海外のミステリー短編から、あなたが選ぶパーソナルベスト作品を三つ、選んでください。できれば簡単で構わないので、ネタバレしない程度に、作品の解説、コメントを書いてくださると嬉しいです。


また、何かひとつテーマを設けて選んでくださってもOK。「猫」「犬」「恐怖」「奇妙な味」「本格」「宿命の女」など、そのテーマのアンソロジーを作るとしたら、私だったらこの海外短編は外せない、といった感じで。

書影が画面に出ない場合は、その短編が収録されている書名をコメントに明記してくださるよう、お願いします。

また、他の方の回答を読んだ段階で、そこに挙がっている作品は、できるだけダブらないようにして選んでいただけると有り難いです。でも、「既出だけれど、この海外ミステリー短編はどうしても外せない」ということであれば、それを挙げてくださっても構いません。

皆さんからどんな海外ミステリーの短編が挙がってくるのか、とても楽しみにしています。

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回答10件)

id:Z9M9Z No.1

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ポイント15pt

黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)

黒後家蜘蛛の会〈5〉 (創元推理文庫)

  • 作者: アイザック アシモフ Isaac Asimov 池 央耿
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • メディア: 文庫

アシモフ。安楽椅子。食卓の謎解きだけでなく薀蓄の類がとても好きです。話としては今ひとつでしたがハロウィーンとクリスマスの話は、おおっとうなりました。それと、切手の話、封筒の話、マッチブックの話‥挙げだすときりないです。

id:christie

安楽椅子型ミステリーの短編集ですね。謎の真相を言い当てる給仕ヘンリーの推理もさることながら、会のメンバーが侃々諤々、議論する様子を楽しく読んだ覚えがあります。

ハロウィーンとクリスマスの話……。どんな話だったか忘れてしまっていますが、アシモフの蘊蓄はたいしたものだなあ、歩く百科事典みたいだ、と思ったものです。

ハヤカワ・ミステリ文庫の『クイーンズ・コレクション1』で、このシリーズの「ロレーヌの十字架」の次に収められていたジョン・L・ブリーンの「白い出戻り女の会」も面白かったです。タイトルで分かるように、「黒後家蜘蛛の会」シリーズのパロディになっています。

Z9M9Zさん、ありがとうございました。

2004/08/09 18:12:33
id:XQO No.2

回答回数78ベストアンサー獲得回数1

ポイント20pt

クリスティ短編全集 (3) 二十四羽の黒ツグミ (創元推理文庫)

クリスティ短編全集 (3) 二十四羽の黒ツグミ (創元推理文庫)

  • 作者: アガサ・クリスティ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • メディア: 文庫

『24羽の黒つぐみ』収録「風変わりな冗談」アガサ・クリスティ

ミス・マープルもので頓知と幾つかの趣味に関する雑学が必要となる佳品です。

『ポワロの事件簿 2』収録「料理女を捜せ」アガサ・クリスティ

灰色の脳細胞の怒りと機転が楽しめます。

『24羽の黒つぐみ』収録「申し分のない女中」アガサ・クリスティ

ミスマープルもの。老嬢の観察眼が冴えています。

id:christie

アガサ・クリスティの短編集から、ミス・マープルもの二篇と、エルキュール・ポアロもの一篇ですね。

コメントの「灰色の脳細胞の怒り」というところに、くすりとさせられました。あのポアロの卵のような頭が、ぷしゅーっと湯気を上げて沸騰しているみたいで。

どうでもいいことですが、創元推理文庫の作家名の読み方、クリスチィっていうのはどうもなあと、首を傾げたことがありました。

さらにどうでもいいことですが、christieという私のニックネームは、このミステリーの女王に敬意を表して付けたのでした。

XQOさん、ありがとうございました。

2004/08/09 18:29:01
id:EdgarPoe No.3

回答回数266ベストアンサー獲得回数46

ポイント20pt

初めまして。E.A.Poe(知のくずかご)と申します。

主題:「盗まれた手紙」「オリエント急行殺人事件」おとなしい凶器」の3つをあげる

--

現時点では1つも開いておられないようですので、だぶらないといいのですが、有名な作品なので回答がたくさん集まる前にお答えした方がよいかと思いました。

--

4-10-202802-1:image

「奇妙な味」にするか「意外なトリック」にするか悩みますが、小生は両方を兼ね備えた「あらゆる探偵小説の中でNo.1」としたいと思います。

「どこに隠した?」という非常にありふれた状況で、しかも素晴しい隠し場所をPoeは考えついたようです。

#他に「黄金虫」もありますが、これは暗号解きの古典としておきます。

4-03-652040-7:image

小生は早川文庫の方で読みましたが、こちらの翻訳にも目を通しました。どちらでもよいと思います。

「吹雪で臨時停車した列車の中での殺人。見事な密室殺人であると同時に外部調査が全く不可能。それまでに持っている知識と乗客の証言と『灰色の脳細胞』による推理のみから犯人をあぶり出さなくてはいけない」

