また、何かひとつテーマを設けて選んでくださってもOK。「猫」「犬」「恐怖」「奇妙な味」「本格」「宿命の女」など、そのテーマのアンソロジーを作るとしたら、私だったらこの海外短編は外せない、といった感じで。
書影が画面に出ない場合は、その短編が収録されている書名をコメントに明記してくださるよう、お願いします。
また、他の方の回答を読んだ段階で、そこに挙がっている作品は、できるだけダブらないようにして選んでいただけると有り難いです。でも、「既出だけれど、この海外ミステリー短編はどうしても外せない」ということであれば、それを挙げてくださっても構いません。
皆さんからどんな海外ミステリーの短編が挙がってくるのか、とても楽しみにしています。
クリスティ短編全集 (3) 二十四羽の黒ツグミ (創元推理文庫)
『24羽の黒つぐみ』収録「風変わりな冗談」アガサ・クリスティ
ミス・マープルもので頓知と幾つかの趣味に関する雑学が必要となる佳品です。
『ポワロの事件簿 2』収録「料理女を捜せ」アガサ・クリスティ
灰色の脳細胞の怒りと機転が楽しめます。
『24羽の黒つぐみ』収録「申し分のない女中」アガサ・クリスティ
ミスマープルもの。老嬢の観察眼が冴えています。
アガサ・クリスティの短編集から、ミス・マープルもの二篇と、エルキュール・ポアロもの一篇ですね。
コメントの「灰色の脳細胞の怒り」というところに、くすりとさせられました。あのポアロの卵のような頭が、ぷしゅーっと湯気を上げて沸騰しているみたいで。
どうでもいいことですが、創元推理文庫の作家名の読み方、クリスチィっていうのはどうもなあと、首を傾げたことがありました。
さらにどうでもいいことですが、christieという私のニックネームは、このミステリーの女王に敬意を表して付けたのでした。
XQOさん、ありがとうございました。
初めまして。E.A.Poe(知のくずかご)と申します。
主題:「盗まれた手紙」「オリエント急行殺人事件」おとなしい凶器」の3つをあげる
--
現時点では1つも開いておられないようですので、だぶらないといいのですが、有名な作品なので回答がたくさん集まる前にお答えした方がよいかと思いました。
--
4-10-202802-1:image
「奇妙な味」にするか「意外なトリック」にするか悩みますが、小生は両方を兼ね備えた「あらゆる探偵小説の中でNo.1」としたいと思います。
「どこに隠した?」という非常にありふれた状況で、しかも素晴しい隠し場所をPoeは考えついたようです。
#他に「黄金虫」もありますが、これは暗号解きの古典としておきます。
4-03-652040-7:image
小生は早川文庫の方で読みましたが、こちらの翻訳にも目を通しました。どちらでもよいと思います。
「吹雪で臨時停車した列車の中での殺人。見事な密室殺人であると同時に外部調査が全く不可能。それまでに持っている知識と乗客の証言と『灰色の脳細胞』による推理のみから犯人をあぶり出さなくてはいけない」
という、安楽椅子探偵(アームチェア・ディティクティブ)のお手本のような作品だと思います。
4-15-071251-4:image
ちょっと搦め手から攻めるとして、本格派以外のものをあげます。
この中に収録されている「おとなしい兇器」は「奇妙な味」として素晴しいですね。倒叙ものですが、文体がよいです。
最後の一行にぞっとするとともに、思わず「こりゃ、完全犯罪じゃ?」とつぶやいてしまう小生です。
--
ISBNを使って書影を出すのは初めてですので、うまくいくといいのですが、お役に立ちますかどうか。
エドガー・アラン・ポーの「盗まれた手紙」。名探偵オーギュスト・デュパンの推理と、隠し場所の意外性と。私も大好きなミステリー短編です。この作品とセットのようにして、シャーロック・ホームズもののある短編も浮かんできます。
二番目の「オリエント急行の殺人」は長編ということで、短編という括りから外れてしまうため、ここでは割愛させていただきますね。大好きなミステリーなんですが…。
ロアルド・ダールの短編からは、「おとなしい兇器」ときましたか。それが何かは言えませんが、確かに完全犯罪成立という趣があって、ぞくっとしました。そして、「奇妙な味」を代表する逸品だと、私もそう思います。
E.A.Poe(知のくずかご)さん、ありがとうございました。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_rev.cgi/40ffac89109980101...
