【村上龍の作品について語ってください】

複数の年上の友人(30〜40代)が「村上龍が大好きだ」と言うので数冊読んでみたのですが、あまり心惹かれませんでした…むしろ好きになれません。「コインロッカー・ベイビーズ」などの冒険譚は、話はおもしろいのですがどうもその文体?(というのでしょうか、行間に流れる雰囲気のようなもの)と相性が悪いようです。情けないことに、この違和感がどこからくるのか自分でもよくわかりません。

選ぶタイトルを間違ったのかもしれません。お勧めのタイトルとともに、こんな私にも納得できるように村上龍のおもしろさを語ってください。または、同じようにお思いの方、どこに・なぜ違和感を感じるのか説明してください。

※なるべく有効URLをご提示ください。また、批判だけで盛り上がるつもりはありませんので、根拠のない批判はお控えください。
※読んだものは以下です。「コインロッカー・ベイビーズ」、「トパーズ」、「イビサ」、「コックサッカー・ブルース」、「限りなく透明に近いブルー」(中盤で挫折)、その他社会・事件についてのエッセイをいくつか

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回答8件)

id:So-Shiro No.1

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ポイント15pt

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: 文庫

希望の国のエクソダス (文春文庫)

希望の国のエクソダス (文春文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • メディア: 文庫

最後の家族 (幻冬舎文庫)

最後の家族 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: 文庫

村上龍は1994年に幻冬舎から出た『5分後の世界』以降、作風がかなり変わっていると思います。

質問者さんの読まれた小説は、それ以前の高度成長の鈍化→「日本的経営」の一時的な成功→バブル経済のころの作品で、バブル経済崩壊後、村上龍は社会への関心を高め、経済人との交流を深め、ジャパン・メール・マガジン(JMM)というメルマガの配信を始めたりしています。

『5分後の世界』以降では、続編の『ヒュウガ・ウィルス』(書影なしISBN4-87728-585-7)、『希望の国のエクソダス』『最後の家族』がいいでしょう。

年長の友人の方たちは、青春時代に影響を受けた本を薦めているのかと思います。『限りなく透明に近いブルー』を読んだときの衝撃は私も鮮明に覚えていますが、バブル崩壊後の青年に「感動しろ」と言っても無理でしょう。

作家は、きちんと変身している(その意味では、もう一人の村上ー村上春樹とともに、村上龍の非凡さをあらわしていると思います)のに、いつまでも「限りなく透明に近いブルー」「コインロッカー・ベイビーズ」で評価しようというのは無理です。

よくも悪くも、村上龍は時代によって変わり続けています。時代を越えた普遍的なものを描き出す境地にはまだ達していないと見るべきでしょう。

id:nachtzug

なるほど。違和感の理由として、まずは時代性があるということですね。バブル崩壊後に青春を送った者にとって初期作品群への共感は難しいのでしょうか。『限りなく〜』を読んだ衝撃、というのは40代の方も言っていたのですが、いったいどういう衝撃だったのか興味があります。

お勧めありがとうございます。そういえば以前の質問で『五分後の世界』を読んで時間を忘れた、という話がありましたね。ぜひとも読んでみたいと思います。

さて、ひとつ納得できましたが、彼の文体から感じた違和は単に時代性だけではないように思うのです。うーんどうしてだろう。

2005/02/02 14:48:19
id:lucetemps No.2

回答回数96ベストアンサー獲得回数0

ポイント10pt

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

KYOKO (集英社文庫)

KYOKO (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

文庫改訂版 あの金で何が買えたか―史上最大のむだづかい’91~’01 (角川文庫)

文庫改訂版 あの金で何が買えたか―史上最大のむだづかい’91~’01 (角川文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • メディア: 文庫

本に、読んですっきり!的な、娯楽やエンタテイメント性を求めてしまうなら、ちょっと違うかな…という感じですね。

文体の性もあるのでしょうが、どこか鬱々とした雰囲気で、

なおかつ差別的だったりエグかったりな発言が多いので、

私もそんなに好きではありません。(とくに最近のは…)

この、何言ってるかわからない抽象的な感じが「村上ワールド」ですね。

はまるとクセになるんですけどね。

読みやすいのは、映像化された作品ではないかと思います。

「69」は、妻夫木聡が主演、

「KYOKO」は、高岡早紀で映画になりましたね。

「あの金で何が買えたか」は、

「13歳のハローワーク」みたいに図鑑のようになっていて、面白いですよ。

id:nachtzug

ふむ。本はどちらかというとじっくり読むほうで、軽く読めるものより読みごたえのある本が好きなのです。鬱々歓迎。

ニュートラルに読んでいる限り、「差別的」ととられるような内容でも、表現によっては不快を感じませんよね。ただ著者の偏向が見えてしまうような差別的発言・表現は確かにいい感じがしません。