という、安楽椅子探偵(アームチェア・ディティクティブ)のお手本のような作品だと思います。

4-15-071251-4:image

ちょっと搦め手から攻めるとして、本格派以外のものをあげます。

この中に収録されている「おとなしい兇器」は「奇妙な味」として素晴しいですね。倒叙ものですが、文体がよいです。

最後の一行にぞっとするとともに、思わず「こりゃ、完全犯罪じゃ?」とつぶやいてしまう小生です。

--

ISBNを使って書影を出すのは初めてですので、うまくいくといいのですが、お役に立ちますかどうか。

id:christie

エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」。名探偵オーギュスト・デュパンの推理と、隠し場所の意外性と。私も大好きなミステリー短編です。この作品とセットのようにして、シャーロック・ホームズもののある短編も浮かんできます。

二番目の「オリエント急行の殺人」は長編ということで、短編という括りから外れてしまうため、ここでは割愛させていただきますね。大好きなミステリーなんですが…。

ロアルド・ダールの短編からは、「おとなしい兇器」ときましたか。それが何かは言えませんが、確かに完全犯罪成立という趣があって、ぞくっとしました。そして、「奇妙な味」を代表する逸品だと、私もそう思います。

E.A.Poe(知のくずかご)さん、ありがとうございました。

2004/08/09 18:55:24
id:toshiakiisa No.4

回答回数3ベストアンサー獲得回数0

ポイント10pt

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_rev.cgi/40ffac89109980101...

オンライン書店ビーケーワン:フィアー 恐怖「第一級のホラーサスペンス」

フィアー―恐怖

フィアー―恐怖

  • 作者: L.ロン ハバード
  • 出版社/メーカー: ニューエラパブリケーションズジャパン
  • メディア: 単行本

L.ロン ハバードの「フィアー恐怖」です。スティーブンキングが絶賛していると聞いたので、興味を引かれました。日常にありそうな恐怖です。意外な結末に愕然となりました。読んだ後、余韻が残った作品です。どんな余韻か? それは読んでのお楽しみです。

id:christie

これは初耳の作家と作品でした。短編ミステリーという括りからすると、ちとページ数があるように感じたのですが。もしかたしたら、短編を連ねた作品集なのかも。

まあ、どこまでを短編として見るのかも人それぞれなんですが、多くても100ページ以内の作品ということでお願いいたします。

スティーブン・キング絶賛の作品。一時期、キングの作品をあれこれと読んで夢中にさせられたこともあり、この作品、チェックしてみます。

toshiakiisaさん、ありがとうございました。

2004/08/09 19:12:53
id:kanerucolored No.5

回答回数86ベストアンサー獲得回数0

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怪盗ルパン怪紳士 (講談社 青い鳥文庫)

怪盗ルパン怪紳士 (講談社 青い鳥文庫)

  • 作者: モーリス ルブラン
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 新書

ルパンです。ガニマール警部と一緒に騙されましょう。

id:christie

うーん、これは短編ミステリーの中に入る作品なのでしょうか。怪盗ルパンものでしたら、作品集の中のこの短編を、ということで挙げてくださるようお願いします。質問に「海外ミステリーの短編」と明記しています。その中から選んでくださるよう、よろしくお願いします。

kanerucoloredさん、不愉快に思われたらごめんなさい。でも、これは短編なのかなあと疑問に思ったものですから。

2004/08/09 19:23:08
id:kouk57 No.6

回答回数20ベストアンサー獲得回数0

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不可能犯罪捜査課 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐1))

不可能犯罪捜査課 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐1))

