宮崎駿は手塚治虫の(虫プロの)どういうところを批判していたのか、アニメを愛する回答者さんに教えて欲しいです。

1).“細かく”解説したサイトの紹介か、
2).もしくはこの経緯を詳しくご存じの方、「いついつの雑誌の記事でこのように語ってた」といった情報を教えて下さい。

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回答4件)

id:kosuke2005 No.1

回答回数1351ベストアンサー獲得回数7

ポイント24pt

もし手塚治虫が存命ならば、現在の宮崎駿の活躍をどう評価するのだろうか。  

 作品はすべて大ヒット。前作「もののけ姫」は邦画の興収記録を塗り替え、本作では洋画、邦画あわせての新記録を樹立した。ベルリン国際映画祭ではアニメ作品で初の金熊賞受賞 、宮崎駿およびスタジオジブリの名は全世界に轟いた。ディズニーがスタジオジブリに接近したことはそのいい証明だろう。(そのオリジナリティにおいてディズニー作品なんかはるかに凌駕していると個人的には思っている)  

 晩年の手塚治虫は、ことアニメに関していえば商業用作品に見切りをつけたのか、いわゆる実験アニメに対して精力的に取り組んでいた。「おんぼろフィルム」「ジャンピング」等国内外のいくつかの賞を受賞していたわけだが、その間宮崎監督は劇場用アニメのヒットを連発するようになってくる。そんな宮崎監督に手塚治虫は実験アニメは面白いよ、(実験アニメの)フェスティバルに参加してみないか、と勧誘するのだが「興味がない」と断られた、と手塚治虫自身どこかに書いていた。  

 マンガ、アニメとフロンティア精神を発揮し、自他ともに第一人者と認められていた手塚治虫は、劇場用アニメで内容的営業的にナンバーワンになった宮崎駿を認たのかどうか。  


 「千と千尋の神隠し」は僕にとって宮崎駿監督のアニメを初めて劇場で鑑賞した作品ということになる。宮崎アニメの面白さは以前からわかっていた。「ルパン三世 カリオストロの城」は絵のタッチは別にして傑作だと思うし、「となりのトトロ」はアニメ嫌いの人をもその世界に夢中にさせてしまう作品だろう。「魔女の宅急便」は原作以上の圧倒的な面白さだ。うちの娘は録画した「魔女の宅急便」をテープが擦り切れるほど繰り返し観ていた。  

 ただ、個人的に劇場まで足を運ぶほど宮崎アニメ、スタジオジブリ作品に関心がなかっただけだ。    


 手塚治虫が亡くなった時「COMIC BOX」というマンが評論誌が追悼号として関係者、各界の手塚治虫に対する声を特集したことがある。漫画家としてアニメ作家、フィルムメーカーとしての手塚治虫の業績を称える文章が並ぶ中、一人手塚批判をしたのが宮崎駿だった。他の者が参入できないよう当時として破格の制作費で「鉄腕アトム」のTVアニメを請け負ったこと、それが現在のアニメ制作の劣悪な情況につながっていると。  

 主張はもっともなことである。単なる悪口ではないし、手塚治虫の負の業績についての言及だ。そうはわかっていても、何か釈然としないものがあった。じゃあなぜ生きているときに発言しなかったのか?  

 たぶんこのことがずっとひっかかていたのだと思う。  


 もうひとつ、あまりの大ヒットに観る気が失せてしまうということもある。  

 「もののけ姫」の時は、テーマに感じるものがあり実際に劇場に行こうと思った。ところが公開されると連日の大入り満員、配給収入の記録更新のニュースに、邦画が洋画に勝っていること自体はうれしく思うものの、「観たい」という気持ちそのものが萎えてしまう。  

 世の中には大ヒットすると、ただそれだけで追従してしまう輩がいる。流行に乗り遅れないようにわれもわれもといった考えか。それが僕にはたまらない。変なプライドがあって、猫も杓子も観る映画に躊躇してしまうのだ。もちろん僕が宮崎監督のファンならそんなことはない。ヒットしようがしまいが関係なく、観に行くだけのことである。(「タイタニック」の監督がジェームス・キャメロンでなかったら、絶対観に行かなかったもの)そうでない場合はどうしても様子を見てしまう。もう少し落ち着いたら行こう、ロードショーが終了する間際でいいや、いろいろ理由をつけて結局観に行かない。ビデオになったらなったで毎日貸し出し中ということもあり、そのままズルズルとなって、TVオンエアーまで待たなければならなくなる。  

 「千と千尋の神隠し」も同じだった。妖怪たちがウジャウジャ登場する別世界の模様がたまらなく魅力的に思え、ロードショーを待っていたら、「もののけ姫」以上の大ヒットだという。またズルズルである。しかしこのままだと「もののけ姫」の二の舞になるってんで、優待券を利用してキネカ大森のレイトショーにかけつけたのだ。  