「何言ってるかわからない抽象的な感じ」…ですか。言われてみれば、勧めてくれた友人はみな論理的というより感覚的に優れた人が多いような気がします。

私は「村上ワールド」と相性が良くないのかもしれませんねorz その辺、映画を見るとはっきりわかるかも。

はまってクセになってる方からのご意見も頂戴したいところです。

2005/02/02 15:21:49
id:komasafarina No.3

回答回数1662ベストアンサー獲得回数4

ポイント35pt

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: 文庫

テニスボーイの憂鬱 (幻冬舎文庫)

テニスボーイの憂鬱 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • メディア: 文庫

(ご質問者限定でおすすめ)

(その他の方へのオススメは文中にて)

「・・・の夜」は集英社文庫版あり

「テニスボーイ」はたぶんキライでしょう。

☆それはもう村上龍は好きじゃない」ということだと思いますよ。「コインロッカー」は村上龍がプロの作家になれた作品で彼自身これが書けてやっていけると自信が持てたある種奇跡の作品。ひじょうに村上龍らしい作品。「トパーズ」は彼の最高傑作のひとつ。たいへん村上龍な作品。「イビサ」はぼくも全然いいとは思いませんが、好きな人は多いですね。「コックサーカー」は週刊誌の連載で作りも文章も雑で軽いけど、プロが苦しまぎれに面白くするワザはかなりなもの。ある種、いい加減で軽薄な村上龍がよく出ている。「ブルー」は素人時代に書いたデビュー作で彼がこういう文書が文学だと思っていた文章なのでついていけなくても当然かもしれません。これだけの龍作品を読んで違和感感じると言うことはキライだといいきってよいのではないっすかねえ(笑い)、無理して読まなくても。うーん、違和感はねえ。あんまり実際の人生を知らない人なんですよ、村上龍は。デビュー作で若くして大金持ちになって時代の寵児になってその後、ずっと有名人でスキャンダルもなく、論争なども徹底して避けてきているし、、、、そういう高みから時代や物事を見て、よーくお勉強して、判断で書いている。倫理観はとても単純。基本的に大きくて強いもの礼賛。そーゆーのが(まあ一面的な理解ですが)あなたの感性に合わないのが違和感ではないですか。

ぼくは数年前にマイブームで集中的に村上龍を読みました。(いま手帖を見たら97年の6月下旬から98年の10月までに48冊も読んでました)だから「共生虫」までの作品は入手困難なものまで全作品読んでるんだと思います。(以後は一冊も読んでないなあ。)ふだんはあまり小説読みではなく、こむずかしい評論とか思想書読みのほうなので、龍さんの文章やコトバは(いわゆる日本の大人の人の作家の文章よりは)ぼくには適性がありましたね。村上龍の魅力は「力」だと思う。力とドライブ感。これはもう絶対にかなわない。あとプロフェッショナルだなあと思う。ぼくらと全然文章もコトバもまるでレベルが違う。そこがご質問者の違和感の出所かも)

ベストは「トパーズ」(これはやや客観的な評価ですが、この中の「白い蝶」というタイトルだったかは後世に残したい名作です)すごいなと思ったのは「ライン」(これはもう延々と永遠に書き継いでいってほしかった現代の首都圏仮想レポートって感じの恐怖小説? もっとつづければ大傑作になっただろう)、好きなのは「ストレンジデーズ」(愛してる。自分で書きたいような小説でした。いつまでも読んでいたかった、なんで終わるのって感じだった)「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」(龍さん(ファンはこう呼ぶ)にしては叙情的というか若干センチメンタルかも)「テニスボーイの憂鬱」(よくも悪くも村上龍、いちばん、らしい作品かも。好きなんだ)「ラブ&ポップ」(傑作です)「エクスタシー」「メランコリア」(この2冊は小説世界の設定の雰囲気が好き)「タナトス」との3部作だが、「タナトス」は未読「368Y Par4 第2打」かな、このうちアナタにオススメするのは、上記のとおり、最後の村上龍作品としてどうぞ。(あ、あとけっこうユーモラスなとこはあるんですよね。「69」は戦後憲法下の「坊ちゃん」みたいなもんだろうなと思ってます。

(以上、罠にはまって(!)ついベラベラと)

id:nachtzug

ありがとうございます! 待ってました一刀両断。う〜ん好きじゃないのは確かでしょう。でも、理由がハッキリしないのが気持ち悪いのですよ。

ご回答を読んで(特に前半)、なぜ苦手なのかがだんだんわかってきました。幅広い作品の中で既読作品を位置づけしていただいたのはよかったです。1つめのコメントで「(作品に)共感できないんだろうか」と考えましたが、彼の文章を「共感」でもって読もうとすることそのものが、似合わないことなのかもしれませんね。

後半のご指摘で「ぼくらと全然文章もコトバもまるでレベルが違う」というところは、ピンとはこないながらもほほぅと思いました。

無理に読まなくていい、というお言葉もありがたく拝聴しつつ、とっても読書欲をそそられる作品紹介でした。

2005/02/02 18:20:37
id:snobby No.4

回答回数199ベストアンサー獲得回数0

ポイント15pt

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087496287/hatena-q-22/...