  • 作者: ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • メディア: 文庫

カーの『不可能犯罪捜査課』を挙げます。

「新透明人間」

アパートの向かいの部屋で男が撃たれるのを目撃したとの通報があった。その通報してきた男は犯人は透明人間だと言う・・・。

「空中の足跡」

雪の降る夜、女性が何者かに襲われ瀕死の重傷を負う。唯一残された足跡から隣人の女性が犯人と思われた。しかしその女性には確かに雪の上を歩いた記憶はあるが、襲った記憶は無く・・・。

「楽屋の死」

ナイト・クラブの女性ダンサーが何者かに刺殺される。第一発見者は男物の財布を拾った不審な女性だった。ほんの一瞬の殺人がどのようになされたのか?

id:christie

カーの『不可能犯罪捜査課』ですね。初めて読んだカーの短編集でしたから、これはなつかしいなあと、にんまりしてしまいました。「空中の足跡」のトリックは、まさにカーじゃなきゃ使わんだろうと思ったのでした。この作品集の中では、ミステリー作家の都筑道夫先生は、「銀色のカーテン」が気に入っていたみたいで、『怪奇雨男』という児童書のアンソロジーの中で取り上げていました。

個人的には、創元推理文庫のカーの短編集『妖魔の森の家』と『パリから来た紳士』の表題作も印象に残っています。

先に登場したアシモフが編んだアンソロジー(新潮文庫)の中で、本書から選んだ「めくら頭巾」、クリスマス・シーズンになると思い出す作品です。

好きな人は好き、嫌いな人は全く受け付けないだろうディクスン・カーのミステリー作品。短編はカーにしてはアクが強くないので、この短編集あたりから読んでいくと、カー・ワールドに入って行きやすいのではと、そんな気がします。

kouk57さん、ありがとうございました。

2004/08/09 20:22:23
id:chakurachakura No.7

回答回数123ベストアンサー獲得回数0

ポイント20pt

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

  • 作者: コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

ホームズ作品の中では初期作品が私は大好きです.どれもこれも…というとキリが無いので,「ストランド・マガジン」に掲載されたものを纏めた『冒険』から三篇を選びました.

「技師の親指」

親指をなくして得たものは…経験.そんな回答がありなのか?って感じです.

「唇のねじれた男」

義理と人情.おいおいホームズ.お前は「遠山の金さん」かと突っ込みを入れたくなります.

「緑柱石宝冠事件」

この短編を読んで,信じてもらうためには普段から自分を律しなければならないと感じました.

あまりにも有名なので他の人とだぶったらすみません.

id:christie

シャーロック・ホームズものの短編がカーの短編集の後に続くというのも、なんかこう、繋がりを感じました。ホームズものと、まだ挙がっていないあるキャラのシリーズを敬愛していたカーでしたから。

「技師の親指」を挙げてくるところが、通だなあと思いました。ただ、この短編と「緑柱石の宝冠」の二篇、新潮文庫では『シャーロック・ホームズの叡知』のほうに収録されていて、『冒険』から割愛されていたのは残念。やはり、こういう割愛はせず、原書に沿って収録して欲しい新潮文庫版なのでした。

ところで、今年は名探偵シャーロック・ホームズが生まれたとされる年から、確か150年目に当たっていたかと思います。不滅の名探偵として、これからも生き続けていくに違いないホームズ。他の短編集も捨てがたいですが、ひとつだけ選ぶとしたら、私もこの『冒険』を挙げるでしょう。

chakurachakuraさん、ありがとうございました。

2004/08/09 20:56:50
id:forest0301 No.8

回答回数53ベストアンサー獲得回数0

ポイント20pt

黒猫・黄金虫 (新潮文庫)

黒猫・黄金虫 (新潮文庫)

  • 作者: エドガー・アラン・ポー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

シャーロック・ホームズの冒険 (新潮文庫)

  • 作者: コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

クリスティ短編集 (1) (新潮文庫)

クリスティ短編集 (1) (新潮文庫)

  • 作者: クリスティ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

一つ目はエドガー・アラン・ポーの黄金虫です。暗号ものの傑作ですね、こんな解き方を考え、完成させたことが凄いと思います。

二つ目はコナン・ドイルのシャーロック・ホームズの冒険から、花嫁失踪事件です。驚愕の解決がこの作品の一番の読みどころです。

三つ目はアガサ・クリスティのエジプト墓地の冒険です。名探偵ポアロものですが、この作品の雰囲気が大好きなんで、挙げました。

なお、ISBNには私が読んだ本を入力してますが、どれも名作なので数多くの本に収録されてます、もし読んだことの無いのがあれば、ぜひ読んでみてください。

id:christie

暗号ミステリーの傑作にして嚆矢ですね、ポーの「黄金虫」。ポーの作品が挙がってくるのは二度目ですが、そのジャンルの先例、模範となる作品を書いているところが天才だなよなあと思います。