 冒頭、別世界に通じるトンネルを通り抜ける際の娘に対する母親の態度が信じられないと指摘する友人がいた。あんな暗闇の中を歩くのだから親にまとわりつくのは当然。それを拒否する千尋の母親を見て、この映画を受け入れられない気がした、と。僕は都会(?)から田舎に引っ越すまでの間にいろいろと親子の言い争いがあって、それであんなふうな態度になったのではないかと推理したのだが、別の友人に言わせると「あの時点で夫婦は術にかかっていたんだよ」。ああそうか。確かに。  

 別世界の街並みに心がやすらぐ。特に裏通りはまるで尾道のたたずまいだ。  

 夜になり、湖を渡って続々と妖怪たちがやってくるところやこの世界を牛耳っている魔女(湯婆婆)の温泉宿の繁盛振りは観ていて飽きない。アニメーションならではの楽しさ。あるいは「もののけ姫」同様に不定形物(者)のドロドログニュグニュ描写。これも実写ではほとんど不可能な表現だろう。アニメの楽しさはメタモルフォーゼにあるとの手塚治虫の指摘を思い出した。  


 以下、今さらという気もするけれど感想を箇条書きにしてみる。  

・お父さんの声はすぐに誰だかわかったが、お母さんは最後まで思い出せなかった。  

・湯婆婆の声はプロの声優だとずっと信じていた。  

・雨の夜、温泉宿の庭に佇む〈顔なし〉って中村敦夫扮する木枯し紋次郎の趣きがあった。  

・菅原文太の「えんがちょ」には大笑い。  

・寝巻き(?)姿の千尋の背中が色っぽい  

・ハクの飛行シーンは宮崎監督の独壇場ですね。

 現実世界でのハクは昔千尋が飼っていた愛犬かなと予想していたのだが(だからこそ白竜じゃない

 かと)……  

・水の中を走る電車がたまらなく素敵。  

・双子の魔女のいい方は西洋、悪い方は東洋趣味(というか和洋折衷)。ベルリン国際映画祭で評価

 されたのつまるところそこではないか、なんて疑ってしまう

http://www.globetown.net/~salad_comic/997074204.html

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id:wharf

素早いご回答ありがとうございました。

2005/07/16 19:07:01
id:masasan No.2

回答回数143ベストアンサー獲得回数2

ポイント24pt

1)上記サイトに大枠かかれているかと。

2)手塚治虫さんが亡くなられた時の、宮崎駿さんの追悼文


アニメ製作コストを低く設定したことを批判しているとのこと。


手塚治虫さんは、鉄腕アトムTVアニメ化に際し提示された金額よりはるかに安いコストで請け負ったことが言われるています。アニメの普及を目指す等、考えあってのことでもあるようですが。

それを踏まえて批判しているのですね、勿論。

『出発点―1979~1996』宮崎 駿 (著)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198605416/250-2614145-...

の中でそのくだりに触れて、「強い愛情の裏返しではないか」的なコメントもあります。


(URLが重なってしまったようですが、折角なので回答させてください)

id:wharf

本の御紹介ありがとうございました。

>「強い愛情の裏返しではないか」的なコメント

なんて、無難なオチをつけてぼやかしちゃったんですか?宮崎監督が。

2005/07/16 19:24:28
id:masasan No.3

回答回数143ベストアンサー獲得回数2

ポイント2pt

http://www.hatena.ne.jp/1121507715#訂正:detail]

すみません。訂正させてください。

このコメントにポイントはつけないでください。


回答2.での

>「強い愛情の裏返しではないか」的なコメント

はアマゾンのカスタマーレビューとしてのコメントです。 宮崎駿さんのコメントではありません。


失礼しました。

id:syouzou-toki No.4

回答回数93ベストアンサー獲得回数0

ポイント24pt

http://www.doblog.com/weblog/myblog/6362

Doblog - 平成鸚鵡籠中記 -

ポイント不要です。上の回答に補足して。


手塚さんは、とにかくアニメを作りたいという情熱だけから、コスト無視の製作をやってしまい、業界の赤字体質を作ったと宮崎監督は批判しています。もともと宮崎監督も高畑監督も、労働組合活動でバリバリの闘士だった方ですから、金持ちの道楽的な形でアニメをスタートさせ、末端の労働者に負担をかけた諸悪の根元という形で、手塚先生を批判しています。社員の待遇には人一倍感心があるのでしょうね。社員旅行があり、なおかつ海外というアニメ会社なんてジブリぐらいですから。


ただ、手塚さんが低コストでアニメを作ったため、本来は動画をたくさん使えないので苦肉の策としてやった目パチと言った手法(人物の目だけをパチパチ動かして全身は動かさず、コストを下げる)や、ストップモーションやスローモーションの多用といった、手抜きのための表現方法が、日本アニメ独自の表現方法となったという部分もあります。功罪相半ばする、と言ったところでしょうか。

id:wharf

まとめを書いて頂いてありがとうございました。

2005/07/17 02:08:30

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