。しかし、私は『かまいたち』を1しかやってません。しかも、一回グッドエンドを見た程度です。ピンクのしおりとかはもう未知の世界です。そんな前提での評価となります。


よくできた話ですね。上手いです。

切ない話です。この話をこの文字数でやれるのは二次創作ならではだと思います。真理の本当の気持ちを騙り上げる手法には唸らされました。

ところで「夏」はどこでしょう。

萌えましたよ。

2006/09/22 20:57:22
id:hanhans No.12

回答回数11ベストアンサー獲得回数0

ポイント10pt

題「時にはミザリのように」

 今日も私は先輩の検体だった。

「足がーっ!?」

「大丈夫よ! 今私の脳内でヤンマーニがなってるから、なんともないの~」

「なんですかそれっ!」

「地軸がロケット噴射のせいで、3度ほどこちらと違う多重世界の流行曲なの~。かかると無敵になるのよ~」

 意味がわからない。いつものことだけど、今日はひどい!

 もう、怒った。

「先輩! ちょっとこっちにきてくれませんか?」

「え。なに? 蹴らない?」

「蹴れなくしといて何言ってんですか。蹴りませんよ」

「じゅあ、チュウ、とか。ギャー!」

「叫んでないで早く来い」

「もう照れちゃって~。はい、来たわよ?」

「隙あり」

 手にした符を先輩に貼り付ける。瞬時にお互いのステータスが入れ替わり、私の足は元に戻る。

「ギャー?!」

「備えあれば憂いなし」

「も、元に戻して~!」

「今、無敵なんでしょ?」

 吐き捨てるように言うと、私は部屋を出る。扉を閉めて、そこで待つ。

 先輩が泣くまで、止めない。

id:comnnocom

ついついヤンマーニをググってしまった。

hanhansさんの文章にいつも触れている人にとって、この先輩と後輩コンビはもはやおなじみなわけで、comnnocom を萌やす手段としては妥当でしょう。

普段強い先輩に仕返しするのはいい感じですが、この先輩は結局いつも失敗してるのであんまり意外性はないかな。

あと、この先輩はいい意味でも悪い意味でも一貫してるので、面白味がない気もします。

「気付いたら磔だった」のやつが一番好きです。

2006/09/22 20:17:29
id:vancat No.13

回答回数11ベストアンサー獲得回数0

ポイント10pt

『きぃ姉ぇ』


U-Q


蒸し暑くて壊れてまいそう


U-Q


でもあんたのその指にそっとなぞられるだけでがんばれるんや


U-Q


いつからなんかうちにもわからん


U-Q


でもいつも見つめてくれるあんたを


U-Q


いつも触れてくれるあんたのことを


U-Q


いつの間にか


U-Q


もっとうちをみて!!!




†††

もはや萌えとか関係無しに、ただやりたかっただけです。本当にありがとうございました。

id:comnnocom

「ただやりたかっただけ」ですか。ならば投稿した段階で目的は達成されているということで、講評も要りませんか?

というのは意地悪なので、いくつか。

単純に意味が分からない。「U-Q」に意味があるんでしょうけど、手掛かりがないので考えるのは無理です。U = You なのかとも思いましたが、そこまでです。

おそらく喋ってるのが「きぃ姉え」なんでしょうが、台詞を置いとくだけで萌えません。あなたがこの台詞で萌えるのならば、なぜ萌えるのかをもっと伝えて欲しかったです。

2006/09/22 20:24:22
id:runan1242 No.14

回答回数1ベストアンサー獲得回数0

ポイント20pt

『どうでもいい話』


放課後、ウチのクラスに来ては僕に話しかけてくる先輩。

なんでか最近、いつもこういう調子だ。


「ねえ、どうでもいいんだけどさ。」

「はぁ。」

頬杖をつきながら話しかけてくるのに何となく応対する。

「紺野くんは海行ったりするの?」

「ええ、去年は友達と近場に行きましたけど。」

「ふーん、あんなとこ行くんだ……。」

「…どういう意味ですか?」

「そのまんまの意味よ。海なんて楽しいのかねぇ。」

窓のずうっと遠くを見ながらそう言う。

「僕に嫌味を言うためにこの教室に来てるんですか先輩は……。」

「そうよ?嫌だったら無視して帰ればいいのに。何で一緒に話してんの?」

「あ、いや、それは……。」


「ま、いいわ。」

そう言うと鞄を持って立ち上がり、ドアのほうへ歩いていく。

「明日、10時に駅前集合。よろしくね。」

「えっ明日まだ金曜日ですよ!?」

「別に、来ないんだったらいいわよ。一人で行くけど。海。」

そう言うといつものように教室を後にした。


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あんまりトリッキーなことが出来ない人なので普通の萌えっぽい短文@400文字です。