ホームズもの、クリスティのポアロものと、やはり人気が高いんだなあと、改めて感じています。「消えた花嫁」という設定からして、そそられてしまいます。

え? 質問者のコメントが長すぎる、蘊蓄が五月蠅いと抗議の声が殺到(?)しているようなので、ここからは短めにコメントするように気をつけます。

forest0301さん、ありがとうございました。

2004/08/09 21:28:21
id:doshin No.9

回答回数6ベストアンサー獲得回数0

ポイント30pt

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3f457da756aa80...

オンライン書店ビーケーワン:魔術ミステリ傑作選 創元推理文庫 170‐1

歌うダイアモンド (晶文社ミステリ)

歌うダイアモンド (晶文社ミステリ)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • メディア: 単行本

検察側の証人 (創元推理文庫)

検察側の証人 (創元推理文庫)

  • 作者: アガサ クリスティ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • メディア: 文庫

ありきたりですが夏ということで〈怪談〉というテーマで選んでみました。

1.「鏡もて見るごとく」ヘレン・マクロイ

 とある教師のドッペルゲンガー(生き霊)が目撃される、という怪異が合理的に解かれるサスペンスタッチの本格です。くらーい雰囲気が好きです。長篇『暗い鏡の中に』の原型。

2.「青い壺の謎」アガサ・クリスティ

 ホラー・幻想譚ばかりの短編集を読み進めると、中盤に名作「検察側の証人」が登場します。その直後の作品がこれ。ホラー、ホラー、ホラー、ミステリ、と来て、さて、次はホラーか?という趣向がよいです。

3.「パパ・ベンジャミン」ウィリアム・アイリッシュ(『魔術ミステリ傑作選』所収)

 ジャズとヴードゥーが奏でるサスペンス。この作品を読んで、アイリッシュという作家の文章力に心酔しはじめました。

※自分でテーマを決めておきながら、いざ選ぶとなるとなかなか作品が思い浮かばないものですね。ドイル「這う人」は出来がイマイチだし、チェスタトン「ギデオン・ワイズの亡霊」を怪談と呼ぶのは違う気がするし、カー「めくら頭巾」はchrisieさん自身が挙げてらっしゃるし。ちょっとまとまりのないベスト3になってしまいました。

id:christie

熱くてかなわん夏を涼しく、ということで、〈怪談〉というテーマですね。私、こうした幻想風味のミステリーが好みなので、挙げてらした三つの海外短編の顔触れを見て、小躍りしてしまいました。

コメント、長くなりすぎたら、ごめんなさい。

マクロイのこの短編、そして長編と、私もとても気に入っています。クリスティの短編にも、未読ですが、「暗い鏡のなかに」という作品があるんですよね。

クリスティの「青い壺の謎」は、スポーツのゴルフが話にからんでくる短編ですね。ホラーなのかミステリーなのか? なんせ、「検察側の証人」の次に来る作品ですから……最後まで目が離せません。

アイリッシュ(もしくは、ウールリッチ)の短編、昔、片端から読み漁りました。酔わせる文章と言うのでしょうか、夜の匂いが秘やかに漂っている文章と、高まっていくサスペンスのどきどき感に夢中にさせられた思い出があります。

>カー「めくら頭巾」はchrisieさん自身が挙げてらっしゃるし。

あ、ごめんなさい。質問者自身がこうして作品を挙げてしまってはルール違反ですよね。気をつけなくては。

doshinさん、ありがとうございました。

2004/08/09 21:49:27
id:r21spro No.10

回答回数53ベストアンサー獲得回数0

ポイント15pt

ブラウン神父の童心 (創元推理文庫)

ブラウン神父の童心 (創元推理文庫)

