以前の質問

http://bk1.hatena.ne.jp/1108232510
で、「SF冬の時代」と表現しましたら、ある方から、「それは事実誤認だ。今は、一般小説の中にも、SF的な設定やガジェットが取り込まれていて、いわゆるジャンルとしてのSFと一般小説との境界があいまいになっているだけだ」という意見をいただきました。

といわれても、早川文庫と創元推理文庫とハルキ文庫しか読んだことのない質問者には、どの一般小説がそうしたものにあたるのか見当もつきません。

そこで、そういう小説、つまりSFとは分類されていないが、内容は「近未来SF」に分類されるような一般小説を御存知の方は教えてください。

Sの部分のまったくないファンタジー・ノベルは今回は対象外とさせてください。

それでは、よろしく御願いします。

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id:kamome48 No.1

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ルー=ガルー (トクマ・ノベルズ)

ルー=ガルー (トクマ・ノベルズ)

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • メディア: 新書

 私はSFの定義すらよくわかっていないのですが、それに近いと思われるのは京極夏彦さんの『ルー=ガルー』ですかね。普段、妖怪小説ばかりを描く著者が始めて近未来を舞台に描いた小説です。世界観とかが面白く、ミステリの要素もふんだんに盛り込まれているので楽しめると思います。

 

id:snobby

うーん、紹介文を読むと、まさに近未来もの、という感じですね。

そこに京極 夏彦さんのエンターテインメント性が加わると、けっこう楽しめそうな。

ありがとうございました。

2005/02/24 22:47:03
id:morningrain No.2

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ガラテイア2.2

ガラテイア2.2

  • 作者: リチャード パワーズ
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • メディア: 単行本

アメリカの作家リチャード・パワーズの『ガラテイア2.2』は、最新型の人工知能に言葉を教え込むというストーリーで、人工知能に関する記述はSF顔負けです。

id:snobby

これは、「ピグマリオン」伝説の現代版ですよね。面白そうです。

ありがとうございました。

2005/02/24 22:51:05
id:masahikokimoto No.3

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猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

猫の地球儀 焔の章 (電撃文庫)

  • 作者: 秋山 瑞人
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • メディア: 文庫

蒲生邸事件 (文春文庫)

蒲生邸事件 (文春文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • メディア: 文庫

いわゆるライトノベルと呼ばれるジャンルには名実ともにSFな作品が沢山あります。特に電撃文庫の秋山瑞人氏や古橋秀之氏はSF畑からも注目されています。

本当の一般小説という点では、例えば宮部みゆき氏(この人はまあコテコテの一般エンタメ小説と言って良いでしょう)の蒲生邸事件なんか、近未来物ではないですがタイムスリップ物として良くできていると思います。たしかSFの賞も取っていたはず。

個人的には恩田陸氏にもSFマインドを感じますが、あまりサイエンスではないかもしれません。

id:snobby

>ライトノベルと呼ばれるジャンルには名実ともにSFな作品が沢山あります。

なるほど、このジャンルがありましたか。

まだ未読のものが多いので、これは楽しみです。

宮部みゆきさんも、時代物に浮気しないで、こっちで書いてほしいんですけど〜。

ありがとうございました。

2005/02/24 22:53:30
id:shampoohat No.4

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美しい星 (新潮文庫)

美しい星 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

その節は有難うございました。堪能させて頂きました。

さて、「SF冬の時代」が指す時代範囲はサイバーパンクの沈静化以後だと推測していますか、一方で反論にある「今は」が、昭和50年代頃からを指すように思えてならないのです、なんとなく。

三島由紀夫の「美しい星」が、必ずしもSFを専門とはしない作家によって書かれたSF小説(個人的には傑作と)と認識しています。ある日自らが宇宙人であると気付いた一家の長を主人公とし、物語は、家族それぞれが自らが宇宙人であったことの知覚を経て、UFO飛来を希求することを軸に進行します。ある意味で、というか、社会的な何かを描くというあたりで、ウェルズっぽさがあります。