お口に合いますかしら…。

id:comnnocom

きっと先輩にとっては「どうでもいい話」ではないんでしょうね。

なんともつかみどころのない先輩で、毎日どうでもいい話をするために「僕」のところへ。

きっと海へ行く話をするためだったんでしょう。ああ、そんな風に想像してたら萌えて来た。

「萌え」で「夏」で400文字。

この終盤の流れの中ではほんとに貴重です。

2006/09/22 20:35:50
id:sfll No.15

回答回数1ベストアンサー獲得回数0

ポイント50pt

因殺クエスチョン

さんさんと輝く太陽。鉄棒の錆びと焼けるグラウンドのにおい。

「ちょちょちょっと、ちょっとちょっと。ななななんですか?」

肩まですっぽり土に埋まる俺と。

「ごめんなさい。これから殺します」

ヘルメットをかぶった彼女 on the ロードローラー。誰だ。こんな備品、学校に置いたの。

「ええええ?な、なんで?」

「あなたが好きだから」

コントローラーを操作。動き出すロードローラー。

「まってー!話し合いましょう!おれたちが分かりあえるかは、やってみなくちゃ分からない!」

「でも止め方分かんない」

レバガチャ。こころなし速度が増したような。

「さあ観念して」

「できるかっ!なぜ好きだったら殺すんですかっ!?」

ぴたり。と時が止まった。ブレーキ見つかったらしい。

「……だって、好きすぎて苦しい」

「だからって殺すのは……ほら、論理的じゃない。構文エラーでますよ!」

「わかんない。あたし文系だから」

「じゃあ!」

「じゃあ?」

「死んでも忘れてあげません」

「え?それ告白?」

「はい。まあ」

「やだー。早く言ってよー」

ロードローラーを降りて、頬を手で包まれた。ハンドソープともうひとつ甘いにおい。

「埋まったままじゃキスしづらいですから。掘り出してからにしてください先生」

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514文字。これ以上削れませんでした。

id:comnnocom

せんせー!

殺すだけならもっともっと楽な方法がいくらでもあるのに。なにが「on the ロードローラー」だ。

どこまでも迷惑な先生ですね。片思いなら殺すしかなくて、両思いなら先生と生徒という関係は問題ないという基準。

「文系だから」なんて理由でこんな行動許されていいものですか!


萌えました。

2006/09/22 20:41:11
id:y2k000 No.16

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ポイント20pt

「子供たちの時間」

 森の中で、そいつを見つけたのはナツだった。変わったモノを見つけるのは、いつでも彼女の仕業だった。

 そいつは、崖の下の浅い洞窟にうずくまっていた。じくじくと輝く文様が亀裂のように全身に走っていて、明らかに弱っている様子だった。見つけたとき、ナツは小さな悲鳴をあげてオレの背後に回ると、不安なときはいつもそうするように、オレのシャツの裾をちょこんとつまんだ。

 そいつもまたオレたちを見て驚いたのか、しばらく全身を強く発光させていたが、やがてオレたちに害意がないことを理解すると、再び弱弱しく点滅を繰り返して、伏せた体を転じ、手か口らしきものを洞窟の奥に向けた。奥でわずかに水が滴っている音を聞いた。

 どうやら水が欲しそうだったので、オレはおずおずと近づいて、首にぶらさげた水筒を開けて、スポーツドリンクをそいつの身体にすこし注いでやった。すると、文様が最初は小さく、やがてゆっくりと輝いた。何かを口にしようとするが、声にならない、そんな感じだとオレは思った。

 それから、オレは水筒をそいつの近くに置いてやると、ナツの手をとって、急ぎ足で森から出て行った。

 次の日、改めて洞窟に足を運ぶと、そいつはいなくなっていた。水筒は空になっていた。

 あれは一体、何だったのか? と、今でもナツに話すことがある。そんなとき、彼女はオレの手を握ると、「いいえ、なんでもなかったのよ」と曖昧に微笑み首を振るのだった。


------------------------------------------------

 字数オーバーはなはだしいですが、笑納していただければ幸いです。だって、思いついちゃったんだから、しょうがないんだよ!!