  • 作者: G・K・チェスタトン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • メディア: 文庫

ミステリー短編でしたら倒叙ものが好きです。と

なるとかなり概出のものもありますので、最も好

きなブラウン神父シリーズを挙げておきます。

ゼノンの矢、の問題とか、葉っぱを隠すのに一番適

したところは**である、とかパラドックスを非常

にうまく使った作品群はとても面白いし、勉強?に

なります。

id:christie

小柄で、丸まっちい帽子をかぶって、黒いこうもり傘を携帯しているカトリックの神父、ブラウン神父。奇想と逆さま(転倒)のロジックの妙を感じるこのシリーズ、初めて読んだ時、すごいインパクトがありました。シリーズのなかでは、やはりこの第一短編集が粒ぞろいの短編集なんでしょうね。画面の上のほうで既に登場しているミステリー作家、ジョン・ディクスン・カーが、ホームズものと並んでとても愛していたもうひとつのシリーズが、ファーザー・ブラウンのシリーズなのでした。

>葉っぱを隠すのに一番適したところは**である

この逆説的な論理は、既出の某短編のそれと似たところがあるなあと、ふと思いました。

r21sproさん、ありがとうございました。

それと、のっかりハテナでポイントとコメントを寄せてくださったmiuriaさん、どうもありがとうございます。この場をお借りして、御礼申し上げます。

初めての質問でかなり緊張していた気持ちが、随分軽くなりました。

さて、皆様が選んだ「海外ミステリー短編 パーソナルベスト3」の集計結果を発表します。短編ひとつにつき一票。二票以上GETした作家は

第1位 アガサ・クリスティ   5票

第2位 コナン・ドイル     4票

第3位 ディクスン・カー    3票

第4位 エドガー・アラン・ポー 2票

期せずして、ミステリー黄金時代の巨匠たちの名前が並びました。もっと「奇妙な味」系の短編が挙がってくるかと予想していたのですが、ロアルド・ダールの作品がひとつだけだったのは意外でした。

おしまいに、今回の質問してみる動機になった三氏のパーソナルベスト作品を、参考までに記載しておきます。『EQ 1999年7月号』の鼎談の席上で挙がった海外ミステリー短編です。

北村薫・選  マージョリー・アラン「エリナーの肖像」(『謎のギャラリー 謎の部屋』新潮文庫)

       ジェラルド・カーシュ「豚の島の女王」(同上)

       ディーノ・ブッツァーティ「待っていたのは」(『謎のギャラリー こわい部屋』新潮文庫)

森英俊・選  エドワード・D・ホック「長い墜落」(『密室殺人傑作選』ハヤカワミステリ文庫)

       ロアルド・ダール「南から来た男」(『あなたに似た人』ハヤカワミステリ文庫)

       ジャック・フィニイ「独房ファンタジア」(『ゲイルズバーグの春を愛す』ハヤカワ文庫FT)

山口雅也・選  T・S・ストリブリング「ベナレスへの道」(『カリブ諸島の手がかり』国書刊行会)

        ロアルド・ダール「牧師のたのしみ」(『キス・キス』早川書房)

        J・L・ボルヘス「八岐の園」(『伝奇集』岩波文庫)

今回質問して、皆様の回答とコメントを読みながら、エドガー・アラン・ポーの作品を久しぶりに読み、親しんでみる気持ちにさせられました。

お忙しいなか、わざわざ回答してくださった皆様、どうもありがとうございました。この辺で、質問を終了させていただきます。

2004/08/10 20:11:15
  • id:EdgarPoe
    「短編」というくくりを忘れていました

    E.A.Poe(知のくずかご)と申します。

    主題:「短編」というくくりを忘れていたので、もう一つ短編「奇妙な足音」をあげる

    --
    「短編」というくくりを忘れていましたので「オリエント急行殺人事件」をあげてしまいました。
    埋め合わせに「ブラウン神父シリーズ」から「奇妙な足音」をあげます。

    「ブラウン神父が、ある建物で奇妙な足音を聞いた。一人の人間の足音が、タッタッタというリズミカルな歩き方とのんびりした歩き方を繰り返している。
    『こりゃ奇妙だわい』と思ったブラウン神父は、考えているうちにあることに思い当たり、とある事件が進んでいることを知るのであった…」

    こんな感じでしょうか。小生はブラウン神父シリーズはたいていが思い白いのですが「この一つ」と言ったら「奇妙な足音」をあげます。


    --
    コメントも興味深く読みました。ダールがあまり出ていなかったのはたしかに不思議ですね。小生は「南から来た男」も大好きですが「ミステリ」というくくりに入らないかと思いましたので、あえて除外しました。

    http://www.hatena.ne.jp/1075775485
    こちらは「短編小説限定」でミステリというくくりがないのですが、こちらも参考になるかも知れませんのでご紹介いたします。

