ここでの“マイナー”とはあくまでミステリ界において、とお考え下さい。一般的にはマイナーでも、ミステリ界においては有名という作家は対象外です。以前はそれなりに人気があったが、今は忘れ去られている、というのでもOKです。とにかくガイドブック等でもあまり言及されないような傑作を知りたいです。
ハードボイルドはあまり好みではありません。本格物が好きです。ミステリ要素がある程度あれば、SF等他ジャンルでもOKです。
絶版でも全く構いません。
参考までに、私が読んで傑作!と思ったマイナー作家の傑作ミステリを挙げておきます。
ジェームズ・アンダースン『証拠が問題』、ピーター・アントニイ『衣装戸棚の女』、ピエール・シニアック『ウサギ料理は殺しの味』、トマス・フラナガン『アデスタを吹く冷たい風』。
ではよろしくお願い致します。
「日曜日は埋葬しない」
日仏会館のヌーヴェルヴァーグ特集の映画(映画の題名は「日曜日には埋葬しない」)で見て知って、原作がハヤカワのポケミス(#643です!)に入っているのを知って、必死の覚悟で古本屋で探したら、チョー簡単イッパツ見つかりでした。絶版なので、美犬わんわん、はありませんわん。(ここんとモノマネ大将)
http://mlibrary.hp.infoseek.co.jp/foreign/kassak.htm
これはホントに掛け値なしの知られざる大傑作です!
http://blog.goo.ne.jp/take_14/e/1eeb2109fc55926e3326e9359c651bfd
はてな「マイナー作家が書いたミステリの傑作は?」 - 猫は勘定にいれません
ジェームズ・ヒルトンの「学校の殺人」(絶版)。ヒルトンは「チップス先生さようなら」などで知られる文学畑の人ですが、彼がマイナーな時代に書いたのがこの作品。珍品と言ってよいのではないでしょうか。オーソドックスな犯人当てですが、構成もしっかりしていて読み応えがあり、ラストの意外性もあります。
リチャード・ニーリィの「殺人症候群」。内気で引っ込み思案の青年と生来積極的な青年。内気な青年が女性によってプライドをずたずたにされたとき、親友のため残虐な復讐鬼に変貌する男。殺人鬼の異常な心理の変遷を描いたサイコものです(もちろん本格としてのネタもあります)。ニーリィがマイナーかどうかちょっと自信がなかったりしますが…。
ブリジット・オベールの「マーチ博士の四人の息子」。オベールはミステリとしてはあまり話題になっていないと思いますがどうでしょう?四人の息子のうち一人が殺人鬼という状況で、メイドの女性が犯人を突き止めるため奮闘します。日記形式をとっていたり、各章タイトルにも工夫があってトリッキーな作品。大変面白いです。
3つも挙げて頂き、有難うございます。
ジェームズ・ヒルトンは名前さえ知りませんでした(『チップス先生〜』は聞いたことがありますが……)。ブログを拝見しましたが、探偵役がいい感じですね(笑)。探して読んでみます。
ニーリィは『心ひき裂かれて』を以前読みました。『殺人症候群』も聞いたことはありますが、未読でした。サイコものもどちらかというと苦手なのですが、本格ネタに期待して読んでみます。
『マーチ博士〜』は読みました。確かにこれは面白かったです。すっかり騙されてしまい、読了後、何で気付かなかったんだー!と思ったものです。その後読んだ『死の仕立屋』は最悪でしたが……。それ以来オベールは読んでいません(笑)。
ご回答どうも有難うございました。
両方とも国際金融サスペンスです。金融のプロが読んでも勉強になるディテールと、素人が読んでも面白いストーリーを兼ね備えています。
アマゾンのデータベースより
「無法投機」
米連邦準備制度理事会(FRB)前議長のチャールズ・ブラックは、国際会議出席のためスイスに到着するや突然、逮捕された。容疑は身に覚えのないインサイダー取引。罪が確定すれば、重労働30年の刑に相当する!顧問弁護士、合衆国政府の助けも得られず、絶対絶命となったブラック。果して、彼をはめたのは誰なのか―?国際金融の裏を知り尽くした男の筆になる痛快サスペンス。
「匿名口座」
暴かれたプライベート・バンキングの恐るべき実態!!
全米ベストセラーの超大型サスペンス、スイス銀行界のインサイダーが明かす、国際金融界の衝撃の内幕!!
毎週月曜と木曜、午後3時にスイスの巨大銀行USBの電話が鳴る。声の主は麻薬密輸王、目的はマネーローンダリング。USBに勤務していた父の死の謎を追う行員ニックは、その男の匿名口座を父が管理していたことを知る。──プライベート・バンキングとスイス銀行界の暗部を抉る国際金融情報小説の傑作!
き、金融サスペンスですか……。サスペンスものは時々読みますが、金融絡みのものは未知の領域です。この機会に挑戦してみようと思います。
ご回答、どうも有難うございました。
レックス・スタウトの「ネロ・ウルフ」シリーズです。
十年以上前に、あるアンソロジーでたまたま読んで好きになった作家なんですが、日本では悲しいほどマイナーです。探偵役がデブなのがいけないんでしょうか……
本格物で、主人公は助手や雇いの探偵を使って情報を集める安楽椅子探偵です。助手のアーチーの一人称で語られていますが、このアーチーのたまに皮肉の入った語り口が面白いです。
人物の会話や文章がとても面白く、読んでいるうちに謎のことは忘れてしまうほどです。
それでいて、本格ならではの謎解きの爽快感はちゃんと味わえます。
「最期の事件」だけは最期に読むのをお勧めしますが、他は何から読んでも影響無いと思います。
下記URLはbk1のレックス・スタウトで検索結果です。
レックス・スタウトの「ネロ・ウルフ」シリーズはずっと読もう読もうと思っていたんですよ(でもまだ手に入れてもいないのですが……)。
先日も図書館で借りようとしたのですが、他に読みたいのがあったので諦めて(毎回その繰り返しだったりします。笑)。
この機会に、今度こそ、読んでみることにします。
ご回答、どうも有難うございました。
書評サイトはよく見ていますが、こちらのサイトは知りませんでした。
掲載されている数は少ないですが、全然知らない作者・作品があり、読んでみたいなと思いました。
ただ、こちらに掲載されているのは古本でもかなり手に入りにくそうな本ばかりなのがネックです……(『幽霊の2/3』読みたいー!)。
ご回答、どうも有難うございました。
フレッド・カサックですね。『殺人交叉点』は読みましたが、この作品は知りませんでした。
おおっ「掛け値なしの知られざる大傑作」ですかー。そこまでおっしゃられると凄く気になります。何とか探して読んでみます。
ご回答有難うございました。