オンライン書店ビーケーワン:フィアー 恐怖「第一級のホラーサスペンス」
L.ロン ハバードの「フィアー恐怖」です。スティーブンキングが絶賛していると聞いたので、興味を引かれました。日常にありそうな恐怖です。意外な結末に愕然となりました。読んだ後、余韻が残った作品です。どんな余韻か? それは読んでのお楽しみです。
これは初耳の作家と作品でした。短編ミステリーという括りからすると、ちとページ数があるように感じたのですが。もしかたしたら、短編を連ねた作品集なのかも。
まあ、どこまでを短編として見るのかも人それぞれなんですが、多くても100ページ以内の作品ということでお願いいたします。
スティーブン・キング絶賛の作品。一時期、キングの作品をあれこれと読んで夢中にさせられたこともあり、この作品、チェックしてみます。
toshiakiisaさん、ありがとうございました。
うーん、これは短編ミステリーの中に入る作品なのでしょうか。怪盗ルパンものでしたら、作品集の中のこの短編を、ということで挙げてくださるようお願いします。質問に「海外ミステリーの短編」と明記しています。その中から選んでくださるよう、よろしくお願いします。
kanerucoloredさん、不愉快に思われたらごめんなさい。でも、これは短編なのかなあと疑問に思ったものですから。
不可能犯罪捜査課 (創元推理文庫―カー短編全集 (118‐1))
カーの『不可能犯罪捜査課』を挙げます。
「新透明人間」
アパートの向かいの部屋で男が撃たれるのを目撃したとの通報があった。その通報してきた男は犯人は透明人間だと言う・・・。
「空中の足跡」
雪の降る夜、女性が何者かに襲われ瀕死の重傷を負う。唯一残された足跡から隣人の女性が犯人と思われた。しかしその女性には確かに雪の上を歩いた記憶はあるが、襲った記憶は無く・・・。
「楽屋の死」
ナイト・クラブの女性ダンサーが何者かに刺殺される。第一発見者は男物の財布を拾った不審な女性だった。ほんの一瞬の殺人がどのようになされたのか?
カーの『不可能犯罪捜査課』ですね。初めて読んだカーの短編集でしたから、これはなつかしいなあと、にんまりしてしまいました。「空中の足跡」のトリックは、まさにカーじゃなきゃ使わんだろうと思ったのでした。この作品集の中では、ミステリー作家の都筑道夫先生は、「銀色のカーテン」が気に入っていたみたいで、『怪奇雨男』という児童書のアンソロジーの中で取り上げていました。
個人的には、創元推理文庫のカーの短編集『妖魔の森の家』と『パリから来た紳士』の表題作も印象に残っています。
先に登場したアシモフが編んだアンソロジー(新潮文庫)の中で、本書から選んだ「めくら頭巾」、クリスマス・シーズンになると思い出す作品です。
好きな人は好き、嫌いな人は全く受け付けないだろうディクスン・カーのミステリー作品。短編はカーにしてはアクが強くないので、この短編集あたりから読んでいくと、カー・ワールドに入って行きやすいのではと、そんな気がします。
kouk57さん、ありがとうございました。
ホームズ作品の中では初期作品が私は大好きです.どれもこれも…というとキリが無いので,「ストランド・マガジン」に掲載されたものを纏めた『冒険』から三篇を選びました.
「技師の親指」
親指をなくして得たものは…経験.そんな回答がありなのか?って感じです.
「唇のねじれた男」
義理と人情.おいおいホームズ.お前は「遠山の金さん」かと突っ込みを入れたくなります.
「緑柱石宝冠事件」
この短編を読んで,信じてもらうためには普段から自分を律しなければならないと感じました.
あまりにも有名なので他の人とだぶったらすみません.