    --
    それでは。
  • id:christie
    Re:「短編」というくくりを忘れていました

    E.A.Poe(知のくずかご)さん、こんばんは。
    短編ミステリーの宴が果てた今宵、扉の外に「奇妙な足音」が聞こえてきて、ハッと目が覚めました(笑)

    ブラウン神父ものからひとつだけ選ぶとしたら、何を選ぶ?
    とてもそそられる質問です。E.A.Poeさんは、「奇妙な足音」ですね。
    私は、『童心』冒頭の「青い十字架」かなあ。否、『秘密』収録の「マーン城の喪主」から受けた強烈な印象が忘れられません。でも、チェスタトンの短編集で一番好きなのは、『詩人と狂人たち』です。

    ロアルド・ダールの「南から来た男」は、これがどうして挙がってこないのか、非常に口惜しく、残念でなりませんでした。あまりの口惜しさに、手元にあるライターの点火スイッチを、カチリ、カチリと鳴らしていたくらい(ウソ八百です) 割と最近読んだ『キス・キス』というダールの短編集にも、とても面白い作品がいくつもありました。

    ご紹介くださったハテナ質問箱、これからじっくり読んでみるつもりです。
    P・G・ウッドハウスの短編とか挙がってたら嬉しいな、とか、面白い海外ミステリー短編がたくさん読めるアンソロジー『37の短篇』(早川書房)から何か選ばれているのかな、とか、非常に楽しみです。
    ご親切に感謝いたします。どうもありがとうございます。m(_ _)m

    ポーの短編にも、忘れがたい名品がいくつもありますね。個人的に特に気に入っているのは、「盗まれた手紙」「アモンティリャードの樽」「赤死病の仮面」「黒猫」「大渦にのまれて」かなあ。この中から一つ選ぶなんて、畏れ多くて、苦渋の選択を迫られそうです(笑)

    最後に、私が大好きな海外のミステリー短編マイベスト、三つの作品を挙げておきたいと思います。
    ○ウォーナー・ロウ「世界を騙った男」(『エドガー賞全集 下』ハヤカワ・ミステリ文庫所収)
    ○ディーノ・ブッツァーティ「七人の使者」(『七人の使者』河出書房新社所収)
    ○ロード・ダンセイニ「二壜のソース」(江戸川乱歩編『世界短編傑作集3』創元推理文庫所収)

    さあ、これからご紹介くださったハテナの質問箱を覗いてみます。
    ではでは。
  • id:christie
    Re(2):「短編」というくくりを忘れていました

    紹介していただいた「お勧めの短編・中編小説は何ですか?」の質問と回答、楽しく読みました。挙がっていた作品のなかでひとつだけ選ぶとしたら、私も、ロアルド・ダールの「南から来た男」を持ってきます。
    この作品、高校生の時、英語のリーダーの授業で読んで、英語はからきしダメなんですが、話の面白さにその授業の時だけ夢中になったという思い出があります。

    今日、図書館に足を運んで、創元推理文庫の『ポオ小説全集』の第3巻、第4巻を借りてきました。さっき、久しぶりに「盗まれた手紙」を読み返しました。チェスタトンやホームズものの源流とも言いたい、推理小説のはるか遠くにあって輝きを失っていない名品だと、改めてそう思いました。

    カーやバークリーが愛読していたウッドハウスの短編集、邦訳で何か出ないかなあと、長年待ち望んでいるのですが、これがなかなか刊行されません。文春文庫の『探偵たちよ スパイたちよ』の冒頭に収められていたウッドハウスの短編「スープの中のストリキニーネ」なんか、とても面白く読んだのでしたが。

    今回、思い切って質問してみて良かったです。ポーの文庫本と一緒に、チェスタトンの創元推理文庫本を3冊も借りてきてしまいました。

    ではでは。
  • id:christie
    のっかりはてなをしてくださったmiuria様へ

    miuria様、先日はのっかりはてなで、コメント並びにポイントを寄せてくださって、どうもありがとうございました。回答者へのコメントではなく、質問終了後に、こちらで御礼を申し上げたほうが良かったですね。
    回答者の皆様、ごめんなさい。

    私宛のコメント、読ませていただき、大変嬉しく思いました。
    アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』は、私もすごく気に入っています。クリスティのミステリーのなかでも一番贔屓にしている作品です。下記URLのほうに、この作品を読んだ方たちの読書会の様子が記されています。気が向きましたら、読んでみてください。

    http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/1493/reading/2002-5-sosite.html