また、北杜夫の「人工の星」が、内容をかなり忘れてしまったんですが、かなり古いものの(初期です)、SF的な切り方で、人工的な世界での寂寥感を描いたものです。これは、たんに「もしかしたら北杜夫はSF作家をしたかもしれない」という位置付けかもしれません。

ガジェットもちだしレベルだと大江の「三百年の子供」(未読です、すみません。タイム物)、や、「治療塔惑星」(中途半端な読後感でした。レムもどきのような)

家畜人ヤプーは、ガジェット多いですよね。タイムマシンとかウィルスの地球規模での流行(ω熱)とか未来の地球とか肉便器とか。位置付け微妙ですが。

id:snobby

大江健三郎は、ちょっとSFには向いてないような・・・いや、質問者が読解できないだけかもしれませんが(^^;)。

むしろ、三島由紀夫、安部公房、北杜夫の流れのほうが読みやすいです。

shampoohatさん、結局「時間テーマ」は、パラレルワールドで挙げたものとの重なりを回避するのが難しいので、あきらめてしまいました。

>「SF冬の時代」が指す時代範囲はサイバーパンクの沈静化以後だと推測しています

サイバーパンク・ムーブメント以後、SFと一般小説の境界があいまいになり、いわゆる古き良き時代を感じさせるSFはパロディの形でしか書かれなくなったという気が、私もします。

ありがとうございました。

2005/02/24 23:03:47
id:Kumappus No.5

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パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)

パラサイト・イヴ (角川ホラー文庫)

  • 作者: 瀬名 秀明
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • メディア: 文庫

例えば、こういうホラーものにブームの中心が移ってしまった感はありますね。もう10年近く前の作品ですが…。このあと「リング」などにこの傾向は引き継がれ、だんだんホラーの部分が強まって今に至っていると思います。

id:snobby

瀬名 秀明さん自身はホラー作家とされることには抵抗があるようですね。

一連のごたごたの後、これからの作品に注目しています。

ありがとうございました。

2005/02/24 23:09:39
id:Nana_Shinano No.6

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ピュアタウン

ピュアタウン

  • 作者: 藤井 望
  • 出版社/メーカー: 郁朋社
  • メディア: 単行本

自殺遺伝子

自殺遺伝子

  • 作者: 渡辺 雄二
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: 単行本

マイナーな小説なので御存じない方が多いと思いますが。

「ピュアタウン」のほうが近未来の「化学物質過敏症の人たちの暮らし」をテーマにしたもので、「自殺遺伝子」のほうがほぼ現代の「遺伝子組み換え細菌による環境浄化」をテーマにしたものです。

id:snobby

どちらも、かなり興味を引かれました。

『自殺遺伝子』は筋立てもしっかりしているようで、幻冬舎の編集者って、やはり凄腕ですね〜。

ありがとうございました。

2005/02/26 15:44:22
id:purple28 No.7

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女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

七回死んだ男 (講談社文庫)

七回死んだ男 (講談社文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 文庫

ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)

ジュリエットの悲鳴 (角川文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • メディア: 文庫

◆「女王の百年密室」森博嗣

 分類するとミステリー(厳密にいえば、森博嗣の作品は“ミステリィ”と表記します(笑))になると思うのですが、舞台は2113年。ミチルとウォーカロンのロイディのコンビが、事件に巻き込まれるという話です。単体で楽しむ分には、近未来のちょっと変わったミステリーという面持ちですが、森作品を最初からシリーズ順に読破しているファンにとっては、また大きな意味をもつ作品となっています。

