『王妃マリー・アントワネット』です。
悪女だとか、いろいろな言われ方をしていますが(実害もありますが!)・・・王妃なりの苦悩、若くして嫁いだ苦労などもあったのではないか、と、この小説を読んで別の側面から見るようになりました。
遠藤周作さんならではの切り口だからかもしれません。
『マリー・アントワネットとマリア・テレジア秘密の往復書簡』
お母様は、とても立派な方だったのでは、と思います。
>「あなたを待っているのは途方もない不幸だけだと、私は今から断言できます」。娘の輿入れから自らの死の間際まで、母マリア・テレジアは天真爛漫な娘を諭し続けた。秘密裡に交わされた往復書簡でたどる激動の11年。
URLは、ほか一覧です。
http://item.rakuten.co.jp/book/267087/
楽天ブックス|黒衣の女 - スザン・ヒル : 本
『黒衣の女』
ナポレオンを背景にした歴史小説です。
上記の紹介では入手不可ですが、下記のアドレスでは可能です。
哲学書生風の求道的な青年が、その生まれゆえに大ローマ帝国に名を残す将軍にも副帝にも登ってゆき、そして最後は…
「政治」ができない青二才、そんな純粋な彼がすばらしい戦略を発揮したり、理想をどこまでも追求したり、美しい方と危ない恋に落ちたり、謀略に巻き込まれたり、波乱万丈なのですが同時に叙情的、どこか思想的な素晴らしい歴史小説になっています。最後のページは、字面を見ながら涙することになるはず。
いずれも岩波文庫におさめられている古典ですので、すでにご存知かも知れませんが、私自身が青春時代に読んで印象に残っている作品ですので紹介します。ノンフィクションも含まれていますが、個人ではなく大衆=市井の人々を主人公にして描いた一級の歴史的ロマンとして愉しめると思います。
■「モーパッサン短編選」
著者モーパッサンは1870年の普仏戦争に20才で従軍。生の悲惨さを身をもって体験。その体験を元に描いた「脂肪の塊」で文壇にデビューした。長編「女の一生」が有名であるが、19世紀フランス文学を代表する短編の名手である。表題作は、生涯に著した300編を超える短編から15編を厳選して収録したもの。19世紀後半の動乱期に生きた庶民が平凡な日常の中で思いがけない劇的体験=悲劇にであう物語が多い。たとえば、選中の「二人の友」では、パリ・コミューンの最中、連れだって釣りに出かけた中年の男達が出逢う悲劇をハードボイルドに描写している。
岩波書店・岩波文庫
・「モーパッサン短編選」630円
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/qsearch
または
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4003255135.html
■大佛次郎「パリ燃ゆ」
同じく、1870年の普仏戦争とパリ・コンミューンをテーマにして描いた歴史ロマン。「鞍馬天狗」シリーズの著者として知られる大佛次郎が、世界初の労働者自治=パリ・コミューンの誕生から、共和制ヴェルサイユ軍による大弾圧により、わずか72日で大団円を迎えるまでをルポ形式で叙述した長編小説。
デジタルパブリッシングサービス;朝日選書
・「パリ燃ゆ」(1~4;全4冊)各3119円
http://www.d-pub.co.jp/cgi-bin/bannou/shop/bookdetail_id.cgi?boo...
著者・大佛次郎は、小林秀雄等と並んで鎌倉文化人を代表するひとり。本名・野尻清彦、長兄は天文学者・野尻抱影。歴史をテーマにした著作としては他に「天皇の世紀」「ドレフュス事件」等がある。日本とフランスという舞台の違いはあるが、いずれも19世紀後半の革命を背景にした人間ドラマをテーマにしている。
岩田豊男の別名で「帰郷」という「純文学」作品も著している。
■トロツキー「わが生涯」
著者レオン・トロツキーは1917年ロシア革命の指導者として活躍したが、亡命先の南米でスターリンに暗殺された。小説ではなく自伝であるが、10月革命が勃発し、流刑先のシベリアからモスクワに帰還する道中の支援者達とのエピソード等、歴史的な転回点でありながらトリビアルなできごとの積み重ねでもある、革命の日々が当事者の視点から生き生きと描かれており、歴史的ロマンを感じさせる著作。
岩波書店 岩波文庫(全2冊)定価1155円×2
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/34/6/341279+.html#SERIES
■ジョン・リード「世界を揺るがした十日間」
同じく、1917年10月のロシア革命を、アメリカ人ジャーナリストが第三者の視点から描いた古典的ルポルタージュ。革命評議会会場にトロツキーが入場しようとするが、門衛の若い兵士に身分証をだせといわれて困惑するエピソードなどが面白い。ウォーレン・ビーティ監督・主演の映画「Redsレッズ」は、作者ジョン・リードの生涯を描いている。上・下2冊のうち、残念ながら上巻は品切れ。下巻も在庫僅少。
岩波書店 岩波文庫(全2冊)
・世界をゆるがした十日間 上/品切重版未定
・世界をゆるがした十日間 下/定価 588円(在庫僅少)
http://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/qsearch
作者ジョン・リードのプロフィールは下記
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%B...
先ほどの回答を、訂正します。
「大佛次郎」が「岩田豊男」の別名で「帰郷」という作品を著していると記しましたが、誤りです。
大衆小説の人気作家でありながら、「岩田豊雄」のペンネームで「純文学」的な作品も著しているのは、獅子文六です。
筆名も「岩田豊男」ではなく「岩田豊雄」です。失礼しました。
コメント(0件)