シャーロック・ホームズものの短編がカーの短編集の後に続くというのも、なんかこう、繋がりを感じました。ホームズものと、まだ挙がっていないあるキャラのシリーズを敬愛していたカーでしたから。
「技師の親指」を挙げてくるところが、通だなあと思いました。ただ、この短編と「緑柱石の宝冠」の二篇、新潮文庫では『シャーロック・ホームズの叡知』のほうに収録されていて、『冒険』から割愛されていたのは残念。やはり、こういう割愛はせず、原書に沿って収録して欲しい新潮文庫版なのでした。
ところで、今年は名探偵シャーロック・ホームズが生まれたとされる年から、確か150年目に当たっていたかと思います。不滅の名探偵として、これからも生き続けていくに違いないホームズ。他の短編集も捨てがたいですが、ひとつだけ選ぶとしたら、私もこの『冒険』を挙げるでしょう。
chakurachakuraさん、ありがとうございました。
一つ目はエドガー・アラン・ポーの黄金虫です。暗号ものの傑作ですね、こんな解き方を考え、完成させたことが凄いと思います。
二つ目はコナン・ドイルのシャーロック・ホームズの冒険から、花嫁失踪事件です。驚愕の解決がこの作品の一番の読みどころです。
三つ目はアガサ・クリスティのエジプト墓地の冒険です。名探偵ポアロものですが、この作品の雰囲気が大好きなんで、挙げました。
なお、ISBNには私が読んだ本を入力してますが、どれも名作なので数多くの本に収録されてます、もし読んだことの無いのがあれば、ぜひ読んでみてください。
暗号ミステリーの傑作にして嚆矢ですね、ポーの「黄金虫」。ポーの作品が挙がってくるのは二度目ですが、そのジャンルの先例、模範となる作品を書いているところが天才だなよなあと思います。
ホームズもの、クリスティのポアロものと、やはり人気が高いんだなあと、改めて感じています。「消えた花嫁」という設定からして、そそられてしまいます。
え? 質問者のコメントが長すぎる、蘊蓄が五月蠅いと抗議の声が殺到(?)しているようなので、ここからは短めにコメントするように気をつけます。
forest0301さん、ありがとうございました。
http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/3f457da756aa80...
オンライン書店ビーケーワン:魔術ミステリ傑作選 創元推理文庫 170‐1
ありきたりですが夏ということで〈怪談〉というテーマで選んでみました。
1.「鏡もて見るごとく」ヘレン・マクロイ
とある教師のドッペルゲンガー(生き霊)が目撃される、という怪異が合理的に解かれるサスペンスタッチの本格です。くらーい雰囲気が好きです。長篇『暗い鏡の中に』の原型。
2.「青い壺の謎」アガサ・クリスティ
ホラー・幻想譚ばかりの短編集を読み進めると、中盤に名作「検察側の証人」が登場します。その直後の作品がこれ。ホラー、ホラー、ホラー、ミステリ、と来て、さて、次はホラーか?という趣向がよいです。
3.「パパ・ベンジャミン」ウィリアム・アイリッシュ(『魔術ミステリ傑作選』所収)
ジャズとヴードゥーが奏でるサスペンス。この作品を読んで、アイリッシュという作家の文章力に心酔しはじめました。
※自分でテーマを決めておきながら、いざ選ぶとなるとなかなか作品が思い浮かばないものですね。ドイル「這う人」は出来がイマイチだし、チェスタトン「ギデオン・ワイズの亡霊」を怪談と呼ぶのは違う気がするし、カー「めくら頭巾」はchrisieさん自身が挙げてらっしゃるし。ちょっとまとまりのないベスト3になってしまいました。
熱くてかなわん夏を涼しく、ということで、〈怪談〉というテーマですね。私、こうした幻想風味のミステリーが好みなので、挙げてらした三つの海外短編の顔触れを見て、小躍りしてしまいました。
コメント、長くなりすぎたら、ごめんなさい。
マクロイのこの短編、そして長編と、私もとても気に入っています。クリスティの短編にも、未読ですが、「暗い鏡のなかに」という作品があるんですよね。
クリスティの「青い壺の謎」は、スポーツのゴルフが話にからんでくる短編ですね。ホラーなのかミステリーなのか? なんせ、「検察側の証人」の次に来る作品ですから……最後まで目が離せません。