Amazon.co.jp: 69(シクスティナイン) (集英社文庫): 村上 龍: 本

テニスボーイの憂鬱〈上〉 (集英社文庫)

テニスボーイの憂鬱〈上〉 (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

村上龍自選小説集〈5〉戦争とファシズムの想像力

村上龍自選小説集〈5〉戦争とファシズムの想像力

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 単行本

村上龍の中には二つの異なった人格が存在しているかのように思えることがあります。『限りなく透明に近いブルー』や『トパーズ』のような描写をする露悪的なところと、さきほど挙がっていた『69』や、『テニスボーイの憂鬱』のような青春そのもののような小説と。で、どちらかというと、作家本人は現世肯定的な人物のように思えるのです。つまり、『69』や、『テニスボーイの憂鬱』の方が本来の彼の心情に近いと。

『海の向うで戦争が始まる』は、その中間のような感じです(bk1ではISBNが記入されていないので自薦短編集5を表示しました)。

参考URLはamazonの『69(シックスティナイン)』を表示するものです。書評を参考にしていただればと思います。

わたしのオススメは、以上の3冊になります。

id:nachtzug

ふむふむ。「69」「テニス〜」など、私が読んだものとは異なる系統があるということですね。アマゾンの書評を見ていても「楽しい」という言葉が目につきます。komasafarinaさんが「ユーモラスなとこがある」と言われている部分でしょうか。これは知りませんでした。ありがとうございます。

二面性のある作家、ですか。みなさんの村上龍評もおもしろいです。

2005/02/02 18:58:10
id:sanzi24 No.5

回答回数600ベストアンサー獲得回数1

ポイント10pt

なんとなく。なんとなくですが質問者さんのおっしゃりたい事がわかる気がします。(ちなみに私「トパーズ」を小学校の頃に読んで半トラウマになった人間です。)自分の家族(50代)や高校時代の知人はものすごく読んでましたが。

そんな自分でも最後まで普通に大丈夫だったのが「69」と「恋愛の格差」(これは富の格差が恋愛の形にも影響を与えるのでは?という事を書いたエッセイ)でしょうか。(あと最近気になるのが、題名は忘れたのですがネットの企画をもとにして、失われた10年について述べた本。あと「オーディション」(ホラー)と「kyoko」ですかね)

そうですね。私が違和感を感じるというのはやはり描写でしょうか。エグイ(精神的にも肉体にも)部分を淡々と書き続けていくのです。

あと相性、というのがやはり存在すると思うのです。

物語の筋道の流れ、運び、あと文体というのでしょうか。それがどうしても「ああダメだ」というのがあります。(「レディ・ジョーカー」もちょっとそれでした。ちなみに太宰の「人間失格」は最後まで一気に読み通しました。しばらく鬱でしたけど。)

駄文長文失礼しました。なんかまとまらなくて…。申し訳ない。

id:nachtzug

ううむむむ。そうなんですよね、なぜ苦手なのか言語化しにくい。sanzi24さんは違和感を感じつつもなおも読んでおられますね。その上でのお勧め、参考になります。

グロいのやエグい話は得意ではありませんが苦手というわけでもありません。「イビサ」はきつい話ですが、あれは内容のエグさによってむしろ文章のにおいが消されているような気もします。結局相性と言うしかないのでしょうか。ただ、3番の回答ですこし手応えを感じています。文章の魅力として「力とドライブ感」と書いておられましたが、これを裏返すとどうなるか、ということです。

半トラウマといえば、中高生の頃岡崎京子の「pink」を読んでその日の晩ご飯がのどを通りませんでした(笑

2005/02/02 19:28:04
id:FREE_HEARTS No.6

回答回数45ベストアンサー獲得回数0

ポイント5pt

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

ぼくは50代だけど、昨年宮藤官九郎監督で妻夫木・安藤主演で高校時代に実際あった出来事を小説にして映画化。同時代で共感できた。是非映画も。

id:nachtzug

異世代間の共感は困難であることの証左に映画を見るのもいいかも知れませんね。

2005/02/02 21:48:38
id:mimibukuro No.7

回答回数1299ベストアンサー獲得回数3

ポイント25pt

悲しき熱帯 (角川文庫 (5803))