 基本的にSFには苦手意識を持っているのですが、私の得意分野であるミステリーという切り口であの世界を描いた作品だと、ほとんど抵抗なく読めるから不思議です。

◆「七回死んだ男」西澤保彦

 舞台は近未来ではないのですが、タイムスリップの中でも“リプレイもの”といわれるものに該当するミステリーです。ある日突然、同じ日が9回繰り返されるという「反復落とし穴」(主人公命名)にハマる主人公が、祖父の殺害を阻止しようとする内容。SFの要素を入れつつ、しかも謎解きはとても論理的であるところがこの作者の特徴の一つです。謎解きが主体となってきますので、SFの設定もきっちりしていて、いわゆるミステリーの伏線に当たる部分はとても細かくルールが決められています。私が読んだ作品では、ほかに「ナイフが町に降ってくる」「異邦人」もSFを取り入れた本格ミステリーです。

◆「タイタンの殺人」有栖川有栖(「ジュリエットの悲鳴」収録)

 有栖川有栖といえば、新本格の代表選手でもありますが、やはりこの人もSFミステリーに挑戦してます。地球外で起こった殺人事件を、論理的に解決しているのですが、なかなか笑えます。

 こんな感じで、ミステリーには案外思っているより多くの作品にSF的要素が取り入れられています。今は現代を舞台にしたモノが多いですが、時代モノのミステリーもあることですから、そのうち近未来を舞台とした作品もいろいろと出てくるんじゃないかと思っています。

id:snobby

>こんな感じで、ミステリーには案外思っているより多くの作品にSF的要素が取り入れられています。

そうですよね。量子暗号なんていうものがマジメに議論される時代なので、現代を舞台にしても「SF」にかなり接近しているミステリは多そうです。この分野もすこし開拓したいと思います。

ありがとうございました。

2005/02/26 15:46:55
id:green-arrow No.8

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龍は眠る (新潮文庫)

龍は眠る (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 文庫

ご質問の趣旨からは多少外れますが、上に挙げたurlで<q>SFって二種類あって、「SFとして書かれたSF」と「SF者に発見されたSF」ってのがある</q>という言葉を発見しましたので、SF小説と一般小説の境界が曖昧になっている例としてあげさせて頂きます。

ここで紹介されているのは一般小説をSFに携わる人たちが「SFマインドを感じてSFと認めた」ものですね。

井上ひさし氏の「吉里吉里人」のSF大賞受賞がその象徴といえるでしょうか。

宮部みゆきさんなら「火車」よりもすでに挙げられた「蒲生邸事件」や「龍は眠る」によりSFテイストが強いかと思います。

近年、「アルジャーノンに花束を」が一般小説のようにテレビドラマ化されてしまったことも(内容の改変についての賛否はこの際置いておくとして)SFと、一般小説の境界線が曖昧になりつつあることの証左だろうと思います。

id:snobby

宮部みゆきさんは立派なSFもかけそうな感じですよね。

参考URLの中の川端裕人氏の発言「本当に面白いSFは今もあるんですよ。でも不思議なことにそれがほとんどジュニア小説なんです。」というのも、綿矢りささんの「インストール」が漫画化されている現象などを見ると、納得がいきます。

http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_detail.cgi/4217c00ed9...

ありがとうございました。

今回で終わりです。

2005/02/27 20:43:44
  • id:shampoohat
    追加で

    なぜか忘れてしまっていたんですけど、島田雅彦「ロココ町」がありましたね。行方不明の友人を探す主人公が、奇妙なテーマパーク「ロココ町」に迷い混む話です。
    作者名失念しましたが「スケアクロウ」や、辺見庸「自動起床装置」も、テクノロジーによる人間の混乱、変化を描くという意味で、少しですが、SFテイストがありますね。

    ところで、時間ものSF、多世界解釈を考えると、確かにパラレルワールドものと混ざる部分ありますね。ただ、歴史の自己修復作用を重視する作家、作品なら良さそうな気もしてます。半村良「戦国自衛隊」なんかは、パラレルワールドから歴史の自己修復作用で、また微妙なラインですね。自分の手持ちポイントと相談して、少し絞った形で、タイムもののはてなを考えてみます。

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