アイリッシュ(もしくは、ウールリッチ)の短編、昔、片端から読み漁りました。酔わせる文章と言うのでしょうか、夜の匂いが秘やかに漂っている文章と、高まっていくサスペンスのどきどき感に夢中にさせられた思い出があります。
>カー「めくら頭巾」はchrisieさん自身が挙げてらっしゃるし。
あ、ごめんなさい。質問者自身がこうして作品を挙げてしまってはルール違反ですよね。気をつけなくては。
doshinさん、ありがとうございました。
ミステリー短編でしたら倒叙ものが好きです。と
なるとかなり概出のものもありますので、最も好
きなブラウン神父シリーズを挙げておきます。
ゼノンの矢、の問題とか、葉っぱを隠すのに一番適
したところは**である、とかパラドックスを非常
にうまく使った作品群はとても面白いし、勉強?に
なります。
小柄で、丸まっちい帽子をかぶって、黒いこうもり傘を携帯しているカトリックの神父、ブラウン神父。奇想と逆さま(転倒)のロジックの妙を感じるこのシリーズ、初めて読んだ時、すごいインパクトがありました。シリーズのなかでは、やはりこの第一短編集が粒ぞろいの短編集なんでしょうね。画面の上のほうで既に登場しているミステリー作家、ジョン・ディクスン・カーが、ホームズものと並んでとても愛していたもうひとつのシリーズが、ファーザー・ブラウンのシリーズなのでした。
>葉っぱを隠すのに一番適したところは**である
この逆説的な論理は、既出の某短編のそれと似たところがあるなあと、ふと思いました。
r21sproさん、ありがとうございました。
それと、のっかりハテナでポイントとコメントを寄せてくださったmiuriaさん、どうもありがとうございます。この場をお借りして、御礼申し上げます。
初めての質問でかなり緊張していた気持ちが、随分軽くなりました。
さて、皆様が選んだ「海外ミステリー短編 パーソナルベスト3」の集計結果を発表します。短編ひとつにつき一票。二票以上GETした作家は
第1位 アガサ・クリスティ 5票
第2位 コナン・ドイル 4票
第3位 ディクスン・カー 3票
第4位 エドガー・アラン・ポー 2票
期せずして、ミステリー黄金時代の巨匠たちの名前が並びました。もっと「奇妙な味」系の短編が挙がってくるかと予想していたのですが、ロアルド・ダールの作品がひとつだけだったのは意外でした。
おしまいに、今回の質問してみる動機になった三氏のパーソナルベスト作品を、参考までに記載しておきます。『EQ 1999年7月号』の鼎談の席上で挙がった海外ミステリー短編です。
北村薫・選 マージョリー・アラン「エリナーの肖像」(『謎のギャラリー 謎の部屋』新潮文庫)
ジェラルド・カーシュ「豚の島の女王」(同上)
ディーノ・ブッツァーティ「待っていたのは」(『謎のギャラリー こわい部屋』新潮文庫)
森英俊・選 エドワード・D・ホック「長い墜落」(『密室殺人傑作選』ハヤカワミステリ文庫)
ロアルド・ダール「南から来た男」(『あなたに似た人』ハヤカワミステリ文庫)
ジャック・フィニイ「独房ファンタジア」(『ゲイルズバーグの春を愛す』ハヤカワ文庫FT)
山口雅也・選 T・S・ストリブリング「ベナレスへの道」(『カリブ諸島の手がかり』国書刊行会)
ロアルド・ダール「牧師のたのしみ」(『キス・キス』早川書房)
J・L・ボルヘス「八岐の園」(『伝奇集』岩波文庫)
今回質問して、皆様の回答とコメントを読みながら、エドガー・アラン・ポーの作品を久しぶりに読み、親しんでみる気持ちにさせられました。
お忙しいなか、わざわざ回答してくださった皆様、どうもありがとうございました。この辺で、質問を終了させていただきます。
安楽椅子型ミステリーの短編集ですね。謎の真相を言い当てる給仕ヘンリーの推理もさることながら、会のメンバーが侃々諤々、議論する様子を楽しく読んだ覚えがあります。
ハロウィーンとクリスマスの話……。どんな話だったか忘れてしまっていますが、アシモフの蘊蓄はたいしたものだなあ、歩く百科事典みたいだ、と思ったものです。
ハヤカワ・ミステリ文庫の『クイーンズ・コレクション1』で、このシリーズの「ロレーヌの十字架」の次に収められていたジョン・L・ブリーンの「白い出戻り女の会」も面白かったです。タイトルで分かるように、「黒後家蜘蛛の会」シリーズのパロディになっています。
Z9M9Zさん、ありがとうございました。