悲しき熱帯 (角川文庫 (5803))

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • メディア: 文庫

エクスタシー (集英社文庫)

エクスタシー (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

私は村上龍が好きです。私の周囲の人々はそれほど好きではないようで、理由を聞かれることがしばしばあります。私は20代後半です。私の場合は質問者様とは逆で、年上(40代〜)の方から、理由を聞かれます。私が面白いと思う本を紹介しながら理由について考えて見たいと思います。

「悲しき熱帯」

私が最初に読んだ彼の作品は「69」でした。高校生のときです。机の下で授業中読んでいました^^;内容的にはそれほどぴんと来ませんでしたが、文章がそれまで読んだものとは違い斬新に感じました。面白いとは思いましたが好きだとは思いませんでした。その気持ちが大きく変わったのがこの「悲しき熱帯」です。舞台は日本ではありません。なんというか表現が難しく、嘘臭くなってしまいますが、

「まるで自分がその場にいるような」感覚に陥り、それがしばらく抜けなかったものです。そこから一気にハマりました。

「エクスタシー」

悲しき〜以降ずっと読みつづけていましたが、これもまた好きな小説です。内容的には結構ディープです。トパーズとかに近いですね。

「オーディション」

こちらもオススメです。残酷で、非常にリアル。

逆に私が苦手だと感じたのは、「THE MASK CLUB」です。過去の物語の部分は良かったのですが、現在進行形で進む主人公の物語の部分がどーも好きになれませんでした。

表現として、村上龍は「極端」なのだと思います。金持ちはどこまでも金持ちだし、貧乏人はどこまでも貧乏。性欲の度合い・薬物への依存・性的思考・暴力…すべてが最大もしくはゼロ。彼の描く世界はきらびやかで、鋭利で、残酷だと感じます。そこらが、好き嫌いが大きく別れる理由なのではないかと思います。

私は好きですが、読後ぐったりしたりもします。

読書は、やはり好き嫌いが大きく出ますから、無理に好きになる必要はないと思いますよ。ただ、何かの作品をきっかけに好きになっちゃうこともあると思いますので、お時間が許すのであれば色々読んでみてください♪

id:nachtzug

村上龍好きな方からの回答、お待ちしておりました。ありがとうございます。

これまでの回答で自分が感じた違和感の理由はわかりはじめたのですが、友人が「大好き」だと言うのはなぜか、mimibukuroさんの回答がヒントになります。「圧倒的なリアルさ」で描かれる「極端な世界」、彼らはそこにはまっているのかも知れません。

はたして私がその世界観を受け入れられるかどうかはわかりませんが、みなさんのお勧めをいただいて、もうすこし作品を読んでみたくなりました。ご面倒でも長文で「語って」くださったみなさま、どうもありがとうございます。

2005/02/02 22:43:20
id:creep_in_jp No.8

回答回数59ベストアンサー獲得回数0

ポイント15pt

すべての男は消耗品である (集英社文庫)

すべての男は消耗品である (集英社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • メディア: 文庫

愛と幻想のファシズム〈上〉 (講談社文庫)

愛と幻想のファシズム〈上〉 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 文庫

村上竜映画小説集 (講談社文庫)

村上竜映画小説集 (講談社文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: 文庫

 今はさほどでもないのですが、高校時代にはまりました。彼の特長はその断定的で歯切れのよい文体、思想にあると思うのです。だから、彼の考え方に合わない人は確実にいると思います。彼は「すべての男は消耗品である」シリーズetcのエッセイや、愛と幻想のファシズムに書かれているように、(うまく言えないのですが)日本の芸術がダメなのは、階級が存在しないからだとか、戦争が必要だとか、農耕民族はダメだ、狩猟民族になれ、etcと言葉どおり受け取るのを躊躇せざるを得ないことを言います。個人的には、彼の言っていることに共感を感じるところがあって、それで一時期はまったんだと思います。

 そして今になって考えて、感じるのは、彼の文章には一貫して(僕は経済に傾倒するようになってからの彼の小説が好きでないので、初期の作品ですが)危機感が書かれている、ということです。現状に甘えたり、妥協したりしそうになった時に、彼の文章は尻を叩いてくれると思うのです。というわけで、尻を叩かれたくなった時には、映画小説集を読むことにしています。僕にとっては、この本が村上龍のベストです。

 ネタ小説としては69が一番好きですけどね。

id:nachtzug

締め切ろうと思ったのですがもうひと方。

「現状に甘えたり、妥協したりしそうになった時に、彼の文章は尻を叩いてくれる」、なるほど。現状を批判し、ずばりとした物言いをしているのを読むと、気分だけでもひきしまりますよね。ふむふむ、こういうところに惹かれている人もいそうです。ありがとうございました。

2005/02/02 22:52:07

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