「講道館以外の柔道」という定義が難しいのですが、たとえば高専柔道ともよばれる「七大柔道」があります。京大や北大の柔道部で今も行われています。
ここでは寝技の時間制限や「マテ」が無く。またたとえば自分からいきなり寝転ぶ、引き込んでの寝技や、自分だけがっしり亀になって何もしないというのも可能なのです。(引き分けになる)
そのため、技術体系もだいぶ違います。
http://www.paraestra.com/archive.html
また有名なブラジルのグレイシー柔術も、もともとブラジルに伝えたのが本格的な講道館の猛者、前田光世ですから
「グレイシー柔術(ブラジリアン柔術)は講道館以外の柔道である」という命題もまあ偽とはいえないのでは。
http://www.judo.or.jp/02about/touroku.html
全日本柔道連盟と講道館は、イコールではありません。
講道館は「財団法人講道館」と称する別個の法人です。
ただし、登録規程第9条において、
2 前項の定めにかかわらず、特別会員登録をしようとする法人、その他の団体、本連盟の役員及び職員並びに財団法人講道館の役員及び職員及び、本連盟の理事会が承認した者は、直接本連盟に申請することができる。
と定め、「特別会員登録」に関してのみ、
講道館の役員及び職員に特例を認めています。
講道館以外の柔道については、基本的に柔道というものを
嘉納治五郎師範によって創始された柔道
(全柔連寄付行為第3条)
と定義する限り、この流れを汲まないものを「柔道」とは呼びません。
ただ、全ての柔道家や柔道団体が組織的に講道館の傘下に入る義務はなく、
ただ大会参加などの必要性から、
「嘉納治五郎師範によって創始された柔道」を普及しようとする
全柔連や学柔連に加盟する必要があるというだけです。
柔道家・柔道コーチは全員全柔連に所属しているかについては、
学生柔道の場合は多くが「学柔連」所属になります。
とまあ、タテマエとしてはこういうことになりますが、
とにかく嘉納治五郎先生を祖とする武道が「柔道」なわけですから、
当然講道館がその総本山であることは間違いなく、
柔道界を学校にたとえれば、
といった位置づけになってきますよね。
したがって、講道館と柔道界全体はけっしてイコールではないが、
柔道界全体が講道館柔道を学ぶ世界であるということだけは確かです。
現在は柔道を称しているところは全柔連に加盟している、加盟した形になっていると思います。段位も講道館以外は出してないのではないでしょうか?
しかし、戦前は異なり、講道館が覇権を確立する前には、講道館以外の柔道もありました。それは京都に武徳会という官製の団体が設立されて、ここの武専柔道部門には講道館以外の柔術各派出身の人が多く所属していたからです。だから、講道館ではなく武徳会の発行する柔道五段というものもありました。
現在旧帝国大学を中心に受け継がれている高専柔道も元は講道館ではない柔術の流れをくんでいます。だから、講道館はこれを禁止しようとさえしました。
しかし、武徳会は戦後GHQによって解体されたので、いまはありません。よって講道館以外の柔道段位もいまはないことになります。ただし国外は別のようです。
最近出版された本ですが、前半がこの柔道の歴史を扱っています。
ありがとうございます。
全柔連に登録しないと、主催の大会や、昇段もできないのでしょうか…?プロになって登録抹消されるまでみんな登録者でしょうか…?