 季語は「スポーツドリンク」です。

id:comnnocom

こ、これは、誰に萌えればいいんだ?

第一候補は「そいつ」ですか。描写の分量からみると、それが一番楽そうです。ところがあまりにも知覚の外の存在なので、難しい。

ナツについては、あまり多くが語られてませんが、ナツだけは「そいつ」の意思を感じ取っていたというのが妥当でしょうか。

ダブルヒロインシステム、贅沢ですね!

2006/09/22 20:49:45
id:bachihebi No.17

回答回数6ベストアンサー獲得回数0

ポイント50pt

『秘球斉藤1号』



2点差で迎えた9回裏、斉藤先輩は逆転3ランを浴びて、夏が終わった。

先輩の悔しさはスタンドにも痛いほど伝わってきたけど、かける言葉は見つからなかった。


その晩先輩に呼び出された。

「決め球は、あるんだ」

真剣な眼差し。

本人としては不本意らしいけど「王子」なんて呼ばれているその端正な顔をまっすぐ向けられて、鼓動が速くなる。

「使わなかったんですか?」

「まあ、ひとつ受けてみて欲しい」

「望むところです」

先輩は嬉しそうに振りかぶった。


凄い球だった。

これを打てる選手は関東でも5人といないだろうが、これを捌ける捕手も部内にはいないだろう。

自分が試合に出るわけにいかないのが何とも歯がゆい。

「これは……凄いですね」

「そうでしょう?」

先輩は満足そうに微笑んだあと、溜息を吐いて本当に残念そうに言った。

「君になら思いっきりいけるのに。ああ、君が女子だったらなあ」

他に受けられる者が現れないことを、僕は切に願ってしまった。


W高校女子野球部。

全国への道は、まだ遠い。


------

先輩ものが多いので避けようかとも思いましたが、むしろここは先輩指数を上げる方向で行くべきと思ったので書きました。

押し寄せる先輩どもをちぎっては投げちぎっては投げするcomnnocomさん萌え。

いつしか先輩とcomnnocomさんの境界は曖昧になり、やがて目覚める大いなる萌え。

「わかる……わかるぞ、萌えのすべてが。そうか、こんなに簡単なことだったんだ」

「ウオオオオ」

こうして第一回萌やし賞は後の世に「先輩インヘルノ」と称され、語り継がれることとなりますがそれは別のお話。


すいません調子に乗りました。

id:comnnocom

これねえ、萌やし賞じゃないところで読んだらもっと楽しめたかもと、残念です。

もしそうであれば、斉藤先輩を男と思わせる部分がもっと強く働いたかなと思います。

萌えをテーマにする話だと最初に分かっているので、どうしても女性キャラを思い浮かべてしまうんですよ。上手いのでなおさら悔しい。

先輩の凛としたキャラ造形も良いです。

文字数も問題ない範囲です。

萌えました。

2006/09/22 20:55:03
  • id:comnnocom
    すみません。
    締め切りを決めてませんでしたので、ここで発表します。
    20人を満たす満たさないに関わりなく、9月21日いっぱいでこの質問を終了し、講評、結果発表に移ります。
    よろしくおねがします。
  • id:hanhans
    書き忘れたのでこっちに書きますが、sirouto2さんが保守整備に入ったのを狙った反抗なんでしょうか。
  • id:comnnocom
    >hanhans
    偶然です。ちょう偶然です。驚いたのはこっちです。といっとく。(最近お気に入り結語)
  • id:comnnocom
    みなさんお疲れ様でした、ありがとうございました。
    結果発表したのでご覧ください。
    http://neo.g.hatena.ne.jp/comnnocom/20060922/p1

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