    今回は、色々と好きな海外ミステリー短編を紹介していただけるといいな、まだ読んだことのない作品が挙がってくるかなと、そんな気持ちで、初めてこちらで質問してみました。

    他の方々が挙げてくださった短編集のなかでは、チェスタトンの『ブラウン神父の童心』、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの冒険』、ロアルド・ダールの『あなたに似た人』、この三つの短編集は、特に面白く、おすすめですよ。

    アガサ・クリスティの短編集マイベスト3は、『おしどり探偵』『謎のクィン氏』『リスタデール卿の謎』です。『謎のクィン氏』は幻想的な作品集で、不可思議な味わいがあります。名作『そして誰もいなくなった』の童謡殺人の雰囲気に通じるところがあるような気もします。刊行中のクリスティー文庫で、新訳で読めるだろうかと期待している作品集。クリスティにしては異色の作品集なのですが、忘れがたい味のあるミステリー短編集ということで、ご紹介させていただきました。いつか気が向いたときにでも、ぜひどうぞ。

    ではでは。
  • id:miuria
    Re:質問終了、お疲れ様でした。

    丁寧なコメントとお勧めミステリーの紹介、ありがとうございます。^^

    ポイント送信時のメッセージでも申しましたようにミステリーには疎いのですが
    『おしどり探偵』は読んだことがあります。
    ・・・が、随分前のことなので内容はよく覚えてなかったりします。(汗)
    これを良い機会として読み直したいと思います。
    他のお勧めの短編、回答者さん方の挙げられた短編も
    しっかりとメモして少しづつ読んでみますね。
    まずは、いくらか読みなれているクリスティ作品から。^^b

    ではでは、どうもありがとうございました。
  • id:kouk57
    とても興味深かったです。

    こういう質問は、未読・既読の色んな短編を知ることが出来て面白いですね。
    他の方の解答を見て、「あぁ、それがあったか!」と思ったり「そんな括り方もできるのか」と膝を打ったりしました。
    ポーやドイル、チェスタトンをまた読み返してみようかという気分になります。

    そうそう、私の挙げた『不可能犯罪捜査課』は、私にとっても初めてのカーの短編集だったので、christieさんのコメントにニヤリとしてしまいました(笑)
  • id:christie
    楽屋裏で

    kouk57さん、こんにちは。
    いわし掲示板て言うんですか、質問が終わってからする補足コーナーも楽しいし、興味深いですね。楽屋裏で交わす会話みたいで。

    >そうそう、私の挙げた『不可能犯罪捜査課』は、私にとっても初めてのカーの短編集だったので、christieさんのコメントにニヤリとしてしまいました(笑)

    「空中の足跡」を挙げてきたところに、おっ!と思ったんですよ。普通、思いついても使わんだろう、このトリックはと初読時にそう思って、でも、そこがカーらしいんだろうなと感じたから。『不可能犯罪捜査課』っていうタイトルにも惹かれます。

    この短編集のおしまいの作品「めくら頭巾」は、doshinさんが〈怪談〉の括りで挙げようかと思っていたと言っておられましたが、個人的にとても印象に残っている短編です。炉端で聞く怪談話って感じかな。読後の惻々とした味わいが気に入っています。新潮文庫のアンソロジー、アシモフ他編『クリスマス12のミステリー』では、「目隠し鬼」の邦訳で収録されていました。

    カーの短編では、評価の高い「妖魔の森の家」とともに、「パリから来た紳士」も好き。初めて読んだ時、読み終えて、おお!と嬉しい気持ちになりました。短編ではないんですけど、カーのエッセイ「地上最高のゲーム」も、読んでいてすごく嬉しい気持ちにさせられました。

    >ポーやドイル、チェスタトンをまた読み返してみようかという気分になります。

    そう思っていただけて嬉しいです。どうもありがとうございます。
    質問の後、『ポオ小説全集3』や、チェスタトンの短編集『ポンド氏の逆説』
    を図書館から借りてきまして、再読しました。ポーの作品て、何でも訳すのがとっても骨なんだそうです。岩波少年文庫でポーの作品を訳している金原瑞人さんが、そう言ってらした文章を以前、ネット上で読みました。その文章が掲載されているURLを、ご参考までに下記に載せておきますね。

    http://www.hico.jp/ronnjya/honyaku/kanehara/15.htm

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